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岩田屋・三越統合に見る百貨店業界の混迷

「岩田屋を完全子会社化」
三越伊勢丹HD 今夏にも株式交換 (西日本新聞 6月7日一面)
***** 引用 **********

三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、傘下の伊勢丹(東京)子会社の岩田屋(福岡市)を今夏にも完全子会社化する方向で最終調整に入ったことが6日、明らかになった。岩田屋株と同HD株を交換する「株式交換」で、岩田屋の全株取得をめざす。百貨店業界が深刻な販売不振に陥る中、福岡市では2011年春に博多阪急(仮称)が出店予定。完全子会社化で経営の意志決定の迅速化し、競争激化に備える必要があると判断した。(以下略)

********* 引用終わり*************

 ちなみに在京各紙は「株式交換」ではなく、「TOB」と書いています。
さすが地元紙、この違いは大きいですね。

 さて、西日本新聞は一面に続いて二面でも解説記事を載せています。

********* 引用スタート *************
『体質強化で生き残り』

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、岩田屋(福岡市)の完全子会社化を急いでいる。隣接の福岡伊勢丹(同)との統合を早め、経費節減と営業強化を図る狙いだ。背景には、百貨店業界の深刻な売り上げ減がある。ただ、百貨店生き残りの鍵は、消費者をこれまで以上に引きつけられる魅力を発信できるかだ。福岡市での圧倒的な規模を誇るだけでは足りない。

「外商、総務を一本化」

 三越伊勢丹HDは早期に改装費が回収できない鹿児島三越など古い店舗を相次いで閉店。福岡、新潟、札幌3市の隣接するグループ店統合も当初計画より急ぎ、2011年春には百貨店各社の再編を終える方針。
再編の狙いは外商や総務の一本化などで利益を出すこと。ただ、岩田屋、三越のブランド・拠点は維持する。「仮に、福岡三越を撤退すれば、高島屋が入ってくるだけ」と同社幹部。三越伊勢丹、大丸・松坂屋、高島屋・阪急阪神、西武・そごうの四つに集約された百貨店グループによる激しいシェア争いもある。
(中略)
「効果は道半ば」
 完全子会社化で組織改革が進むが、課題は統合メリットをいかにお客に還元するかだ。昨年4月の三越伊勢丹HD発足で岩田屋と伊勢丹はグループ店となった。駐車場やベビーカーの共有化など隣接店ならではの対応を実施している。だが、顧客からは「統合の利点をあまり感じない」との声も少なくない。
 経営統合による組織改革は、経費節減など内部の基盤整備が先行しがちだ。岩田屋・福岡三越の合算で、売り上げ約1400億円、売り場面積8万6千平方メートルと福岡市では圧倒的な規模となる。九州の活性化をリードする企業になれるか、地元は注目している。

*********** 引用エンド **************

ちなみに両記事はWeb上にアップされていません。
関連の記事は5月30日付:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/99060

  ☆takeo的コメント☆

 新聞にも書かれているとおり、
①経営規模が大きくなる
②外商部門を統合する
③総務部門を統合する
ことで、お客から見たデスティネーション(来店目的)が強化されることはありません。
というか、当社に限らず百貨店業界は、自分たちが直面している問題が「業態革新」であることを無視しています。もし、問題の所在に気づいていないとすればそれこそ大問題ですが、まさかそんなことは無いでしょうから、考えられるのは、真の問題を解決する「方向と方法」を掴めていない、ということですね。こちらも大問題です。

 百貨店各社がやっていることは、「サバイバル・ゲーム」。
ゲームといっても切れば血が出る・場合によっては死者も出ます。各社必死ですが、残念なことにこのゲーム、勝ち残ったからといって勝者になれるわけではない、という厳しいものです。
なんでこんなゲームが流行るのでしょうか。

 記事によれば統合の狙いは経営コストを圧縮して利益を出すとのことですが、利益なんか出してどうする、といわなければならない。この時期、経費節減で利益を出すことが将来の成長に結びつくということはありません。
組織の再編も業容三点セットの革新・再構築を目的に取り組まないとお客のショッピングに結びつきません。当然ですね。

 百貨店活性化の方向は、
①都心型ショッピングゾーンにおける「核」としての位置を
②様変わりしている消費・購買行動~競争環境において再構築する
という以外にありません。
これに取り組むには適切な「商業理論」を装備していることが不可欠ですが、もちろん、この時期に「経費節減」しか打つ手が考えられない各社がそういう理論を持っているはずがない。

「百年に一度の大暴雨」ではなく、「地核変動」時代の百貨店の事業機会はどこにあるのか、という基本中の基本から再構築しなければ、たとえ業界一社体制になっても勝ち残れません。
まずは、『百貨店を発明した夫婦』などを眼光紙背に徹する構えで読破すること、二回、三回と繰り返し読むと頭に浮かぶことがあるかも知れません。おっと、その前に当サイトの記事を一通り読んでおくといいかも知れません。、

 さて、当社流繁盛店づくり、“お金を掛けずに出来ることから少しずつ・仮説を立てて取り組み、間違っていたらやり直す”を百貨店の活性化に適用したらどうなるか?

 百貨店には共通する「?」がいくつもありまして、その第一は、
売場という売場、どうしてあんなに什器・賞品が多いのか、ということですね。
特に、一階:化粧品・身装品売場は全くダメ。なんだかディスカウント店みたい。
思い切って、1/3ほど売場を圧縮すると、売り上げがアップすると思います。
さらに言えば、1階の売場構成で「紳士」も来て欲しい、とか思っていないですよね。

 ということで、百貨店についてはお金を掛けず、出来ることから取り組んで売り上げアップ、来店客数アップを実現するのはそう難しいことではありません。
取り組みの内容は商店街立地の専門店とまったく同じ。

 もちろん、損先ではテナントミックスの再構築という戦略課題が控えています。これは「儲け癖」がついてからでないと手が出せない、というところも路面の専門店と同じです。


 お世話になった西日本新聞さんから関連でもう一本。

********* 引用スタート**********
「米高級百貨店 バーニーズ、天神出店へ」

米高級百貨店チェーン「バーニーズ・ニューヨーク」が福岡市の繁華街、天神に出店を計画していることが分かった。2~3年後の開業をめざす。九州新幹線鹿児島ルートの全線開通を2011年に控え、九州全域からの集客を見込む。店舗は商業ビルにテナントとして入居する予定で、候補地尾選定を進めている。
 バーニーズは首都圏で3店舗を展開。10年春の神戸出店を既に決めている。福岡市のほか名古屋市や大阪市も候補に挙がっており進出を検討中だ。
 バーニーズ・ニューヨークは1923年創業。ニューヨークの本店のほか米国全土に店舗を持つ。ライセンス契約を結んでいる日本の運営会社「バーニーズジャパン」は伊勢丹の子会社だったが、06年に住友商事などが買収している。
********** 引用エンド *************

バーニーズ銀座店

今度見てきます。
今日は、ご贔屓・西日本新聞から長文の引用をさせていただきました。記してお礼を申しあげます。
ついでに、こういう記事もWebに載せていただくと嬉しいです。

長文、最後までお疲れさまW

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