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基本計画に商業者の顔が見えない

 先月、13都市の中心市街地活性化基本計画が認定されました。
およそ2年間の間に70都市の基本計画が認定されたわけです。
認定された都市の情況はどうなっているか?

これがもう、判で押したようにうまくいっておりません。
計画されている事業の進捗状況は、都市により様々ですが、取り組みが進んでいるところもそうでないところも一様に「劣化、空洞化のスパイラルは止まっていない」ということです。
恐るべし、ですね。

 基本計画の「経営」について。 
年が明けると、一号認定の二都市を筆頭に「年間総括」を提出する時が来ます。1年間の取り組みの結果、目標達成の進捗状況を報告しなければならない。経営にとって「目標数値」とは経営活動を統制するためのツールですから「数値目標を設定せよ」ということは、その達成度合いで取り組みを統制していくぞ、と言うことだったんですね。

 知恵を絞って目標未達の釈明を作文するわけですが、結構厳しい仕事だと実務を担当している人から聞いています。
2年目ともなると“もはや言い訳の書きようがない”というのが実情かも知れません。

 ふと思ったのですが、認定する基本計画のことごとくが所期の目標に接近していない現況について、認定権者の心境はどんなものでしょうか?
地元では批判に対して“計画が悪いといわれてもちゃんと認定されたんだから”と内心抗弁するケースもありそうで、大変ですね。

 ここ、2,3日、
独立自営小売業者の長年に渡る「独立していない」・少なくとも「適切な経営努力が出来ない」情況は何に起因するのか?
考えていましたら、答えらしきものが見つかりつつあります。
それは同時に、「認定」へと至った小売業振興政策の根本的な問題でもありまして、近く『都市経営』で発表します。

 ここからが今日の本論

 冒頭で述べた新しく認定された基本計画、すべて斜め読みしてみましたが、いずれも「一号認定」が敷いたレールをまんま、走っています。
皆さんの計画~実践の1年後、2年後を予測したかったら、先行都市がたくさん事例を作っていますから視察されると一目瞭然、一瞥慄然となるはずです。

 どこがまずいのか?
まずいところはいっぱいあり過ぎて、一々指摘できません。“この事業だけはいいんじゃないの”と思われる個別の事業も全体計画の一部ですからよろしいはずがない、所期の目標を達成することは出来ません。

 目標と言えば、相も変わらず「キャッチコピーまがい」的文言が羅列されています。
「歴史と文化を活かす」とか、「通行量を増やして賑わいを取り戻す」とか、「住みたくなる町を作る」とか・・・・。
あのさ、中心市街地活性化はジムシティじゃないんですから。

 中心市街地と言えば商業街区、商業街区の都市機能と言えばその大半は小売業・サービス業に決まっているのでありまして、この地区を活性化する、すなわち、都市機能を増進し、経済活力を向上させたい、と言うのならば、その目標はまっすぐ「小売・サービス業の機能増進による経済活力の向上」を指向しないとおかしい。すべての取り組みはこの目標達成に向けて計画され、取り組まれなければならない。
 とりわけ、既存小売・サービス業の活性化・「設け癖づくり」はイの一番に取り組まなければならない目標です。

 とするならば「小売・サ=ビス業者は何を為すべきか」と言う課題について適切な指針(方向と方法)を出すことは、基本計画にとって最大・最高の課題のはずです。

 という着眼をもって基本計画を眺めてみますと、あ~ら不思議、どこにも「小売・サービス業活性化の方向と方法」は記述されておりません。それどころか取り組みの主役(あるいは対象)であるべき「小売・サービス業者」の顔もまったく見えません。

 これはすべての都市の基本計画にみごと?なまでに共通しておりまして、こういう基本中の基本が欠落しているレベルの計画で提案されている事業群に、商業・サービス業者が「自分の事業の命運を賭けてみる」気になれるはずもなく、さらに関係各方面の担当者だって、ぶっちゃけ、本音のところは“活性化なんて出来るわけがない”と思っているわけで、「らしい基本計画」が作れなかった責任はほんとに重く大きい。

 責任者出てこい、といえばこれまでの関係者全員が並ぶことになりますが、並んだからといって何ごとかが変わるわけでもなく・・・。

 商業・サービス業の活性化、外部的な施策の恩恵で実現することはほとんどありません。

 ウソだと思うなら思考実験。
どこでもよろしい、あなたの中心市街地に立地する劣化スパイラルに陥っているお店を、業容現状のまま、日本で一番賑わっている商店街に立地移動させてみましょう。もちろん、店前通行量は日本一です。
くだんのお店は繁盛しますか?

 「取り組んだら繁盛できるかも」と思えないような活性化策に自分の商売の命運を賭けるアホな商業者は少ないのでありまして、旗は振っても人はついてこない、という取り組みがこれからもまだまだ続きそうな平成20年の年末風景です。

 先行都市のTMOさんはおしなべて、危機的状態にありまして、責任感旺盛なタウンマージャーさんの背中は折れそうです。そうでない人が多いのですが。
 一部では“何でもいいから・小さなことでもいいから・事業に取り組み成功させよう”ということが合い言葉になってきました。
あのさ、TMOの仕事は「小売・サービス業の活性化」ですからね。情況を見れば「何でもいい」とか「小さなことでもいいから」といった独りよがりが許される事態ではありませんよ。
ンなことも分からんで、ようやっとるよなぁ(笑

 初心に帰り、商店街に日参して独立自営商業者と膝つきあわせて話し合うことからやり直しては如何でしょうか?
顔を見れば知恵が湧くかも、知れません。

 と言うことで、妄言多謝。

 このところ当サイト、活性化が「進展しない本当の理由」のそのまた理由の、その理由の・・・・、に向かって突っ込んでいるような気がしています。
「これさえスルーできれば道は開ける」という妙案があるとは思えない情況ではありますが、まずは行けるところまで行ってみないと。
 そこで出会うはずの独立自営商業者の相貌とは・・・・。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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