タウンマネジメントには理論と技術が不可欠

今日のツイッターから

最初に確認しておきますが、これまでの商店街活性化の取組が大筋において “間違い無かった” とすれば、これからも類似の取り組みが続くことになりますが、それで10年間、二兆三千億掛けて近づけなかった成功を手にすることが出来るでしょうか?
真剣に考えて戴きたいところです。

タウンマネジメントは、国が中活法―TMOマニュアルで提唱した商業集積としての再生プロジェクトのスキームです。平時の商店街運営(イベント、施設管理など)とは目的が違います。上位目標としての「商業集積としての再生」を掲げていないイベントや空き店舗活用、その他ソフト/ハードの事業に取り組んでも、本来のタウンマネジメントの趣旨には合いません。

商店街活性化、まちづくり、エリアイノベーションと表現は様々ですが、当該街区を商業立地として存続させたいなら商業集積としての再構築、再構成以外に選択肢はありません。使うことがはそれぞれでも目的は同じで無いと取り組む意味がありません。
他の方法が無効なことはこれまでの取り組みで全国的に証明されています。

「商店街活性化論」の真偽を分かつメルクマールは、既存個店群を増収増益趨勢に導くことが出来るかどうか。商店街の顧客創出・維持機能を担っているのは既存の個店群です。個店の顧客創出/維持機能を向上させない限り、売場外の取り組みの成果が商店街の顧客増として蓄積されることありません。したがって、商店街活性化論には、〈繁盛店づくりの術式〉が組み込まれていること不可欠です。

〇総会シーズンまっただ中ですが、各個店は、繁盛店づくりに取り組まない商店街組織に加入している理由があるでしょうか。 繁盛店が増えないと困るのは執行部を担う個店も同様です。 自店の業績を顔以前したい、という問題は同じはずで、その気持ちで素直に繁盛店づくりに挑戦すべきです。
通行量とか空き店舗とかコミュニティといった効果が蓄積しにくい事業に取り組む「ゆとり」は無いはず、真っ正面から「売れる売り場づくり」に取り組むべき時が来ています。
(全国の商店街が取り組んで効果の出ないことが実証されている取り組みにどうしていつまでも固執するのかな)

〇活性化の原動力は既存個店群のポテンシャル

売れる売り場づくりに取り組まないと、個店、商店街双方のポテンシャルは活かされることが出来ません。
状況的に個店ごとに繁盛店を目指せと言われても無理、このような時こそ協同の力で繁盛の道を切り開くべき。空き店舗や100円商店街、まちゼミなどで繁盛が実現できるか?全力投球で〈売れる売り場の作り方〉を発見、導入すべきですね。

商店街を活性化したければ既存個店群のポテンシャルを引き出す方法を考えるべき。通行量を増やせば事業機会が増えると言うのはセンス無さ過ぎ。
増えないと分かっている、百歩譲って増えたからと言って収益にはつながらないと分かっている店前通行量増大策、あなたのためだから、と言われても身銭は切れませんわなあ。

〇ハード事業関連では、「地権者が反対するので活性化に取り組めない」という話がよく聞かれます。
地権者の反対で実現しなかった計画はあるでしょうが、その計画が推進されていれば上位目的が達成されたはず、と主張出来る内容の計画だったのか、といえば別の問題がありますね。取り組んでいたらとんでもない結果になっていた、と感じられる計画もあったかも知れません。
地権者の合意が得られず実現できなかった計画の中にそういう可能性を持ったものがどれくらいあったか、と言うのは興味がありますね。

〇二兆三千億という巨額を投じたにも関わらず目標未達となっている商店街活性化の現状については:

 客観的に見て、当事者がその気になって取り組めば増収増益の実現が期待される、という計画、活用策を作り、取り組んでいたのか、ということも吟味しなければならない。目標未達の原因は、そもそも目指す目標が商店街活性化を実現するための目標としての整合性を持っていたのかどうか、ということを吟味すべきでは?

