FC2ブログ

激突する経済と社会

 自他共に認める構造改革の旗手が「資本主義は何故自滅したのか」というタイトルの本を出すという状況ですが、ジュンク堂で立ち読みした限りでは、「日本型経営」への先祖帰りのようでした。
あれほど克服せよと叱咤していたのに・・・。
旗振り稼業が身に付いている人は、振る旗を変えてでも旗を振る立場にいたいものらしい。自から「閉門蟄居」すべきではないか、などと思ってしまうのは素人だからかな。

 植草先生によれば、もはや言論でまともなのはブログと単行本だけだそうですが、ジュンク堂の経済コーナーをチェックしてみました。

 雇用の確保、景気の回復は重要課題ですが、基本的に「方向と方法」をセットで考えないと、公共事業を増やせば万事解決というような世迷いごとは通用しないはずです。
資本主義はどこへ行く、ということが問題にされなければならない。喫緊の問題を解決するためには、「資本主義」という体制について考えなければならない、というのが「百年に一度」という問題の性格ですね。

 ということで本棚をみてみますと、金融クライシス関係もさることながら、シュンペーター、ケインズなど古典系が幅を利かしています。つい先日、県外の図書館のお世話になった「不確定性」のナイトさん関係の研究書も登場しています。

 このところの状況を一言で表現するれば、タイトルのとおり、本来、社会の下位システムである経済からの「派生」が猖獗を極め、社会のファンダメンタルを根底から脅かしているわけですが、そのあたりを一貫して問題にしてきた佐伯先生の新著:

佐伯啓思『大転換―脱成長社会へ―』(NTT出版)
タイトルからしてポランニーの向こうを張る気構え十分です。

 市場経済には、資本主義的側面と「社会的生」のための生産という二重の側面を持っており、過剰な資本主義的価値の追求は後者を損なう、進展するクライシスを資本主義レベルで回復させようとする対症療法は、「問題の先送り」でありやがてさらに大きな危機に陥ることになる。
ということで、状況は「大混乱」かそれとも「大転換」か、という岐路に立っているというのが佐伯先生の見立です。
佐伯先生が主張される「大転換」への道は、“まずはわれわれの「観念」や「価値」の転換から始めなければならない”そうですが、「意識を変えるより店を変えよう」というクオールエイド流とはちょっと違うようです。
このことはまた書きます。

 他には、
東谷暁『日本経済の突破口―グローバリズムの呪縛から脱却せよ―』PHP研究所
構造改革・グローバリズムを宣揚した経済学者・マスコミの総括

奥村宏『会社はどこへ行く』NTT出版
株主資本主義とグローバリスムのセットがもたらした危機を如何に乗り越えていくか。
会社とは何か、という設問から迫っていくが、そもそもスタートが間違いではないか。ちなみに「会社はみんなのもの」というのがクオールエイド流です。

他に、 
榊原英資『幼児化する日本社会―拝金主義と反知性主義―』東洋経済新報社
とか。

共通していることは、経済と社会の激突という状況を突破していくためには「経済」の大転換が必要だということ。
各論者に共通しているのは「一国経済」というか経済における国の役割の再発見・再確認と脱・株主資本主義ということでしょうか。

 いずれも新しい経済が志向すべき方向は模索中のようです。

コメントの投稿

非公開コメント

-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