中心市街地三号要件(承前)

 今治タオル産地活性化の取り組み、甲府市中心市街地活性化の取り組みを並列論じましたが、あらためて中心市街地活性化の推進が都市経営、地域活性化において果たすべき役割を考えてみましょう。

『中活法』第二条(中心市街地)
 この法律による措置は、都市の中心の市街地であって、次に掲げる要件に該当するもの(以下「中心市街地」という。)について講じられるものとする。

一 省略 ・・・・一号要件=集積要件

二 省略 ・・・・二号要件=趨勢要件

三 当該市街地における都市機能増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進することが、当該市街地の存在する市町村及びその周辺の発展にとって有効かつ適切であると認められること。

 この要件については、皆さんすっかりお忘れのことと思いますが、そういうことではプランナー、マネージャーは務まりません。もちろん、活性化協議会のメンバーはその趣旨を体して出身組織の活動に反映させなければならず(これが出来ないと何のために協議会を立ち上げたのか、参加しているのか分かりません。)、まちづくり会社はその全体がうまく機能するように調整を行い、商工会議所・商工会はその設置目的「その地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、兼ねて社会一般の福祉の増進に資することを目的とする(商工会議所法第六条)」から、取り組みに参加するとともに、会議所ならではという独自の事業を立案推進することが求められ、行政はいうまでもなく「都市経営」のカナメとして、都市全体の活性化の取り組みのパイロット的ポジションとしての推進に注力することが肝心ですから、「法」第二条に示されている中心市街地の三要件は、必要に応じて脳内からサラサラ出てくる位置に保存しておかなければならない。こういう条件を忘れると必要なときに必要な知恵が出ません。

 以上を踏まえて、御地の中心市街地活性化基本計画を振り返ってみましょう。
計画されている事業に取り組めば、その結果として「三号要件」にうたわれている成果が中心市街地以外に波及していく、という計画になっているでしょうか?

 ということがあらためて問われるわけでありまして、居住者を増やせば街は活性化するとか、中心市街地居住を推進することがコンパクトシティだとか、従来的レベルの活性化策に都合のいい屁理屈をつけただけというレベルの計画が目に付きます。

 既に何度も繰り返してきたテーマですが、中心市街地活性化の方向と方法は、“これを推進すれば三号要件をクリアする”という方向と方法でないと中心市街地そのものの活性化も出来ません。
まして、ただでさえ人口減少に悩む非中心市街地から本来ならそれぞれの地域の活性化を担うべき、流動性に富んだ人たちを召し上げてしまう、というのは話にならないミスマッチです。

 中心市街地活性化に期待される波及効果とは:
①広域の住民にこれまで無かった「時間堪能」の機会を提供し、人々の生活を豊かにすること

②①に取り組む過程で新しい雇用機会を創造し提供すること

③中心市街地内外の事業者に新しい事業機会を提供すること。

④取り組みを通じて向上した「三者体制」などによる地域活性化のノウハウを他地域に伝搬すること

⑤担税能力の向上による地域経営への資金面での協働

 ちょっと考えただけでこういうことが挙げられます。
特に、民間行政のタッグによる地域活性化の経験の蓄積は、何ものにも代えられない経営資源になっていきます。

 ということで、あらためて確認しますが、中心市街地活性化とは以上のようなことを念頭に置いて取り組まないと成功することが出来ません。

 取り組みの定期報告を行った各都市の計画は果たしてどうでしょうか?
上記のような取り組みになっていれば、スタートから一年も経てば他地域に伝搬可能な成果が挙がっていて当然ですが・・・・。

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