販売促進策は、売れている売り場=環境に対応できている売場が取り組むから効果が期待できるのであって、売れていない売り場=競争やお客の変化に対応出来ていない売場が取り組んでも効果は無い。販促の効果が無いのは売り場のせいだから、もっと効果的な販促を、というのは間違いです。

商店街は「社会課題対応」が期待されている。対応を事業機会にすることが期待されているが、効果は「売れる売り場」限定ですね。「売れる売り場」を作れない小売店に社会課題対応を事業機会に、というのは無理な期待。喫緊の課題は何はさておき売れる売り場づくり、と知るべき。

〇深刻な理論と技術の問題:

コンサルタントの鼻祖・ドラッカーさんによれば、マネジメントとは言葉を形にすること。遂行には ①言葉の共有と ②技術の存在が前提となる。 タウンに言葉と技術は準備されているかだろうか?
畢竟、人はおのれが言葉に出来る範囲で問題を発見し、定義し、解決に取り組むということで、言葉って大事ですよね。

中心市街地活性化=経済活力の向上は既存地場小売商業者群のポテンシャルを引き出せるかどうかに掛かっているが、通行量や空き店舗対策、販促の工夫といった常套策は、ポテンシャルを引き出さずに済ませようというか、抑もポテンシャルなどあるわけないというか、ま、そんな水準で作られているわけ。

商店街活性化のキモである愛顧客の増加は、個店の顧客増の結果であり、つまり商店街活性化の成否は個店のポテンシャル発揚の成否に掛かっている、というところを無視しなければ既存の活性化策は成立していない。
見えない問題を見るのは眼ではなく言葉の機能。

大企業との差異は組織と資本力として対抗するに組織化と高度化をもってしたのが我が国中小小売り商業政策の基本。組織と資本は、理論と技術の競争として現れ、店舗売り場として可視化される。対抗すべきは理論と技術だったがまったく対応しなかった。
チェーン小売業は、理論と技術を先進米国から移植、徹底普及に努めた。大店法の出店調整、商店街は店面、開店時期等を交渉したが、理論と技術については全く、何の手立ても講じなかった。ストアマネジメントには理論と技術が必須、店面に負けたのでは無く、理論と技術に負けたのだが・・・。

当時商店街を支援した学経、指導専門家さん達から理論と技術についての指導助言はあっただろうか?全く無かったとは言えないが、商店街―売り場群をのマネジメントに必要なレベルの理論・技術は提供されなかった。
以来、今日まで状況はほとんど改善されていない。由々しいことではないか。

高度化事業について言えば、
共同店舗は商店街を直撃、共同施設事業は隣接商店街との競争には効果があった。互いに理論・技術を装備していなかったからですね。
チェーン小売業との競争にはほとんど役に立たなかった。理論と技術の差。

中活法の施行。商業街区を一個のショッピングモールに見立てて再構築する・タウンマネジメントというプロジェクトが組織されたが、理論と技術の確保という課題が顧みられることは無かった。マネジメントが成立するために不可欠の理論の共有、技術の修得という課題は完全に無視された。基本計画に理論と技術の体系的修得を計画している事例はほとんど無い。この欠陥は我々以外誰も指摘していない。理論と技術抜きでショッピングモール見立ての商業集積再構築が出来る、と本気で思っているのか、なぁ~んも考えていないのか。二核ワンモールとか集客核とか規模店面だけでカッコつけても機能しない。
核機能どころかおのれの存続すらままならない、理論・技術抜きのタウンマネジメントの結末だが総括が出来ていない。数値目標を設定しなかったから、と言うのはトンデモですね。

商店街活性化の合い言葉



商店街活性化とは商店街がどうなることか?
定義もしていないのに、
通行量増大
空き店舗減少
賑わい創出(イベント)
などに取り組めば商店街は活性化する、となぜ言えるんでしょうね。不思議ですね。そう思いませんか?

術語。専門用語の定義にはうるさいはずの大学の先生方も、こと商店街活性化の話になると、一切定義無し。

中心市街地活性化法では、タウンマネジメントについて、商店街等を一個のショッピングモールに見立てて再構築する、としています(TMOマニュアル)。法改正後もタウンマネジメントの定義は変わっていません。また、商店街が持続するには集積間競争の中で勝ち残っていくことが必要です。
すなわち、商店街活性化=商業集積としての再構築、でないと意味がありません。「活性化」と冠をかぶせて取り組まれる事業は、「集積としての再構築」と密接につながっているものでないと、個店の業績向上という成果を挙げることは出来ないと思います。

