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「百年問題」

 “100年に一度の不況”への対処にはそれなりの着眼が不可欠です。
早い話、百年間それなりに効果のあった取り組みで百年に一度の問題に取り組むことが出来るのか?ということがありまして、問題のとらえ方次第では「百年に一度のパラダイムの転換」が必要かも知れません。

 そういう視点であちこち見渡しますと、従来とは異なる〈情⇔景〉~問題が見えてきます。

 第一に、市場原理主義とやらを産み出すに至った近代経済学とは何だったのか、あらためて批判的な検討が必要になっているのではないか、という問題提起があります。

ケネス・ラック『アダム・スミスの失敗』(草思社1996) は、“なぜ経済学にはモラルがないのか”というサブタイトルのとおり、近代経済学の学としてのあり方そのものを批判する経済心理学者からの問題提起です。
アダムスミス的価格決定プロセスなどは、古今東西どこにもない、「説明の道具」としても極めて不適切なものであることが論じられています。
もちろん、「貨幣のこととしての経済」ではなく「人間のこととしての経済」を主張する著者の批判は、当然ながら、その労使関係観にも及び「人あるいは労働が商品として扱われずに済む経済」を考察してスペインでカトリックの助司祭が創設した株式会社を紹介しています。

第二に、これから顕著となる新しい経済の試行については、ご贔屓・アルバート・ハーシュマンさんの『連帯経済の可能性』(法政大学出版局2008年)という本が出ました。
新しい動き、米国でも準備されていそうな気がしますが、わが国では圧倒的に遅れていますね。
抜本的な活性化が必要な商店街組織などが必要に迫られて取り組まなければならない時ですが、せいぜい株式会社止まりのようで、これでは「啓蒙」を同時並行で実現していかなければならない時代、ものの役には立ちません。

 中小企業の協同組織については、その名もズバリ、稲川宮雄『中小企業の協働組織』(中央経済社昭和46年)が基本図書ですが、とっくに絶版・入手困難のはずですから、読むべき人は頑張ってください。
ご承知のとおり、わが国の協同組織は商店街振興組合に典型なように補助金の受け皿という堕落した形態になっています。「受け皿」的業容でマネジメント体制を構築できるわけがない。

第四に、当サイト正面課題である商店街活性化について。
商店街といえば、まちづくり、“そもそも街って作れるのか?”という根元的な発問が他ならぬ建築家から提起されています。
堀池秀人『街の遺伝子 ―まちづくりを叱る―』(鹿島出版会2008年)
ひらがなの「まちづくり」、コンセプト、全員一致の合意形成などなど、都市計画系の常套用語を叱っています。
 当サイト常連の皆さんにはもはや当たり前といってもいい視点ですが、なんと言っても「系」の真ん中から出てきたということが画期的です。問題は実務担当レベルの皆さんのリテラシーというか問題意識というか。

 そこで話は「人は何のために仕事をするのか」ということになりまして。
あらためてマズローさんなどが脚光を浴びる日も近いのではないかと。
『人間性の心理学』(産業能率大学出版部1987年)

 必要と欲求の違いをきっちり弁えないとアダム・スミス~主流派経済学は超克できません。

 「百年に一度の問題」に取り組むにあたっては、問題を如何にとらえるか、というメタの問題がありまして、メディアでは“三年すれば景気は解決する”“イヤ、五年掛かる”“10年だ”と予想屋が根拠となるパラダイムの検討もしないままの言説が繰り返されていますが脳天気なことです。

 「景気」と「生活」、とりわけ地方に住む人々の所得&生活との関連について考えれば、たちまち直面することになる問題ですが、問題として認識している人は限られているようです。

 ちなみに、中心市街地・商店街活性化はこの問題(百年に一度という)を外しては考えられません。
もちろん、ハード的に「百年続く街」を作ったからといって「百年続く街」に「なるわけではありません。

 「百年問題」という問題があるのだ、ということをしっかり確認して視野を広げておきたいものです。
というか、当ブログはスタート当時から「百年問題」をしっかりとらえていますから、「百年問題がある」ことは、イの一番の前提になっています。

 もちろん、クオールエイド流「中心市街地活性化への道」、その骨格となる「商人塾」の実践は、まんまで「百年問題」への対応策となっています。
お暇な時にあれこれ確認してみてください。

Happy Christmas

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  • Author:進化する売場研究会
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    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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