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百貨店の「苦境」脱出

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『地場百貨店続く苦境』(西日本新聞2009年5月8日)

「三越鹿児島店が閉店」

 地方都市で百貨店の閉店が相次いでいる。人口減による市場縮小に加え、大型ショッピングセンター(SC)などとの競争激化で売り上げが落ち込んでいるからだ。九州でも六日に三越鹿児島店」(鹿児島市)閉店。「百年に一度」と言われる深刻な不況も重なり、百貨店関係者は「さらに再編や淘汰が進む懸念もある」としている。

「縮む市場 不況直撃 集客の核、地域に“冷や水”」

九州の百貨店では、三越鹿児島店の保か、二月に久留米井筒屋(福岡県久留米市)、昨年三月に小倉伊勢丹(北九州市、現在は井筒屋のコレット)が閉店している。

 市場そのものが祝sちょうする名か、大規模な駐車場を備えた大型SCやアウトレットモールなどに顧客が流出。九州百貨店協会の調べでは、九州・沖縄地区にある百貨店の二00八年の総売上高は、六年連続で前年を割った。
 百貨店業界ではこれまで、地方店の不振を東京や大阪の主力店の収益でカバーしてきた。だが、深刻な消費不況で、主力店の売り上げも急減。「みずからの牙城を守るのでせいいっぱいになりつつあり、生き残りをかけて集中と選択を進めている」(大手百貨店関係者)のが実状だ。
 一方、百貨店は中心市街地の集客の核。百貨店を失う地元では活力減退の懸念も拡がる。
 鹿児島市では、三井腰の閉店だけでなく、地場の山形屋も業績不振で、九州新幹線鹿児島ルートが全線開通する十一年春に予定していた増床を延期した。両百貨店は、地元商店街と協力して同ルート全線開通後の地域活性化策に取り組んでいただけにショックも大きい。
 九州百貨店協会の大山浩事務局長は「百貨店と市街地は共存共栄。地域に根ざした取り組み強化で打開策を探る必要がある」と話した。
************** 引用終わり ***************

 ということで、「その日」が来たわけです。 
何ですか、既視感ありありという以外にない記事ですね。もちょっと書きようがあるのではないか。

 もう一本。北九州市の中心市街地では
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『GW入店貨客 コレットが本店上まる・井筒屋、売上高はともに減』

 井筒屋(北九州市)がまとめたゴールデンウイーク期間中(四月二十九日―五月六日)の入店客数によると、旧小倉伊勢丹を引き継いだコレット(北九州市小倉区)が井筒屋本店(同)を上回ったことが分かった。
 コレットの入店客数は二十九万四千人で前年同期比6.8%増。本店は二十八万七千人で前年並みだった。
 コレットの年間売上高は約百五十億円で、本店(六百億円)の四分の一。両店の入店客数について井筒屋は「千円高速道路の効果で帰省客が増え、目新しいコレットに来店いただいたのではないか」と推測する。
 ただ、期間中の売上高はコレットが同9.0%減、本店が8.0%減で、販売不振は相変わらずだ。
コレットは昨年四月に開業。生活雑貨大手「ロフト」が三月に入店するなど、フロアの改装を進めている。
************** 引用終わり *************

 猫も杓子も「百年に一度」とおまじないを唱えれば、何や意味のあることをいった気になるのか、大流行りですね。

 百貨店の歴史:
①世界初のお目見得=1852年 パリにプシコー夫妻がボンマルシェをオープン
②日本では:1878年 官営第一勧工場がオープン
      1905年 三越百貨店がオープン
ということで、百貨店にとって「百年に一度」とは業態開闢以来、ということになります。
百貨店は、プシコー夫妻がボンマルシェを創業した当時以来(150年にしてはじめての規模)という「暴風雨」に見舞われているわけです。

 百貨店は、マーケティング(=業容:品揃え・販売システム・販売環境)、マーチャンダイジング、組織など経営の全般に渡って、プシコーの発明によるものでありまして、以来、百五十年の歴史はプシコーさんの遺産の食いつぶし、付加されたことと言えば、テナント間貸し、消化仕入れ、会員制といずれも創業の理念に照らせば?のつく工夫ばかりです。業容を見ても「ショッピング意欲」をそそられるような
仕掛け工夫はほとんど無し、ホントに劣化の一途を辿っているのが百貨店の売場です。

 ボンマルシェ創業以来百五十年にわたって、百貨店というパラダイムが続いているわけですが、とりわけ1980年代以降は業容の劣化が目立っています。
プシコー夫妻創業の精神を拳拳服膺すれば、「大衆消費社会」の入り口~普及段階のパラダイムと、成熟~転換期のパラダイムは当然しかるべき変化がなければならないのですが、果たして百貨店業界にそういう問題意識があったかどうか。90年代以降の業界の動向を見れば、プシコーさん以降、業界が理論的な自己認識を作り上げるという作業に取り組んだ形跡はありません。後発のGMSなどにも共通していることですが。

 百貨店は存在意義を失って久しいわけですが、危ないことに今日至ってもなおそのことが認識されていません。
業績がふるわないのは、専ら景気のせい、立地のせい、SCのせいということで、ショッピング客から見れば“あってもなくても別にどうでも良い”と評価されていることが分かっていない。

 あらためて百貨店創意の理念に立ち戻り、脱・大衆消費社会において百貨店が担うべき、創造すべき「ショッピングの場」を構想、実現する以外に生き残り=繁盛する道はないと思われます。
とりあえず、トップから売場まで、
鹿島昇『デパートを発明した夫婦』(講談社現代新書1991)
再読三読して“転換期の百貨店”のあるべき業容を考えて見ることが緊急の課題です。
とりわけわが国の百貨店業界のスタートは、江戸時代から続く老舗呉服店の業態転換で切られており、その組織のあり方はプシコー流とは雲泥の違い。雀百までといいますが漏れ伝わってくるわが百貨店業界の組織風土は、分業組織のはずがヒエラルキーを形成する風通しの悪いものだとか。
 革命児の出現が必要かも知れませんが・・・。

 “こういうチャンスに直面しているのか!”と早く気づいてチャンスをものにする取り組みをスタートさせないと百貨店は文字通り過去の遺物・シーラカンスになってしまいます。 

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