商店街の合い言葉:商店街活性化とは商店街を商業集積として再構築することである。
是非共有して下さい。

そのためには何をなすべきか?
個店売場の在り方、空き店舗の活用法、イベントの仕掛け方等々、「商業集積としての再構築」という上位目的がハッキリしていると、どういう取り組みにするべきか、また単独一過性の取り組みでは無く、他の取り組みとの相互作用、相乗効果も考えながら企画、取り組むことになります。

皆さんの商店街、「商店街活性化」をきちんと定義し、共有していますか?
活性化に取り組めば、取り組んだ個店は必ず業績アップにつながる、と自信を持って事業に取り組めるようになること、そのためには「商業集積としての再構築」とは何がどうなることか、あらためて勉強が必要です。
勉強抜きで商店街活性化は出来ませんからね。

コンサルタントの武器

商店街活性化の支援を専門にしているコンサルタント/中小企業診断士さん達の武器といえば、ライリー、ハフの小売り吸引力、SWOT分析、マーケティング、マーチャンダイジングなど。
あなたも聞かれたことがあると思います。

特に、これから頻繁に使われそうなのがSWOT分析。強みと弱みの分析。
いかにも科学的経営、科学的問題解決といった香りがする、中小企業診断士さん達の得意技。
合理的な問題解決手法の装っていますが、実態はどんなものか?
我々の見解を紹介します。
SWOT分析の迷妄

後で書きますが、「マーチャンダイジング」も要注意です。
商店街立地の専門店は「品揃え」ですからね。


売り場の内部編制と商業理論

 毎度申し上げているとおり、営利事業としての小売業の売り場(店舗)は、標的とする消費購買行動を基準に

品揃え、提供方法、環境

の三大要素を組み合わせて作られています。
標的顧客相から見て最適の組み合わせを実現することが小売業の仕事です。
リアル/バーチャル、業種/業態、立地や規模、繁盛の有無を問わず、すべての小売業は三大要素の組み合わせです。
三大要素を備えていない小売業は成り立ちません。

三大要素はどう組み合わせているか?
内部編制を分析すると業種業態、企業、店舗の現状を評価することが出来ます。将来を予測することも出来ます。

売り場の内部編制論、これなくして商店街全体の増収増益を実現することは出来ません。現在の収益状況に不満な・繁盛したい個店、空洞化から脱却したい商店街は、内部編制を改革改善しなければならない。

そのとき、不可欠なのが商業理論ですが、この作業に使える内容を持った理論は商学の学会などから提供されていません。
商店街活性化が難しいのは現実の競争相手が手強いからだけでは無く、活性化実現の方向と方法を考えるために必要な基礎理論が提供されていない、ということも影響しています。

通行量増大では増収増益は実現できないよ、と批判して対案を提供してくれる学識経験者がいないのですから。

通行量に限ったことではありません。
理論がなければ実践は「仮説―試行」する以外にありませんが、そこでものを言うのが先行事例。自他を問わず成功した事例があればそれに追随するのが合理的。

問題は、成功事例は本当に成功しているのか、成功事例が解決に成功した問題は、今現在自分が直面している問題の解決成功事例と見なすことが出来るがどうかということ。

もし追随できる成功事例が無い場合は、前人未踏の「仮説―試行」に挑戦しなければならない。
そのとき頼りになるのは理論の力ですが、小売商業、商店街の仮説―試行を導けるレベルの理論が提供されていない、というのが商学の水準なので、自分たちでなんとかしなければならない。すなわち商業理論の構築に参加或いはその企てを応援しなければならない。

とんでも無い状況ですね

商店街活性化40年目の大転換

大店法、商振法が制定されて40数年が経ちました。この間、商店街活性化の取り組みは、ほぼほぼ、目に見える問題に目に見える形で取り組んで来ました。

通行量減少・・・賑わい創出事業
空き店舗増加・・新規出店支援事業
販促事業不振・・集客イベント事業・三種の神器

それぞれ、活性化の効果を発揮することが期待されて取り組まれてきましたが、一向に成果が得られません。依然として問題は目に見える形で続いています。

しかし考えて見ますと、「見える問題」は実は目に見えないレベルで起きている問題の「結果」かも知れません。

通行量減少→商店街愛顧客の減少
空き店舗の増加→新規出店希望者がいない→立地に魅力が無い
販促事業の不振→入りたい店・売り場が少ない

見える問題の見えない原因を考えると、見える問題への取り組みをどんなに工夫しても本当の問題の解決にはつながらないことが分かります。見える問題への対応では、本当の問題はもちろんのこと、表見的な問題さえ解決出来ません。全国の商店街取り組みのの結果として周知のとおりです。
これが数十年にわたって取り組んで来た活性化事業が成果を得られない原因だと思いますが、如何でしょうか?

