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人 口 依 存 派 批 判

小売業はお客の生活に必要な材料を提供することを事業機会としています。有店舗小売業の場合、お客は「地元・周辺住民」であることが多いことから、客数は人口に比例するとか、人口の多いところが好立地 などという[迷信]がはびこっています。
お店の客数・売り上げと周辺人口には因果関係は無い、にもかかわらず、多くの経営者が「人口神話」に陥っている。

また、中心市街地の商業活性化論において、
○中心市街地に居住する人口を増やす施策を講じろ
○中心市街地に(買い物以外の目的で)来訪する人口を増やせ
そうすれば、商店街は活性化する、などという
○論理的には最初から破綻しており、
○全国に一カ所も成功事例のない
「人口依存型活性化策」を振り回す傾向も、この期に及んで、依然として減少しておりません。

これら、小売業は人口相手の商売である、という迷信を、簡便のため、「人口依存理論」と呼び、上記のような主張をする人たちを「人口依存派」と呼ぶことにします。
これは当サイトで開発したコトバですから、よそで使っても通用しませんので、その点ご注意ください。

人口依存派。
中心市街地活性化レベルでは「中心市街地活性化への道」を阻み、「個店の活性化」レベルでは「繁盛店への転換」を阻害する
百害あって一利も、一理もない路線だと思います。

中心市街地も個店も、一日も早く「人口依存理論」に決別しないと、せっかくの活性化へのチャンスを棒に振ってしまうことになります。
と、分かってはいても決別できないのが「人口理論」かも知れません。

「人口依存は繁盛の敵(笑」
以下、その理由を説明し、出来れば「脱却の方法」を提案したいと思います。

○人口相手に商売が出来るか

 私はこれまで、居住人口3,000人という○○村から500,000人の××市まで、様々な規模の市町村において主として商業・地域産業の振興に関する取り組みの支援に携わって来ました。
多くの都市で冒頭まず表明されるのが「うちは人口が少ない」という認識です。人口の多少について客観的な基準はありませんから、これはもっぱら当事者の主観ですね。ところが。
「人はイメージに基づいて行動する」という鉄則がありまして。
「人口が少ない、少なすぎる」という主観を持っていると、これが行動の基準になってしまいます。
中心市街地活性化、地域商業活性化といった課題では、二言目には「商圏人口が少ないから・・・」正論は通らない、とアタマから思いこんでしまっている。
こういうコトバが発せられる背景には、「商業は人口相手の商売」という発想が潜んでいますから、「人口が少なくて・・」と言ったとたん、全く知恵が出なくなってしまいます。

「人口依存派」派の経営戦略:

1 個店の場合
(1)人口が少なく、売り上げを作るのは大変だ。
  ①うちの商圏にはいろんな人が少しずつ住んでいる。
  ②売り上げを作るには、なるべくいろんな人に来てもらわなければならない。
  ③いろんな人に合う商品をそろえておくことが大事だ
(2)限られた店舗規模で、人口理論に基づく店づくりをするためには
  ①いろいろな傾向の商品を少しずつ品揃えしなければならない。
(マスコミも多品種少量とか言ってるし)
  ②幸い、取引先が業種メーカー、業種問屋だから同じ品種のアイテムならピンからキリまでそろっちゃう
  ③ということで、狭い店内になるべくたくさん詰め込む、という店づくりが出来上がる
  ④これが習慣となり、店内にちょっとでもスペースが空くと「お客に商品が少ないと思われるのではないか」と不安に駆られ
  ⑤何が何でも商品をめいっぱい詰め込んでおく

 さて、お客は自分の生活に必要な材料を手に入れるために来店するのですから、お客にとって切実な問題は「自分の生活を作る材料として適切な商品があるか否か」「納得できる選択肢の中から吟味・納得出来る商品を手に入れられるか否か」ということです。
このような問題意識を持っているお客が人口理論に基づいて作られているお店を訪れると、どう感じるか?
端的に言って「いろいろあるけど、私がための店じゃない」ということではないでしょうか。
 それも特定のお客にそう思われるのなら、これは当然のことですが、人口依存派のお店の場合、来る客、来る客、すべてにそう思われてしまうのです。

 一渡りチェックしたお客は「商品はこれだけですか」と質問します。
「いろんな人の好みに対応しようと」一所懸命の店主にこの言葉はグサッと突き刺さります。「これだけ詰め込んでいてもまだ不足か!」
と。
お客にしてみれば、今日の来店目的である、たとえば夏物ブラウスの自分好みのデザイン、色柄、価格など、「選択肢」がきわめて少ないので「これだけですか」と質問したのに店主さんは「お宅の品揃えはトータルこれだけなんですか」と言われたと勘違いしてしまう。
「これでも満足してくれないのか・・・」
満足するわけがない。

 「お客を絞り込め? そんなことは人口の多いところの話、ここらじゃ全部の人口を相手にしないとやってけないんだよ!」と言うのは典型的な「人口理論」派のみなさんの逃げ口上です。
では、あなたのお店が考える適正人口ってどれくらいですか?
そう言う条件がもしあったとして、そこであなた、どんな店づくりをするんですか?
もちろん答えは返ってきません。

 人口が多ければ、いろんな人向けの品揃えをしているわけですから、そのままでいいんじゃないの、今より売り上げ伸びるんじゃありません?

 ところでみなさんのお店にショッピングに来るのは、「人口の一部」ですか?
それともお客さんですか?


