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誰もが理論を使っている

 “どのような知的影響とも無縁であるとみずから信じている実際家たちも過去のある経済学者の奴隷であるのが普通である”

        ― ケインズ『・・・一般理論』最終章

 これをもじれば。
 “自分たちは、「理論」などという仮設などには頼らず、もっぱら具体的な事例に基づいて仕事をする”と主張している実務家も、モデルとする「具体的な事例」は「仮設」に基づいて実践されている以上、それを踏襲する実践も仮設=理論から自由であるとは言えないのでありまして。

 そのことを自覚しないまま「理論」を拒絶するのは、具体的な事例を導いている「理論」にそれとは知らずに従っている、つまりは盲従している、ということです。
 付言すると、その盲従した事例も無自覚のうちに「誰かの理論」の奴隷だったりすると・・・。

 せっかく批判的にものごとを見ることが出来る条件を備えていながらその権利を放棄しており、自分では気が付かないまま、ある「理論」の奴隷になっている、とケインズ先生がいう喝破したとおりが現出するわけです。

 さしあたり、藻谷氏の言説などは基本仮設のレベルで商店街前世代が抱懐していた理論に無自覚に追随しています。
「店前通行量が増えると店が繁盛する」という・・・・。

 「理論と実践」の関係を自覚していないと何が起こるか?
明示的にていきされる理論への拒絶と「事例」への根拠のない支持。
その結果として起きるのが、誰かが「成功事例」と評した取り組みへの無批判的な雪崩現象です。
ブレーメンの笛吹を演じるのは誰か?(笑
雪崩をうっている人たちは、自分では気がつかないまま「理論抜きで事例に学べ」という理論を採用しているわけですが、こういう立場を採用している人が「繁盛店づくり」に成功することはありません。

 “奴隷になって実行すれば成功する”という「繁盛店づくり」の成功事例はありません。

 もちろん、わが商人塾が推進する「繁盛店づくり」は、事例盲従では実現できません。同じ塾生の成功事例に盲従することで自店の繁盛を実現する、ということもあり得ない。

 皆さん、もっと「理論」について重視していただかないと、中心市街地活性化のみならず、急変している問題状況への対応に成功する可能性が高まりませんよ。

 繰り返しになりますが、中心市街地活性化の取り組みには、「理論」についての理解が欠けています。
仕事に取り組むにあたって「理論」などは無縁だと思っている人が圧倒的です。

 ところが、「理論に無縁と思っている実践は、過去の誰かが考えた理論の奴隷である」わけですから、けして理論と無縁というわけにはいきません。
その取り組みは、無意識のうちに従来的(成功しているとはとても言えない)仮設の罠にはまっているため、成功するはずがありません。
 
 このことを理解すると、適切な理論をどう選択するか、ということが喫緊の課題であることが自ずと理解されます。
適切な理論が具備しておくべき条件とかも考えてみなければならない。

 ということで、問題はだんだん哲学の領域に入っていくのですが、哲学の勉強は「既存理論の奴隷」状態から脱出するためには、不可避の作業かも知れません。

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