商店街を空洞化している見えない問題とは何か?

それは商店街に立地している個店の売り場が陳腐化していること。もちろん、現在の売り場を支持してくれているお客さんもいますが、商店街が今後も持続していくための再投資の必要などを考えるともっとたくさんのお客さんに支持してもらわないと持続することが難しくなります。

どうすべきか?

これはもう、買い物行き先としての在り方をもっと充実させる以外に方法はありません。それも郊外・広域に立地するショッピングモールをはじめとするチェーン店と比較して、商店街の店の方が好き、と評価される売り場を作らなければならない。
商店街を活性化したい、と考えたら、真っ先に取り組まなければならない問題は.各個店が「お客さんに支持される売り場」に転換していくこと、です。この問題に取り組まない限り、シャッターの外側でどんな事業に取り組んでもお客が増えることはありません。
40年間の取り組みの教訓です。

教訓を踏まえて我々が推進しているのが、「売れる売り場づくり・キラリ輝く繁盛店づくり」です。
新規投資無し、業種業態・立地・店舗面積・商品構成などすべて現状のまま、売り場のレイアウトを変えることで6ヶ月間の取り組みで前年対比収益2割アップを実現します。

この取り組みに商店街ぐるみで取り組み、商店街を新しいショッピングゾーンに転換していく取り組みが「コミュニティモールプロジェクト」です。

今年度少なくとも三つの都市の中心市街地で取り組まれます。
秋には成果見学会も開催の予定です。

商店街活性化の新しい挑戦、是非注目してください。

自生と計画・商業集積の二種

商業集積は大別すると二つに分けることが出来ます。

1.自生型商業集積
2.計画型商業集積

1 は、言わずと知れた商店街です。それぞれ個店の判断で立地し、営業しており、各個店の業容を規定する上位コンセプトはありません。個店は計画的に出店、経営されますが、集積としては上位計画の無い「自然生長」に任されます。

2は、最初に商業集積としてのコンセプトを決めてテナントを招聘してテナントミックスとして形成するもの。
ショッピングモールやパワーセンターが代表です。

商店街空洞化のプロセスは、集積間競争という側面から見ると、自生的商店街が計画的商業集積にどんどんお客を奪われていく過程でもありました。

商店街を活性化したい、ということは計画的商業集積が互いにしのぎを削っている競争の渦中でのことですから、競争を無視して通行量や空き店舗などに取り組んでいても、商業集積間競争にはなんの効果もありません。

商店街を活性化したければ、集積間競争のまっただ中において、あまたの郊外型商業集積を横目で見ながらアクセスに難のある商店街までわざわざ買い物目的で来街してもらえる商業集積としての在り方を実現しなければならない。
商店街を活性化したい、といったとたん、集積性を構築する、という課題に直面するわけです。

来街目的不問の通行量や用途不問の空き店舗活用、自己目的化している三種の神器などにいくら一所懸命取り組んでも、商業集積としての集積性の向上を実現することは出来ません。
40年間取り組んで来て効果の無いことが十分分かっている通行量や空き店舗などの前に〈売れる売り場づくり〉の取り組みを検討すべき。
時間とお客は待ってはくれません。

一から出直す商店街活性化

昨年度新たに認定された中心市街地活性化基本計画を見ますと、すべて従来の施策の延長上にあると断定して過言ではありません。

これまでの取り組みの不毛な結果は教訓として活かされていないわけで、新たな計画のスタートは同時にその結末を予想させる内容に止まっています。

昨年取り組まれた中企庁の「商店街政策の新たな在り方検討会」は、これまでの取り組みの経緯を括弧にいれて商店街活性化のあたらしい在り方を探るというもので、趣旨は時宜に適していましたが、参集されたメンバーに「出直し」という問題意識が薄く、残念な結果に終わりました。

