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久留米市 井筒屋撤退後の都心再開発

 当ブログでもときどきコメントしている福岡県久留米市の中心市街地活性化。

 伊勢丹撤退後の北九州市で一人気を吐く井筒屋の久留米店は、来春2月の撤退を表明しています。言うまでもなく久留米市中心市街地の「核」ですから、抜けられると大変、再開発がらみの動きもレポートしてたところでですが、西日本新聞が同店撤退後の街区再開発の動きを報じました。

************* 引用スタート **************

【久留米井筒屋 来年2月閉店 机上の再開発 公金論先走り 市、中心部空洞化に危機感】

   =2008/10/13付 西日本新聞朝刊=

 福岡県久留米市中心部で72年間営業してきた久留米井筒屋の来年2月末での閉店が、8月に発表されてから12日で、2カ月を迎えた。地元の落胆は大きかったが、発表直後に久留米井筒屋跡地を含めた周辺の商店街一帯(約6,800平方メートル)に7階建ての複合商業施設を建設する再開発構想が浮上し、期待も膨らむ。ただ閉店まで5カ月を切り、肝心の事業主体も決まらない中で、同市が構想実現に向けた支援態勢づくりを進めるという異例の展開をみせている。 (久留米総局・坂田恵紀)

 「当社として『提案』『提示』は一切しておりません。当社はあくまでも地権者として、再開発のご提案をお受けする立場でございます」
 9月11日、久留米井筒屋の親会社、井筒屋(北九州市)は、A4用紙1枚のコメントを発表した。前日に江藤守国・久留米市長が市議会で「井筒屋(側)が地権者に対し、再開発構想を説明した」と発言し、朝刊各紙にその記事が掲載されたことへの対応だった。

 「井筒屋が説明した」とされる複合商業施設建設構想は、同店周辺の地権者と市職員が出席した会合で、作成した三井不動産販売(東京)の担当者が示したものだった。同社は、構想作成を「井筒屋から依頼された」とし、会合でもそう前置きしたため、市を含め出席者は「井筒屋の提案」と受け取ったという。

 井筒屋は構想への関与を否定しているが、コメントは、再開発の事業主体になるリスクを避けたい考えを、市や商店街関係者に強く印象づけた。
    ◆   ◆
 井筒屋が受け身なら、久留米市も「まず、井筒屋が再開発プランを提示すべきだ」と距離を置く。周辺一帯の再開発だが、その大部分の土地や建物は、井筒屋が所有するからだ。

 一方、構想実現に向けては、江藤市長は「使える制度は使う」と公金投入に前向きな姿勢を示す。市は、国や県、市のさまざまな補助制度の活用を検討中で、市内部には「少なくとも10億円の公金投入が必要」と、具体的な額も出ている。

 さらに市では、複合商業施設建設までの間、井筒屋に近くの空きビルに一時入居してもらうという案や、完成した施設には井筒屋が入るのはもちろん、テナント確保のために市関連施設の入居も検討している。

 そこには、市中心部の商店街の空き店舗率が8月末で25.5%に達する中で、「2010年度までに10%以下にする」ことを市長2期目の公約に掲げる江藤市政の危機感がにじむ。久留米井筒屋閉店に手をこまぬいたままでは、市中心部のにぎわいが一層薄れる懸念があるからだ。
    ◆   ◆
 ただ、国も自治体も財政難の中で「市中心部の再開発に巨額の公金投入が必要か」との疑問が、市議会の一部から出始めている。

 先月17日、商店街組合関係者が、構想の早期実現への支援を要望した席上、江藤市長は「皆さんの切実な要望は、市民の声」と3回繰り返した。公的資金投入が、商店街だけの救済ではなく、市民全体が望んでいることを強調し、市議会や市民の疑問の声をかわす狙いがあったとみられる。

 机上の構想の上に、公的資金投入による支援構想が進む事態‐。事業主体は今のところ、誰が見つけてくるのかも含めて不透明なままだ。

*************** 引用終わり *****************

■ 一般論レベル

 中心市街地・商業街区の再開発は、「理論の再構築」が必要な段階に来ています。
特に“中心市街地活性化全体の「核」と位置づけられた開発で成功した事例はほとんど無く、むしろ新たな問題を惹起する可能性が高い”というのがこれまでの事例の総括ではないでしょうか。
エスプラッツ、アウガなど。他にもあまり報じられていない事例は数多いですからね。
 実効性を持った商業理論に基づいて計画しないと、空洞化した中心市街地活性化の切り札のつもりが、文字通り“ミイラ取りがミイラになる”ことが大いに懸念されます。

