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商店街活性化の既定路線は“愚行の葬列”か

 商店街活性化の取り組み、基本的な方向途方法は、ここ二十数年、全国各地において変わることなく整斉と取り組まれています。
にもかかわらず、成功した事例がほとんど無いのは何故か?

 歴史学の世界で、統治の失敗の理由の一つとしてあげられている原因として、「愚行」があります。
“愚行とは、その国家や党派の自己目的に反するような政策をことさら選び、それが逆効果になることを知りつつ、それを止めることが出来なくなることである。”(永井陽之介『現代と戦略』 昭和60年 文芸春秋)

 すなわち「愚行」とは、当事者の至らなさが原因で生じた目的と手段のミスマッチによって、意図と結果の間に生じたギャップを指しています。

 同書の引用で歴史家タックマン女史は、「愚行」に三つの判断基準を設けています。

その一 「後知恵」ではなく、(政策が採用された)その当時の常識・健全な判断・社会通念・価値観などから見ても、それが自己目的(あるいは国家目的)に反し、逆効果であることが当然分かっていたか、少なくとも理性ある人間なら分かるはずであったと言うこと。

その二 別の選択肢があったこと。たとえ当時の意志決定者がこれを取る以外に「選択の余地がない」と主観的に判断した場合でも、冷静になって客観的に見れば他に取りうる選択の余地がいくつか存在していたこと。

その三 その選択肢がまったく単一の意志決定者によるものではなく、ある集団、党派による意志決定であったこと。つまり、その情勢判断や決定に反対していたグループ(少数の反対意見者)が存在したこと。

 タックマン女史は、この三条件に照らすと「トロイの木馬」から「ベトナム戦争」にいたるまで、人類の歴史は、まさしく「愚行の葬列」と言っていい、と喝破しているそうです。
イラク戦争などもこの葬列に加わることでしょう。

 さて、「愚行」の定義を念頭にあらためて「商店街活性化」を見るとき、その取り組みに「愚行の三条件」は存在しているのか、いないのか?

 全国の都市において、ほとんど同じ問題設定がおこなわれ、ほとんど同じ解決策が採用され、そしてほとんどの取り組みが失敗している、というのは「愚行」に該当するのかしないのか?

「愚行」その四 既に先行事例において「愚行」であることが明白になっていることをなんの疑問も抱かずに繰り返すこと。

 商店街・中心市街地活性化の場合、こういう基準もありそうですが、言うまでもなく、商店街活性化は、歴史上の愚行とは違って、現在進行形で取り組まれている事業です。
全国ほとんどの取り組みが挫折してしまいかねない情況に直面していながら、そしてそのことについての情報を十分持っていながら、それでも既定路線しか歩めない・・・。

 商店街活性化の現状を見ますと「愚行」は、「自力思考」という当たり前の作業をサボって、「省思考=集団的愚考~前例踏襲」に陥っていってしまっている関係各方面の担当者一人一人の行動の累積結果であることがよく分かります。

 さて、足並み揃って繰り広げられている「愚考の葬列」ですが、脱却を決意し、所要の行動を取らなければ、御地の商店街~中心市街地は間違いなく葬列の一員に終わります。
 そうなってはならじ、軌道修正は「愚行」を自覚した人の仕事だと思いますが、如何でしょうか。
特に、事業の成否に自分の商売の将来を賭けなければならない商業者にとって「愚行の葬列」からの脱出は、文字通り自分の事業にとっての「起死回生」となる決断~行動です。
一日も早く行動しないと、取り返しのつかない地点を通過してしまうかも知れません。

ということで、未だに一部において「先進事例」と評価されている取り組みをあらためて検討して、「愚行の葬列」からの脱却を目指す皆さんのストラッグルへの一助とします。
『先進地(青森市中心市街地)に学ぶ』

※ちなみに:
 上掲の『現代と戦略』は、問題解決、目的と手段、計画と実践、戦略とは何か、といった問題に関心のある人に「必読文献」としてお奨めします。
わが国で出版されている「戦略」がらみの本には「羊頭狗肉」が多いのですが、この本は、たとえて言えば「掃き溜めの鶴」です。

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    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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