FC2ブログ

基礎体力の圧倒的な不備

 商店街の現状を“プレミアム商品券”で打開しようというのは、余りにも虫のいい話であり、この時期にそういう企画をする人は、百年一日、商店街にはいかなる企画に対してもそれに応えてそれを活用する、すなわち企画の成果を各個店のシャッターの内側において実現しうる基礎体力がある、と信じているわけですが、もちろんこういう話は、二十年ばかりの間の活性化への取り組みとその結果についての反省ということをまったく無視しないと成り立ちません。

 昨日、【理論創発】の『計画立案の基礎体力』スレッドに「陸上自衛隊の一年間」という記事を書きました。

想定される状況において任務を達成するため、自衛隊は毎年、個人~単位組織~戦闘単位~作戦単位というように訓練を積み上げ、状況に対応する行動の基礎となる能力を錬磨しています。
状況対応能力を「基礎能力」と呼ぶことにすれば、基礎能力を確保維持する努力があってはじめて、状況に対応した行動―作戦―が可能になるわけです。
さらに言えば、どんなに優れた作戦を思いついたとしても、その作戦を遂行するために必要な能力を作戦部隊が持っていなければ、その作戦は絵に描いた餅、能力の実態を無視して作戦を強行すると、結果は必敗です。

 組織の目的を達成するために必要な能力を見積り、過不足無く能力を確保維持することは、自衛隊に限らず、永続的な組織に共通する課題です。
組織がその目的を達成し続けるためには、
①組織が解決しなければならない問題を予測し
②それらの問題を解決するために必要な基礎能力を見積り、
③その確保、保持に務めなければならない。
事に当たってその組織が選択できる対応策は、その基礎能力によって決定されますから、組織が保持している能力を常に的確に把握しておくことは、組織にとって極めて重要なことです。
基礎能力の現状を無視して、恣意的に「対応策」を考えても、それは対応策としての機能を果たすことが出来ません。
組合員たる各個店の繁盛への貢献を組織目的とする商店街組織が保持しておくべき基礎能力とは何か? どのようなレベルの能力が必要とされているか?
ということが把握されていないと、能力の現状からスタートして活性化の実現に至る適切なシナリオを描き、それを基礎に施策を講じる、というあるべき取り組みを構築することが出来ません。

 ということで、商店街活性化に不足していることといえば、まず第一に指摘しなければならないのは、「基礎能力の不備・不足」ということです。特に、商店街活性化という問題の基本中の基本は、
“各個店は、シャッターの外側の施策を活用して店内に繁盛を実現する能力を持っているか否か”
ということであり、この問題を無視したり、見誤ったうえで立案された「活性化策」が成功することは百に一つも無いと考えなければならない。そういう僥倖を期待して事業に取り組むのは自殺行為ですね。

 さて、ご承知のとおり当サイトは商店街の現状について厳しい判断をしています。

①「商店街振興組合の現状と課題」
②「商店街の七不思議」

 状況はさらに厳しく・ひどくなっているわけですが、もちろんそれは情況認識の間違いがもたらしていることです。

 ということで、商店街組織の現状を一言でい言えば、“基礎能力が絶対的に不足している”わけで、多くの商店街の基礎能力は、上記の記事以上に劣化しています。

 とするならば、商店街活性化への取り組み、喫緊の課題は「基礎能力の確保」です。
商店街立地の中小小売店は、勝ち残るために何をどうすることが必要か?
必要なことを成し遂げるために「基礎能力」は如何にあるべきか?
 
 状況は、基礎能力を着実につけてから、その後で活性化策に取り組もう、といった二段階方式を許しません。
基礎能力のレベルは現状見てのとおり(各個店のファサード~店内の状況で一目瞭然)からスタート、能力を確保しながら繁盛を実現していくという、並はずれたシナリオを描かなければならない。
そうですよね?

 問題をどう理解するかで行動の基本が決まります。
“基礎能力の確保が必要だ”という問題情況を理解しない限り、商店街活性化の達成に至るシナリオを描くことは出来ず、そのシナリオを持たないまま、支援施策のつまみ食いに終始している百年一日の「活性化施策」とやらが実を結ぶことはありません。

 シナリオ抜きの活性化策、“取り組まなければならない理由”はあれこれ思いつかれ、語られますが、“取り組んだら活性化できる”ということだけは誰も言いません。言えません。

 この時期、「基礎能力の確保」を実現できない事業に取り組むと、必ず、状況のいっそうの悪化、組織のいっそうの弱体化、基礎能力のいっそうの劣化という結果をもたらすことになります。

 商店街の活性化とは、繁盛店が軒を連ねること。
繁盛するには各個店のシャッターの内側・売場が「ショッピングの場」としてお客に承認される業容を実現する取り組みが不可欠です。
このことを無視して取り組まれる「活性化策」とは、主観的な願望とは裏腹に、商店街の活性化、個店の繁盛実現の取り組みを阻害するものだということをキモに銘じておかなければならない。

というように考えてみますと、これまでの活性化事業とは、自分たちの基礎能力の程度も弁えないまま、一般的に「活性化のための事業メニュー」として流布されているものに手を出しては失敗を繰り返すということの連続だった、と言われても仕方がないのではないか?

 諸々の活性化策、それぞれを活用する前提として主体側にどのような基礎能力が必要か、われわれはそれを持っているのか、いないのか。
今まで考えたことも無かったわけですが、肝心要ですね。

 新年度を迎えて今年こそは新しい方向と方法での取り組みに邁進していただきたいものですが、定期の異動で新たに担当となった皆さんを対象にした記事:『一から出直す中心市街地活性化』、申し継ぎも一段落でしょうからいよいよ本格的に。

 昨日も紹介しましたところですが、まずは自分自身の基礎能力の確認から。

コメントの投稿

非公開コメント

-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