商店街活性化のミッシングリンクとは何か、それをつなぐのは誰か? その昔・商店街全盛時代、通りにあふれていたのはみんな商店街のお客さんでした。商店街のイベントともなると、この人達が一斉に来街しますから文字どおり、通りは押すな押すなの大盛況でした。
お得意さん主体の人出ですから、当日は人出に比例していつもとは比較にならない売上げが実現しました。
今、イベントなどで商店街を訪れる人の多くは、日頃は商店街以外の施設、個店でショッピングしています。
せっかくみんなで力を合わせて企画したイベント、お客さんがたくさん来てくれてもその人達がそれぞれの個店・売場を訪れ、商品を吟味し、買い上げていただく、というイベントのねらいはなかなか実現出来ません。
イベントで来街した人が個店の入店客になってくれれば、その中からお得意さんが生まれる、やがて他の店にも回遊し商店街全体の常連さんになってくれる・・・・、こういう流れが出来上がると催事のたびに個店でショッピングを楽しむお客が増え、お得意さんが増え、回遊客が増え、という〈善循環〉が起こって、徐々に商店街は毎日賑わうようになります。
もちろん昔のようにはいきませんが、現在とは比べものにならないくらいお客が増えることは間違いありません。
問題は、この〈善循環〉をどうしたら産み出すことが出来るか。
日本全国、数十年にわたって取り組まれているのにほとんど成果が挙がらない商店街活性化。
活性化のシナリオを読み解いてみますと、とんでもない欠落があることが分かります。
一般に商店街活性化のシナリオは:
①ソフト&ハードの商店街活性化施策に取り組む
↓
②集客に成功する
↓
③集まったお客が買い物をする→商店街のファンになる
↓
④商店街が活性化するというものですね。
筋が通っていますが、大きな問題が③にあります。
③は実現していないのです。
お客が買い物をするのは各個店の売場、すなわちシャッターの内側ですが、もちろん、ほとんどの個店の売場は「劣化スパイラル」に陥っています(陥っていなければ活性化に取り組む必要はない)。
多くの売場がノボリ、ポスター、低価ワゴンなどをズラリと並べて店内・売場を隠しています。
売場すなわち「買い物の場」の情報が全くといっていいほど伝わってこない売場ばかり並んでいますが、集客イベントに誘われて来街した人がどうして「入店客―買い物客」になるでしょうか?
もちろん、なりませんね。
この人たちは、商店街以外に日頃出かける「ショッピング行き先」を持っており、ほとんど不自由を感じていませんから、何も商店街に来たからと行って、内容がよく分からない一見の売場でショッピングする必要は無いわけです。
ということで、いくら施策を講じても商店街が活性化出来ないのは、
①ソフト&ハードの商店街活性化施策に取り組む
↓
②集客に成功する
↓
③集まったお客が買い物をする
↓
④商店街が活性化する
というシナリオのうち、③が実現できないから。
③が実現できないのは、軒を連ねる個店の売場が劣化しているから。 つまり、これまでの取り組みには「劣化している個店の売場を改革する」
という不可欠の取り組みが欠落していたため、シナリオがちゃんと機能しなかったせず、集客増が入店客増→得意客増に結びつかなかった。③は機能しなかった。
ミッシングリングですね。
商店街を「ショッピングの場」として再生するには、陳腐化・劣化している個店売場をショッピングを楽しめる場へ変身させなければならない。これが商店街活性化のメインテーマですが、これまで本格的に取り組まれたことがありません。
個店の売場の改革にどう取り組んでいくか?
中心市街地・商店街活性化の最大の課題ですが、管見の限り、当社を除いて誰もこの問題を指摘している例は見当たりません。
さしあたり、第一線で取り組んでいるTMO、タウンマネージャーさん、指導に当たる専門家の先生方などはイの一番に気づいて、問題を指摘し、対策を講じるべきところだと思われるのですが・・・。
近年、街に魅力的な店舗が少ない、ということが自覚され問題視されるようになりましたが、どうもまだ他人事、魅力的な店を空き店舗に誘致したい、というレベルのようにも見受けられます。はたして魅力的な店が商店街に出店してくれるかどうか、出店して繁昌したとしてそれが既存の店舗に波及するとは考えられません。
行政の支援施策でも「個店に対する経営支援」を課題として取り上げる傾向は徐々に増えていますが、さて、喫緊の課題である「売場の改革」についてどのような「方向と方法」で取り組むのか、もちろん「施策」はそこまで指示は出来ませんからそれぞれの都市が能力全開で企画しなければならない。
そこで登場するのが当社提案の「コミュニティモールプロジェクト・売れる売場づくり」の取り組みです。
商店街全体、構成する各個店の状況いずれも現状見てのとおり、というところからスタートして「郊外型全盛時代の中心商店街」を「これまでに無いショッピングモール」へと転換していくプロジェクトです。
あらためて考えてみれば、『中心市街地活性化基本計画』は商店街の「コミュニティモール」への転換プロジェクトとして作成されてい始めて中心市街地活性化を実現出来るスキームだったのだとも言えます。
基本計画も商店街活性化も基本中の基本である「陳腐化している売場」を「売れる売場」に変容させるという課題を放置していたわけですから、いくら各種事業に取り組んでも「商店街―中心市街地のショッピングモールとしての再構築」は全く手が届きませんでした。
しかし、これからは違います。
ミッシングリンクの存在が明らかとなり、それを自分たちの自助努力で作り出すことが出来ることも分かりました。
後は実践に乗り出すだけです。
まずは
「売れる売場づくり・試行版」 からどうぞ。
goo.gl/BHHi4g
消費増税施行まで一年を切りました。一日も早く「売れ売場づくり」の取り組みに参加、皆さんで「商売をしていてよかった」と心の底から思えるような売場―商店街を構築して下さい。