29年度に作成された最新版の基本計画に当たっても問題意識の変化は無かったようで、都市経営の現場段階、実際に取り組んで成果が挙がらなかったことを実見していても問題意識はなかなか問題の根幹に届かないようですね。
のべ数百という基本計画が成果を挙げていない、という惨状をどう見ているのか? 計画を見る限り、なんも見ていない。

そうした中で取り組まれる商店街活性化、一からの出直しが必要ですが、その必要を認識している関係者が果たしてしかるべきポジションにいるかどうかと言えば、これはもう、限りなくNOといわざるを得ない状況ですね。

この期に及んで「賑わい創出」が中心市街地活性化の目的―目標だと根拠無く信じて行動する首長が珍しくない。
一からの出直し、必要ですが実行するのは大変です。

☆「売れる売り場」の在り方検討会☆

小売業は存続するためには、売れる売り場を作り・維持し続けなければならない。リアル・バーチャル、有店舗・無店舗、業種・業態、規模や立地を問わず、すべての小売業が実行しなければならない当然の仕事ですね。

売れる売り場とはどのような売り場か?
言うまでもなく、お客に支持される売り場ですが、支持される売り場とはどのような売り場か?どうすれば支持される売り場を作ることが出来るか?
小売業永遠の課題です。

売れる売り場を作るには何よりもまず、売り場は何をどう組み立てて作られているのか、売り場を構成する諸要素の関係はどうなっているか、売り場の構造を理解していることが必要です。

【売り場の必須要素】
小売業の売り場は、
〇品揃え
〇提供方法
〇提供環境
を必須要素として成り立っています。三つの要素のうち、どれが欠けても売り場は売り場として機能することが出来ません。
三つの要素を備えていない売り場はありません。
それぞれの売り場の全体像は異なっていても、その売り場はすべて三大要素の組み合わせで成り立っています。

すべての小売業・売り場に共通する必須三大要素、その関係はどうなって言うrか?お客から支持される売り場の三大要素の関係はどうあるべきか? 
考えてみたことがありますか?

売り場づくりとは三大要素をどう組み立てるか、ということに他なりません。
その組み立て方に『原則』があるのかどうか。
あるとすればそれはどのようなものか?

中小小売業、商店街施策でほとんど手つかず状態にあるのが個店・売り場対策です。空き店舗になると手厚い対策が講じられるのですが、営業している間は店前通行量を増やす、というところまで。言うまでもなく、通行量とお客は同じではありません。
通行量増大策に取り組んだ結果、通行量は増えたがお客は増えず、収益逓減傾向は改善されていない、という事例は少なくない。

立地する中小小売商業者の協同組織、振興組合その他の組織も個店の売り場の在り方については、ほとんど手が出ない。
商店街活性化は、個店の入り口で立ちすくんでいると言って過言ではありません。

毎度のことながら、売れる売り場が作られていなければ、『売るための努力』が実を結ぶことはありません。
売り場は如何にあるべきか?

商店街活性化の成否を左右する個店売場、その在り方は如何にあるべきか?
研究してみる必要がありますね。
これを研究するのが『売り場の在り方検討会』です。
(※中企庁の『商店街政策の新たな在り方検討会』にならってみました。)

タウンマネジメントはイノベーションマネジメント

まちづくり会社、タウンマネージャーが担う中心市街地のタウンマネジメントは、テナントミックスの管理を主体としたショッピングセンターのルーティーンマネジメントではありません。

当面取り組むべきタウン・マネジメントとは、TMOマニュアル風に言えば「ショッピングモールへの転換」のマネジメントであり、これは既存個店群の業容転換プラス空地空店舗の活用で推進する「イノベーション過程」のマネジメントですから、既存のショッピングセンターのマネジメントとは根本的に違います。ここを誤解してテナントミックス=ショッピングセンターの得意技、SC関係者(たとえばコンサルタント、たとえば店長経験者)を招聘すれば何とかなる、などと考えるととんでもないことになります。

彼らは、中心市街地に立地する百貨店、ファッションビル、商店街などの売り場・個店の転換などを手がけたことは一度もないはず、そういうスキルを持っていると期待することは出来ません(個人的にそう言う資質を持った人はいるでしょうが、招聘するのは難しそう)。

