小売業 起死回生の基礎体力

 今年度、当社は「わが国小売業の全体像」の把握に努めています。
全国各地の皆さんと取り組んでいる商人塾、その合間を縫っての各地の商店街視察をはじめ、百貨店やショッピングセンターなど商業施設の視察研究、あるいは松山市丸亀町商店街のように、当社プロパ-の研究活動まで、多様な取り組みを行っているところです。
ご承知のように作業の多くを当サイトで公開しています。

 このところ、あらためてつくづく感じさせられるのは、
“消費購買行動の変化を適切に見切り、「店づくり」として対応している小売業者は極めて少ない”
ということです。

 これは、けして商店街立地の中小小売業者に限ったことではありません。
 消費購買ニーズと自らの業容との間に生じているミスマッチを自覚出来ず、その結果、業績が低迷しているのは、「商業活性化」事業の対象とされている中小小売業者やその集積である商店街に限られたことでは無いのです。百貨店やファッションビル、広域型ショッピングセンターに至るまで、小売業の多くが業績の低迷~劣化スパウイラルに陥っており、しかもそのことを理解していない、というのがわが国小売業界全体の現状です。

 商人塾では「問題解決能力」について理解する課目がありますが、その中で「組織」の問題情況を理解するにあたっては、
1.組織の目的・目標
2.組織が直面している問題
3.問題解決に活用できる組織の基礎体力の情況
を理解することが必要だ、ということがあります。
この3項目を把握すれば、その組織が問題情況においてどのような行動を取るか、予測することができます。

 特に重要なのは、組織の基礎体力です。
組織の基礎体力は組織成員の基礎体力の活用で決まりますが、特に重要なことはその意志決定を左右するポジションにある人たちの基礎体力です。
“当該企業のリーダーたちの基礎体力はどのようなプロセスで形成されているか?”を理解すれば、企業が直面している問題へ対応に適切な基礎体力を持っているか否かを判断することが出来ます。

 わが国の小売業の大方の基礎体力は「見よう見まね」を基本としています。
基礎体力を「見よう見まね」ではなく、自社独自のビジネスモデルの構築プロセスで作っている企業もありますが、それを「理論化」しているところは極めて限られています。
当社は、コンビニエンスストア企業、スーパーマーケット企業、SPAなど成功事例と見なされている、事実、業績としては好調な企業でさえ「ビジネスモデルの理論化」には必ずしも成功していない例が多いと思っています。

 その他の企業ではいうまでもありません。
そのトップマネジメントをになっている人々は、高度成長~バブル期にそのキャリヤというか、現在のポジションに上り詰める基礎体力を構築・錬磨した人たちです。
その「基礎体力」は、これまでの「成功体験」をどう織り込んでいるか?ということが重要でありまして、当時と今の消費購買行動を問題解決行動として一体的にとらえるとともに、「生活の変化」に伴う“消費購買行動の基準の変化”を踏まえ、消費購買行動の変化を理解・把握しなければならない。
これを適切に理解した上で、自社の「ビジネスモデル=コンセプト」を定義し、業容として展開し、オペレーションしていく、というのが小売業という商売です。

 今現在、商店街や中小小売店に限らす、全体としての小売業界が直面しているのは、今現在~将来の消費購買行動を如何に理解するか、それに対応するための自社のコンセプト~業容をどう設計し、実現していくかという、もの凄く基本中の基本の問題です。
このことが理解されておらず、さらにたとえ理解したとしても「構築」に必要な基礎体力が企業のどこを見渡しても装備されていない、ということで皆さんが直面しているのは、一つでも難しい問題が「二重の問題」として立ちふさがっているわけですね。

 繁盛を再構築する=二重の問題を解決するために、まず取り組まなければならないのは、「基礎体力」をつけること。
基礎体力の向上強化のために何を為すべきか?
これまた一筋縄では解決できない問題ですが、当社流「商人塾」は、商店街や中小小売業者のみならず、小売業全般・業種業態を問わず、喫緊の課題となっている基礎体力の転換・向上・強化への取り組みに有効な、これまでのところ、唯一の提案だと思います。
他では、ここで明らかにしている「問題情況」さえも理解していないレベルでのソリューションと断言して過言ではありません。

 縷々申しあげましたが、「勉強」は商店街や中小小売業者の皆さんだけではなく、わが国の殆どの小売企業が業種・業態に関わらず喫緊に取り組まなければならない戦略的課題だということがご理解いただいたことと思います。
この情況において、十年一日、イベント事業や空店舗事業になけなしのお金と時間をつぎ込むことをもって“活性化に取り組んでいる”と錯覚している皆さんは、一刻一時も早く迷妄の淵から脱出、「繁盛への道」を歩むための基礎体力の確保に全力を傾注する、万難を排してそのための取り組みを構築しなければならないこと、よ~くお分かりですよね?

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