○「人口」と「お客」の接点

 「うちのお客は、商圏人口の一部だよ、あったり前じゃん・バカ」
と思った人は、
「人にバカという方がバカ」
である、という古今の鉄則を思い出しましょう(笑

それでは本論。「人口」から自店の「お客」を導くことが出来るか否か。
検討してみましょう。
手続きとしては、「人口」という総数からブレイクダウンして、「自店のお客」にたどり着くことが出来るかどうか、ということを検討してみます。ま、答えは目の前に転がっていますけどね。

 たとえば「行政人口」を腑分けしていきますと。
性 別
年齢別
居住地域別
職業別
などに区分することが出来ます。

これらの区分をいろいろ工夫することで、「自店のお客」に至ることが出来るでしょうか?
出来ませんよね。
強いて「人口」と「お店のお客」を関連づけようとすれば、
人口=うちのお店のお客+うちのお店のお客ではない人 ということでしょう。人口とお客の関係はこれ以外にはありません。
さらに言えば、この関係は世界中に敷衍することが出来るのでありまして、世界中の人口は、
自店のお客とそうでない人に区分することが出来る。
ということで、一定の地域の「人口」とお店の客を関連づけて考えるのは無意味なことですね。

○「商圏人口」

 これまたしっかり考えないと役に立たないアプローチです。
慣行理論では:
商 圏:当店の来店客の○%が居住している区域 とか、競合との力関係が拮抗する線の内側、などと定義されているようです。
「お店のお客」は「あなたのお店のお客だから・あなたのお店のお客」なのでありまして、住んでいる地域などには関係ありません。
あそこの地域に住んでいるお客○名とこちらに住んでいるお客○○名・・・・合計したらあなたのお店のお客(固定客としてもよい)の総数が算定されます。
この人数は、お客の総数が住んでいる範囲内の総人口と何か関係がありますか?
あるという人、どんな関係があると思うんですか?
ということで、「商圏人口」などというものは、数字として出すことはもちろん出来ますが、商売とはなんの関係もない数字ですね。

○占有率

 これも定義を確認して、じっくり眺めるとその空虚さ加減がよく分かる。
 中心市街地の商業は、全消費支出の10%でやっていける。
それぐらいは取れるだろうという「提案」例を読んだことがありますが、もしそのようなアプローチを取るとすれば、
①消費支出の各項目に対応する売り場が中心市街地にあるのかないの  か?
②売り場の「魅力」は域内の各集積と比較してどうか?
ということが当然問題になります。
商圏の線引きをして消費支出を積算、占有率を想定して目標売り上げを決める。
 きょうび、こういうアプローチは、実務の世界には無いでしょうね。
売り上げ予測は「積み上げ」ていく以外の方法は全部デタラメではないでしょうか。「数式」などに惑わされないこと。
主流経済学をはじめ、社会学方面で数式をもてあそぶのは全部〈インチキ〉と決まっています(笑

○いわゆる「社会科学」のまやかし

 社会科学と称される領域には、自然科学の方法をパクって、
「人はイメージに基づいて行動する」・人々の行動の総体という一面を持つ社会現象を、人々の意識とは無関係に・意識や恣意性を除外して説明し・予測する方法を追求してきました。
これから起こることを起こる前に知りたい、というのは人間にとって基本的な性行でしょうから、明日世の中はどうなるのか、有象無象の動向に左右されることなく前もって知りたい、というのは人情というものです。

 正確に予測するためには、個々人の思惑などには関係なく貫徹する「社会法則」を発見すればよろしい。「人はイメージに基づいて行動」しているつもりでも、実はその背後では「法則」が支配しているのだ、というレトリック。関係する個々人がなにをどう考え・どう行動しようとも、その総体は(マクロで見れば)こういう法則のもとにあるのだ、ということになります。
「ハフモデル」などはその見事な一例です。
http://www.quolaid.com/city/city126.htm
http://www.quolaid.com/city/city125.htm
(この手の算式は重力の法則のパクリですからね。)

 もっとすごいところでは、主流派経済学の「均衡価格」。
理論を完成させたワルラスという先生は、当時日進月歩だった物理学をパクリ、物理学者の助言を得ながら理論を完成させたそうです。以来、理論の欠陥については様々なレベルで指摘されていますが、対策は備峰策ばかり、基本的な欠陥はずうっと引き継がれています。
余談ですが、私は「人はイメージに基づいて行動する」ことを学の構成から取っ払っている主流派経済学(「マルクス主義」を含む)が、大嫌いなので、経済学の悪口はいくらでも言えるのです(笑、同好の人は【吶 喊】へどうぞ。
ただし目下開店休業中、新しい燃料は補給はしていません。

○人出と来店客数

 商店街が一念発起、ショッピングモールを目指したとします。
テナントミックスの一環=個店の転換であなたのお店と同じ客相をターゲットにしたお店が当然いくつも出現します。
せっかくモールに来たからちょっと楽しんでいこう、と喫茶店、菓子店なども。
そうしますと。

 来街者1が、来店客数3とか5とかになってしまう(笑

これが「集積効果」ということですね。
人口関連でいえば、なんと人口1=客数3。
商店街、いくら人出があっても入ってみたい店がなければ来店客数ゼロであり、あるお店に行くことを目的に来街した人にとって他にいってみたいお店がなければ(有ったとしても知らなかったら)目的の店に行ってそれでおしまいですから、来街者数=来店者数となります。

①きょう日、人出が多いが売り上げはさっぱりという商店街では、
来街客数>入店客数
という関係が生じているはずです。
②他方、人出の少ない商店街は、
来街客数≒来店客数
となっており、しかも来街者が極端に少ない、という状況に陥っているということですね。
①、②ともに、来街客数をアップする施策を講じたとして、それが入店客数や売り上げ増大につながりますか? 

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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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