 この問題、当サイトでは『アクセル&ブレーキ』問題として詳しく論じています。
中心市街地活性化、と考えたとたん、次に出てくる問題は、“郊外型大型ショッピングセンターとの役割分担をどう考えるか?”ということなんですが、『基本計画』などを読む限り、そういう問題式は表面化されておらず、“あたかもショッピングセンターなどは現在~将来において存在しない”かのような口振りの活性化策になっていることはご承知のとおりです。
 そのことのツケが「先進都市」の取り組みの相次ぐ挫折、という結果をもたらしているのですが、当の「先進事例」においてさえこのことが自覚されていない、という惨状が「中心市街地活性化」の今日的到達点。

 突破していくには一にも二にも「理論武装」だということは、理論武装に取り組んでみてはじめて理解されることかも知れません。

■ 久留米市の場合
 
 消費購買力の市外流出を阻止し、中心市街地との回遊を実現する、という位置づけで開設された「ゆめタウン久留米」の一人勝ちが続いているわけですが、新しく構想される「核」~商業施設は、ゆめタとのポジショニングをどう図るのか?
大きな課題です。

 さらに、“市中心部の商店街の空き店舗率が8月末で25.5%に達する中で、「2010年度までに10%以下にする」ことを市長2期目の公約に掲げる江藤市政(引用記事から)”にとって、問題は再開発だけではありません。
現在も進行中の街区全体の「劣化スパイラル」をどう食い止め、反転、繁盛への軌道に乗せるのか。
 「井筒屋を中心とした再開発さえ出来れば」というのは、危険がいっぱい。そういうシナリオで取り組まれた先行事例はことごとく
失敗しています。

 再開発の推進と平行してこれまで手つかずになっている「商店街立地の既存個店の繁盛再生~自助努力の組織化による商店街の商業集積としての再構築」という課題を直視しないと、再開発の推進が周辺街区の空洞化を促進することになりかねません。
 
 個別・久留米市の場合、喫緊の課題は「商人塾」への取り組み、
①理論を修得し、
②既存個店群の繁盛を再生し、
③中心市街地の賞偉業立地としての可能性を実証する
ことが、「中心市街地活性化」が直面している究極の課題だということを理解することが先決ですが、関係各方面の問題意識は奈辺にあるのか、注目していきたいと思います。

■ 百貨店
 各社とも「現在~将来における中心市街地の商業立地としての可能性」を調査研究したりはしていないでしょうから、(当サイトにはそれぞれお出かけいただいておりますが)、自店を含めた「再開発で構築すべき「核」の内容・機能を突き詰めて構想するにはとても至っていないと思います。

 「時間堪能」を推進すべきポジションに位置しながら、時間堪能が現段階の消費購買ニーズの「核」であることに気づいていない、という情況で「足踏み」をしているわけですからね。 

■ ということで、

 せっかく開花寸前まで来ている「ラグジュアリィ・ニーズ」ですが、対応し提案する側がしくじるとそれこそ真っ逆さまとなる可能性が否定できません。

 中心市街地、関係各方面にとっていますぐ必要な取り組みは、なにはさておき、「商業理論」を装備することですが、このままスイする限り、その必要性を自覚することなくめそめそと自壊していく中心市街地が多いことは明らかです。

 誰がどう突破口を切り開いていくのか。
国をはじめ関係各方面に突きつけられている課題ですが、誰がどう取り組んでいるのか。
管見の限り、目下取り組まれているのは、当社と緊密に連携した商人塾事業を展開、理論・技術を装備しながら果敢にチャレンジしている二、三のケースだけのようですが・・・。

 中心市街地再開発の課題と取り組みのあり方については、久留米市の事例を中心に【都市計画】で考えていきます。
ご一緒にどうぞ。

☆ 〈甲府市中心市街地商人塾〉は、11月中旬、第一期商人塾受講者による「業容転換 お披露目イベント」が企画されています。既に視察を計画している都市もあるそうです。
「商人塾」事業の内容、取り組み、各個店における成果を一望できる画期的な機会だと思います。

「先進事例の視察」を計画中の人にお奨めです。 

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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