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「必要性」と「具体的な事業及び措置」の間

 基本計画・商業の活性化の項は、
1.商業活性化の必要性 と
2.具体的な事業及び措置の内容 によって構成されている例が多いのですが、もちろんこれは『基本的な方針』に準じているわけです。

 ここには大きな問題が潜んでおりまして、それを剔抉しない限りいくら計画を見直しても実効ある計画に改善されることはありません。
以下、ちょっと書いてみましょう。

 第一の問題は、「1.活性化の必要性」の記述があまりにもおざなりなこと。
中心市街地の商業が衰退している、ということ書かれているだけという基本計画が多い。
衰退している ということから自動的に活性化しなければならない、とい問題が出てくるわけではありませんからね。
趨勢がそうであれば、そのまま放置しておく、ということではなぜいけないのか?
コンパクトシティ指向とかで、「歩いて暮らせる街区」を目指すなら、住宅+スーパーマーケットでいいのではないか?

 という疑問を持つ人もいるはずで、そういう人に中心市街地活性化・商業の活性化が都市経営上の優先課題である、ということを納得してもらうには、「活性化の必要性」を“衰退しているから活性化する”というレベルではなく、将来にわたる都市経営上の必要性としてきちんと説明しなければならない。

 説明すべき必要性はもちろん、都市経営上の中心市街地・商業活性化の必要性でありまして
(1)都市経営上、なぜ中心市街地・商業の活性化が必要か について少なくとも
①産業政策
②生活政策
③商業者活性化策
④都市計画
の4つの視点から「商業の活性化の必要性」を明らかにしなければならない。
書かれているのは、「趨勢要件」だけですね。
何故趨勢どおり衰退してはいけないのか? という問いにきちんと答えている基本計画は無いようです。

 次に、「活性化の可能性」についても当然、説明しなければならない。いくら“衰退して大変だ”や、“活性化の必要性”が強調されても、「活性化の可能性」がきちんと説明されること。
“出来るかどうか分からないが、衰退しているからなんとか手を入れてみる”という程度の「説明?」で貴重な公的〈時間とお金〉を使うわけにはいきません。

 「活性化の可能性」は“こうすれば活性化できる”ということですから、これを主張するには当該中心市街地を取り巻く商業機能の配置状況、及びそれぞれ個別商業施設が果たしている役割、状況についてもきちんと理解しておかなければならない。
競争相手あるいは相互補完関係になるのかどうか、いずれにせよ、都市及びその周辺に立地し、都市及び周辺一帯の住民が利用している商業施設・集積については。分担する機能、機能の優劣まで理解していないと、中心市街地の商業活性化の可能性は発見できません。

 おっと、大事なことが。
中心市街地の商業施設・機能が活性化が必要になった経緯についても理解し、記述しておかなければならない。
商業機能衰退の過程をきちんと踏まえておくこと。

第一に、競争の変化
第二に、地域住民の消費購買行動の変化
第三に、中心市街地に立地する商業者の環境変化への対応の状況~現在持っている力量

この三つを把握しないと、活性化の方向と方法は出て来ないはずです。

基本計画中、「商業の活性化」の計画は、
1.商業活性化の必要性
(1)中心市街地の商業の活性化が何故必要か
①地域住民の生活・消費購買行動から見た必要性
②都市の産業政策から見た必要性
③都市の都市計画から見た必要性

(2)活性化の可能性
①都市及び周辺住民の生活・消費購買行動の趨勢から
②都市及びその周辺における商業配置の状況から
③中心市街地の商業者の状況から
活性化が可能であることを論証すること

(3)活性化の取組の方向と方法
①中心市街地の商業活性化の取組が目指すべき方向
②目指す方向を実現するための具体的な方法
について、構想及び立案すること

以上の作業があってはじめて
「具体的な事業及び措置の内容」が決定されるわけです。

また、実践段階から言えば、これら「必要性・可能性・現実性」が説明された上で「具体的な事業」が提示されていてはじめて“これらの事業に取り組み、成功させれば確かに中心市街地の商業は活性かするに違いない”と確信を持って各般の事業に取り組むことが出来るわけです。

 確信無しではまじめに取り組むことが出来ません。

 ということで、基本計画・商業の活性化に関する計画には、もの凄く大きな欠落があることが理解されたことと思います。
この重大な欠落は、中心市街地活性化に関係しているすべての関係者から自覚されていないわけで、こっちの方がより重大、黙っていれば日本中、この欠落を抱えたままで取組が継続されることになる。
もちろん、その結末はハッキリ予測することが出来るわけです。

 皆さんの基本計画、そのメイン課題である「商業の活性化」について、
○必要性 と
○具体的な事業及び措置
はどのような理論的・論理的関連をもって計画されているか、
あらためてチェックしてみては如何でしょうか。

 続きは、サイトの【都市経営】で。 

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