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目標は「デスティネーションの再構築」

 知っている人は知っている、ヒステリシス効果という言葉があって、「ある原因によって起きたことなのに、その原因を取り除いてももとの状態に戻れなくなっていること」をいいます。
 例えば、商店街の不振が人どおりの減少が原因で起こった事であったとしても、昔の水準に人通りを増やしたからといって商店街の不振が解消し、かっての繁盛が再現されることはありません。
 引き金が人通りの減少だったとしても、その後、売り上げの減少とともに個店の多くは劣化スパイラルに陥っており、これはもはや人通りの減少という最初の原因が解消したからといってどうなるものでもありません。

 多くの基本計画で数値目標とされている「通行量の増加」ですが、通行量が商店街全盛時代の規模まで回復したとしても、それで商店街が「買い物行き先」として復活することはありません。
通行量の減少が原因で起きてしまった劣化スパイラル(商店街の現状)は、通行量を回復することでは解消することが出来ません。
これが「ヒステリシス現象」です。

 この状態から脱出し、あらためて「ショッピングの場」として復活するためには、商店街空洞化の原因を探し、それを解消することではなく、様変わりしている環境において「買い物行き先」としてのデスティネーションを再構築することが必要です。
地域に数多ある商業施設を尻目に、アクセス条件劣悪な中心市街地にわざわざ買い物に出掛けてくる、出掛けてこなければならない「来店(街)目的」を構築し直すことこそが、唯一、中心商店街活性化実現の道です。

 中心市街地の商業機能を活性化したい、と思ったとたん、アタマの中に“郊外型商業全盛時代にどういうデスティネーションを目指したら中心商店街が買い物行き先として利用してもらえるのか?”という問題意識が浮かばないと、やるべき仕事が分からないはずです。

 郊外型ショッピングセンターのマネをして言葉の定義もせずにテナントミックスやマーチャンダイジングなどと知ったかぶりをしてもなんの効果もありません。
ひたすらに、数多の商業施設を尻目に中心市街地まで足を運んでもらうデスティネーションを作り上げること、これ以外に中心商店街が商業機能として再生する方向はありません。

 このことに気が付かず、あるいは気が付かない振りをして、「通行量の増加」などを目標数値に掲げている基本計画は、
①数値目標を達成できない
②万が一、目標を達成しても商業機能の活性化は実現できない
という「失敗の二重構造」を内包しているのです。
来月からいよいよ認定第一号の両都市を筆頭に第二年目の中間総括に入っていくわけですが、二年目ともなると目標未達の「言い訳」がありません。

 と思っていたら、「百年に一度の暴風雨」の襲来という願ってもない?言い訳材料が現れました。
「不況のために目標は達成できなかった」ということで、総括は出来るかも知れませんが、ではこれから不況のなかでどういう方向・方法で活性化を目指すのか?
まったく見えていないはずです。

 皆さんが目標未達は“百年に一度の暴風雨のせい”といっているその同じ時期に、客数・客単価を着実にアップしている「活性化への取り組み」が実際に取り組まれており、皆さんがたぶん口を揃えて言い訳に使う「百年に一度の暴風雨のせい」が根も葉もない・言い訳にならない逃げ口上であることを証明しています。
http://jp.youtube.com/watch?v=P3y5GdK5Hak

デスティネーションを構築できない個店・商業集積に明日はない。
その意味では商店街、百貨店、ショッピングセンターなどなど、みんな同じ課題に直面しています。
脱出の道はデスティネーション・三点セットの再構築以外にありません。
ヒステリシス効果を無視して「通行量」や「各店舗」などに救いを求めるのは、自分でショッピングをしたことのない・自分のアタマで考えることを放棄している人たちが陥るパターン、これまで数十年にわたって取り組まれ、ことごとく失敗している方法です。

 商店街活性化、実現への合い言葉は「デスティネーションの再構築」他の方向ではヒステリシス効果から脱却することは出来ません。

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