日本型GMS=量販百貨店のマネジメントノウハウなどを持ち込まれては、出来ることが出来なくなってしまいます。
このあたり、「魅力ある個店づくり」と並んで、ショッピングモールへの転換の障碍になりかねない「誤った路線」ですからね。
一見、正しい手法のよう見えますから特にご注意あれ。

中心市街地のタウンマネジメントは、中心市街地の計画的転換、すなわち中心市街地所在の商業機能の「革新」プロセスのマネジメントであり、この過程をマネジメントするのは容易なことではありません。
まちづくり会社の皆さんは、おそらく、どのようなスキルが必要かということも積み上げられないと思います。
とりあえず、基本計画で「ショッピングモールへの転換」を打ち出せなかったところは、「転換」=「中心市街地イノベーション」のプロセスについては外部の指導・支援を受けるべきだと思います。
ぜんじゅつのように、適任者を見つけだすのが大変だと思いますが。

中心市街地のマネジメントとは、イノベーション・マネジメント、そんじょそこらのしょっぴんづせんたーなどのマネジメントとは中味が大違いだということはしっかり理解しておきましょう。

それから、「計画は一人で作る」というのはきちんと守らないとだめ、「みんなで作った」からといって計画の内容をみんなが理解していることにはなりませんからね。参加者は何しろ自分たちで作ったわけですから、まさか内容を理解していないとは誰も思いませんから、きちんと理解していなくてもいまさら説明してもらえません。
こういう人たちが商店街の皆さんに計画を説明しても、自分自身が理解していないわけですから説得力がない。結局、せっかくの計画も「作っただけ」で終わってしまうことになる。

結局、商店街、商店主、不動産オーナーさん達が、自分の仕事として取り組まないと成功しない事業は一切組み込まれていない計画ができあがっている。

タウンマネジメントとは、商店街を一個の商業集積として再構築すること、これまでの商店街とは異なるショッピングゾーンへの転換を計画的に推進すること。
他の意味(たとえば通行量増大とか空き店舗利用とか)で使っても目的を達成することは出来ませんから,そのつもりで。

「売り」と「買い」の非対称性

■「売り」と「買い」の非対称性 

非対称性とは、AとB二つを対比したとき、AはBの条件をすべて備えているのに対して、BはAの条件を備えていない、という関係のことですね。

売りと買い、企業経営とは売買差益を求めこれを原資に企業目的を達成し続けることです。であるならば、我々は企業活動の基盤となっている「売りと買い」について、よく理解しておくことが必要です。

商品を売買する、商品をお金と交換するということですが、これには心理的な「等価交換」が成り立っていると仮定しましょう。もちろん「等価」というのは厳密な言い方ではありません。「この範囲ならまあいいか」という「許容範囲」と考えた方が状況に合っているでしょう。

ともかく、売買とは交換が成立すること、売り手と買い手がそれぞれの相手が出す条件を「交換条件」として認め合うことです。
これは相互に認め合わないと成立しません。そこで「売り手」と「買い手」は同一の条件に立っている、対等の立場のように考えられますが、果たしてそうでしょうか?

ここで、売買の場に提出する「交換材料」を比較してみましょう。
売り手側が提出するのは、ある「効用」をもった商品です。これは言い換えれば、ある効用しか持っていない商品ということになります。

他方、買い手側が提出するのは、「お金」です。お金は「商品であればどのような商品とでも交換できる」ものですね。


■あなたにとっての交換の必要性 

あなたはお客に商品を提示して、お金との交換を提案しています。
この交換はあなたにとってどのような意味を持っているのでしょうか?

前述のとおり、営利企業は、売買差益をもって必要経費の原資を稼ぎ出すことが必要です。どんなに優れた企業理念・目的を掲げており・かつ、実際に社会に貢献出来る企業でもその貢献は、NPOをのぞき・これまでのところ、営利活動を通じて開花するわけですから、商品が売れないことには企業としての存続が揺らぎます。

商品を販売する=お客に商品とお金の交換を提案し、応じてもらう、ということは企業にとって他のどんな仕事にも優先するテーマです。
営利企業が商品を販売するのは、経営原資となる売買差益を得るため、商品は売れる・お金に替わるということが実現されなければ企業の目的達成に貢献することは出来ません。

企業経営において商品はお金の代わりをすることが出来ません。
商品をお金と交換する、「営利」とは第一に商品をお金に換えること、第二に、プラスの差益を確保することです。

