FC2ブログ

通行量とかハコものとか

 新スキームがスタートした当時、活性化の眼目は「通行量」ということでした。
商店街が衰退したのは通行量が減ったから、と「商店街商売」一筋の役員さんたちから聞かされて、「通行量が増えれば活性化する」と短絡してしまったわけです。
“商店街を活性化したかったら住む人・来る人を増やさなければならない”ということで、「人増やし作戦」が大々的に計画されました。

マンション、公共施設、観光施設、コミュニティ施設等々の建設
各種イベント、タウンコンシェルジェ、案内マップ、空店舗の活用、etc.,

これらの計画に取り組むことで「住む人・来る人」を増やし、商店街の通行量を増やせば街は活性化する、という目論見でした。結果はどうだったか、言うまでもありません。

計画を実施したところは、それなりに「住む人来る人」が増えましたが、それが商店街の通行量の増大につながり、通行量が商店街の活性化を実現したところはほとんどありませんでした。
つまり、「商店街活性化」という目的にとって「通行量を増やす」という取り組みは効果を発揮することができなかったのです。
典型的なケースでは、年間700万人を集客する公共施設と併設された商業施設が計画売り上げ高の半分しか達成できず、営利事業としての存続んみ赤信号が点っているところさえあります。
施設外・商店街への回遊などほとんど期待できない事態です。

どうしてこう言うことが起こるのか?
答は簡単でありまして、考えが浅はかだった、ということ。

そもそも、商店街の通行量が激減したとき、地域住民の買い物機会も激減していたのか?
そんなことはありません。商店街の通行量の増減に関わらず住民はそれぞれ「買い物行き先」を確保していました。商店街の通行量が減ったということは、かって商店街に買い物に来ていた人たちが商店街以外に買い物行き先を見いだし、そちらに移っていったことを意味しています。
商店街の通行量の減少は、お客から見れば、商店街以外に買い物行き先(たぶん、お客にとって商店街よりも使い勝手の良い)が出来ているわけです。

 この人たちが買い物客として商店街に帰って来てもらうためには、商店街を現在の買い物行き先よりも優れた買い物の場として充実する以外にありません。
“街を一個のショッピングモールと見立てて機能を充実させる”という旧・整備改善活性化法当時のスキームでしめされていた「活性化の方向」はまっすぐその実現を目指していました。

 今日、「ショッピングモールとしての充実」は、まったく形骸化しています。
“ショッピングモールとしての再構築を目指す”としながら、内容抜きの「空地空店舗の活用」だったり、甚だしい場合は「アーケードの付け替え」をもって“ショッピングモールへの転換”と称する事例さえあります。ショッピングモールといえば一義的には郊外の大型ショッピングセンターのことですが、ショッピングセンターと商店街の違いは、“雨が降っても傘を差さなくて済む”というところにあるのだと思っているらしい。
アーケード完成の暁には地団駄を踏むことになるわけですが、そのころは移動しているわけですか、分かります。

ということで、先行事例において「通行量対策」が不調に終わることがだれの眼にも明らかになった今日この頃、次に登場したのが「空地空店舗の所有と利用の区分」という手法ですね。
この度も、商店街商売専一の役員方の“空店舗の持ち主が貸し渋って困る”というぼやきを聞き、“そうか、空地空店舗の貸し渋りを何とかすればいいんだ”とばかりに憶断実行、さっそく、空地空店舗をまとめて「再開発」を目指す事例が出てきました。

 問題は、「再開発」という手法で実現を目指す「買い物の場」についての議論がほとんど行われていないこと。
中心市街地・商店街において「核」としての機能を果たす商業施設とはどのようなものか?
まったく手つかずの課題ですからね。
ご承知のとおり、百貨店はその任にあらず、百貨店を核にショッピングセンターを計画しても「核」はおろか当該施設の採算性にも?が付きます。

 こんなことは、先行事例についてちょっと検索すればたちまち分かることですが、それでもやってみたい人が後を絶たない、というのが21世紀初頭の日本国の都市経営の実態です。
商店街活性化さえ実現できないレベルで「地方分権」などとは片腹痛いのであります。

 他方、「モノが売れなければ商店街ではない」、「モノを買うのは買い物客だけ」という、ごくごく真っ当な考えのもと、「買い物の場としての商店街の再構築」に取り組む事例も徐々にではありますが、増加の兆しがあり、中には大きな成果を挙げている都市も出てきました。
「住む人来る人を増やす」ことも「空地空店舗の所有と利用の分離」も結構ですが、それらの手法を使って実現したいコトが「買い物の場としての充実」であるならば、それらに先んじて取り組むことがあるのではないか、ということでありまして、図面を描く手をしばし止めて、“「買い物の場としての充実」を実現するには何が必要か”ということに思いを凝らしてみるというのは如何でしょうか。

 このところ、“商業者の自助努力を中核とする商店街活性化への道”について、勉強したい、視察したい、というケースが出てきていますが、あなたのところはどうします?
住む人・来る人増やし、ハコ作りというこれまで全国で取り組まれて成功事例のない方策にしがみつくのか、それとも新しい試行に注目するのか。
まずは情報を得たあなたが行動しなければ始まりません。

コメントの投稿

非公開コメント

-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