商店街・商業集積の分類と活性化

「分かる」ということは分類できるということだ、という人もいるように、
われわれは対象であるものごとをグルーピングする、つまり、何らかの
条件をもって類型化することは、その前にグループ化するための基準を
作っているわけで、この基準を作るには対象を有意義に分類する為に
必要な知識を持っている、ということですから、すなわち、分類するとは
対象が位置すべき場所を知っている、ということになります。
☆これが「理解する」ということですね。

 商店街、商業集積を理解するには、その商店街あるいは商業集積が
どのような類型に分類される特徴を持っているかということを理解する
ことが不可欠です。
 
  ご承知のとおり商店街は、近隣型商店街、地域型商店街、広域型
商店街というように分類されています。もちろん、ショッピングセンターも
同様で、ネバーフッド型、コミュニティ型、リージョナル型というように区分
されています。

  類型が異なれば、商業集積が事業機会としてターゲットにしている消費
購買行動も異なります。近隣型=最寄り、広域型=買い回り、地区型=
両者の中間というように。

 類型が異なるということは、対応している消費購買行動が異なるということ
であり、当然、その集積に対するお客の期待していることも異なり、それに
対応して集積の業容も異なっているということです。近所のお店への期待と、
電車で出掛ける都市中心部での買い物に対する期待は違いますよね。
商店街全盛時代にはそれほどシビアでは無かったのですが、店あまり・もの
余りの現在では、ショッピング目的に応じて店舗・商業集積を使い分けること
が普通ですから、“なんでもあり”的なメリハリの利いていない業容の個店・
集積は買い物行き先として評価されません。
商店街も一個の商業集積として“どのような消費購買行動に対応していくか”
ということを真剣に考えて、業種揃え・店揃えとして実現することが「活性化」
への唯一の道、他の事業はこれを実現するための「手段」です。

  中活法の取り組みで問題となるのは、都市中心部に位置する商店街、
商業集積の活性化ですが、もちろんその特徴は「買い回り型商店街」という
ところにあります。
それも、様々な要因が作用して劣化スパイラルに陥っている、という条件が
ついている広域型商店街です。(第2条2号要件)

 つまり、中活法の枠組みで取り組む商店街活性とは、
1.都市中心部に位置する広域・買い回り型商店街 プラス
2.周辺住民を対象にした近隣型商店街
の活性化を意味します。特に、中心となるのは?の広域・買い回り型商店街
すなわち中心商店街の活性化です。

 ところが、
中活法の制定以降の取り組みで顕著になっている問題がありまして、活性化
のための施策が「商店街類型」を無視して企画・実施されている例が多いと
いうことです。
殆どの基本計画が、対象とする中心商店街の商業集積としての特性を無視
して「活性化策」を計画しています。

  居住が増えればお客が増える、というのは近隣型商店街(集積・施設)特有の
特徴であり、中心商店街の場合、周辺人口と商店街の賑わいとは特に関係は
ありません。銀座、新宿、渋谷の居住人口と来街人口を考えてみればすぐ分か
ることです。

 中心商店街に来街客が減っている、その原因は郊外のショッピングセンター
の出店である、ということなら、活性化のテーマは、“郊外のショッピングセンター
群を横目にわざわざ中心市街地まで買い物に来てもらえる魅力的なショッピング
の場を再構築すること”であることは明らかです。

  商業類型を理解していない、あるいは理解していてもそれを無視して作られた
「基本計画」には中心市街地的商業集積の特性が説明されておりません。
あたかも商店街というのはどこに位置していようが、どんな規模であろうが中味・
機能は同じ、どんな消費購買行動にも対応できる、あるいは消費購買行動の
区分などは存在しないと考えられているかのようです。
  したがって、計画され・取り組まれている施策は、どんな類型の商店街で取り
組んでも違和感のない事業ばかり、取り組みが成功したからといって「買い物の
場としての中心商店街らしさ」が実現し、広域からのお客が郊外のSC群を横目
に見ながらアクセス条件劣悪なショッピング目的で来街してくれる、という条件は
殆ど実現しません。
言うも愚かながら、そういう類の事業にどんなに一所懸命取り組んでも商店街が
活性化される、買い物客で街が賑わうという情況を作り出すことは出来ません。

 各地の基本計画、盛り沢山の事業を並べ、取り組んでいるわけですが、たった
一つ、“広域からのお客の来街目的を充実させる”という取組みだけは殆ど計画
されていない、というのがこれまでの作られた基本計画の水準です。
アーケードのリニューアル、ファサード整備、イベントの開催など計画されている
事業はそれが見事に成功したからといって「わざわざ買い物に来る価値のある」
来街目的の充実には殆ど無力ですからね。
 事業は成功したが活性化は出来なかったという事例は旧基本計画当時から
いくらでもあるわけですが「商業集積としての充実」をメインの課題に掲げること
が出来ていない新基本計画は、新たに提供された施策をどんなに利用しても、
やっていることが間違っていますから、活性化を実現することはできません。
この点、残念ながら既に続々と「後続事例」が出ています。

  それにしても「商店街の類型」は、かっては商店街活性化のイロハだったと
思いますが、いつの間に誰も問題にしなくなったのか?
とうも、『中活法』~基本計画のスキーム登場以降は見かけなくなったような気
がするのですが・・・。

  一号認定の青森・富山両市の基本計画が、商店街類型を踏まえて“わざわざ
来街してシもらうョッピング行き先として再構築する”という方向を無視して作られ
これに追随する全国の都市が“右へならえ”した結果、中心市街地活性化を導く
商業理論は“施策を講じるに際しては「商店街類型」を理解しなければならない、
活性化施策の中身は商店街の特性によって変わるのが当然” というかっては
常識だった姿勢が消滅しているわけです。
 
 念のため、昔の「商店街診断報告書」を見てご覧なさい。
冒頭に当該商店街の類型区分が明記されているはずです。

 ということで。
中心市街地活性化のスキームで取り組まれている商店街活性化を導く「商店街・
商業集積の理解」は、相当に劣化しているのではないか、と心配されます。
杞憂であればさいわいですが、もし事実なら由々しいこと、今一度、自分たちの
「基本計画」における中心商店街の特性分析について、
1.そもそも分析が行われているか
2.分析結果は、ショッピングセンター時代の商店街活性化の導きとして妥当で
あるかどうか、チェックしてみることが必要です。

 作業にあたっては、商業についての知識が不可欠、自信のないひとは当社
サイトの関係記事を参照して下さい。 

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