■お客にとっての交換の必要性 

> 他方、買い手側が提出するのは、「お金」です。お金は「商品であればどのような商品とでも交換できる」ものですね。

あなたの商品はお客の「お金」と交換しない限り、経営に役に立照子とが出来ません。行ってみれば商品は必死でお金の気を引こうとしているわけでありまして、昔の人は「商品は貨幣に恋をする。しかしその恋路は平坦ではない」といっております。

お客にとって「お金」とは何でしょうか?
お金は流動性、いつでも何とでも交換できる流動性そのものですね。
お金を持っていることは、そのお金に見合う商品・サービスをそれが何であれ、自由に手に入れることが出来る、ということです。

一方、お金を商品と交換するということは、何にでも変えられるお金の可能性を一個の商品絞り込み・かつ・二度と交換できないようにすることですね。これは勇気が必要です。
この商品を買うためにこのお金を使う、もしこの商品を買わないとしたら、このお金で何が買えるか?

これはけっこう厳しい吟味になります。
お客にとって選択肢は、ちょっと考えただけで、
1.目の前の商品と交換する
2.代替品を探す
3.全く他の商品を買う
4.お金を使わない
と多様です。
お金を使わない、流動性を維持する、という選択肢が大きいことは、消費者アンケートなどで「気に入る商品がなかった時の行動」を聞くと「買うのを止める」という回答が6割以上になる、ということから明かです。「もの余り」はお店や流通だけではなく、お客の生活そのもにものがあふれかえっているわけですからね。

商品とお金、商品の方は何が何でもお金に成り変わりたいのに対し、お金の方には差し迫ってこの商品でなければならない理由は、たいていの場合、そんなに強いものではありません。

ここに商品とお金、「等価交換」でありながら、そこに期待されている可能性は大きく異なっています。

■「非対称性」を乗り越える 

「売り場づくり」とは、この交換の非対称性があるなかで、継続的に交換を成立させるための仕掛けである、ということが理解されたことと思います。

商品を売る、ということは商品とお金の非対称性を乗り越える、ということです。我々の仕事は、「何でも買えるお金をこの商品と替えてもらう」ということですからね。4つの選択肢があるお金を目の前の商品と取り替える、ということは他の使い道については「あきらめる」ということ、まして家にはものがあふれかえっている・・・。
相当の努力が必要だと言うことをあらためて確認されたことと思います。

なかでも重要なのは言うまでもなく、「商品」です。
商品を使う局面を想定し、その局面にその商品をはめ込んで見て、収まり具合、相乗効果性などを吟味する。
好みにピッタリということはもちろんですが、コーディネート、価格など様々な特性がお客自身が持っている「許容範囲」内にあることが大切です。(「許容範囲」というアイデアについてはあらためて説明します)

皆さんがお客に対してお金との交換を提案している「商品」の多くは、お客の好みがシビアで、許容範囲が狭いことが特徴になっている商品ですね。
「スイートスポット」にジャストミートしないと首尾よく交換してもらえない可能性が高いわけです。

十分吟味した商品をお客の自然なショッピングパターンにフィットした展開で提案する、ということに出来る限りの努力をしなければならない。

■念のため確認 

非対称性について。
とにかくですね。
我々は何としてもお金と商品(在庫)の交換を成立させないといけません。経費の源泉は、商品とお金の交換から、通常はここからだけしか生むことが出来ません。さらに悪いことには許容期間中に交換が成立しないと、交換価値がどんどん下がっていきます。

他方、お客のお金は商品と交換しなくてもぜんぜん平気です。
価値が変わったり使い勝手が悪くなることはありませんし、もっとよい・気に入る商品との交換の機会があるかも知れません。

というように、この非対称性、我々の側にうんと条件が厳しくなっているわけです。
「お客様は神様です、なんとか買ってください」とお願いしたいところですが、あいにくとお客は神様ではありませんから、シビアにしっかり吟味します。

この吟味に耐え得た商品、流動性を維持するよりもこの商品と取り替えよう、そうすると生活がたのしくなる、と判断された商品だけが買い上げられるわけですからね。
あんまりなめたことはできません。

ということで、業容=品揃え、提供方法、提供環境 三位一体の内店づくりに突入です。
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プロフィール

有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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