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TMOの混迷

 TMO(まちづくり会社)の任務は、おおむね、それぞれの『基本計画』の実施に当たる、とされていると思いますが、任務を果たしていくにあたっては、解決したおかなければならない三つの問題を抱えているのではないか?

第一に、『基本計画』にTMOの役割、組織構成、財政措置など根幹に関わることが示されていないこと

 これでなにをさせようと言うのか、さっぱり分からない、というのが基本計画におけるTMOの位置づけです。中にはTMO(まちづくり会社)という文言さえ出てこない基本計画もありまして、それでもTMOは作る問いのですから不思議です。

第二に、『基本計画』の主要な任務は、劣化スパイラルに陥っている中心市街地の商業機能の再生ですが、この任務を果たしていくために不可欠である「商業者・商業者組織との連携」が構築されていないこと。

毎度のことながら、業種揃え・店揃えの最適化=テナントミックスマネジメントは、空地空店舗への欠業種の誘致といった、ご都合的なレベルの話ではありません。
集積全体が自助努力を組織化して全体で一個のデスティネーションを構築する、というショッピングセンター的手法を採用するわけですから、当然、既存の各個店もテナントミックスマネジメントの対象になるわけです。
既存商業者の自助努力をデスティネーション構築に向けて組織化することは、街の活性化実現のイロハです。
ところが、基本計画、TMOの業務方針書(あるとして)などでこのことを標榜しているところはほとんどありませんからね。

第三に、関係各方面との協働の基盤となる意志の疎通を構築・維持していくシステムが整備されていないこと。

 TMO、作っては見たものの、こと『基本計画』を実施する、という基本業務に関する限り、開店休業状態にあるといって過言ではない、というケースは珍しくない。
活動的だと表されているものも、既存組織から受け継いだイベントの事務局業務などを執行している程度ではないでしょうか。

 その一~その三が不備な状態で本来業務を遂行できるはずがありません。

 TMO危うし、ということですが、もちろん危ういのはTMOだけではなく、中心市街地の劣化スパイラルも止まる徴候がありません。認定以降、さらに加速しているのではないか、とさえ感じられます。

 TMOがホンキで任務達成に取り組もうとするなら、商業者、商店街組織との間に密接な協働関係を構築することが不可欠ですが、イベントなど以外はほとんど築かれておらず、活性化協議会などの機会を除けばおおむね没交渉状態にある、と言うのが大方のTMOと商店街の関係ではないでしょうか。

 TMOが、都心商業の高度化、すなわち“業種揃え・店揃えの最適化”の実現を追求するならば、商業者・商業者組織との連携は絶対条件です。既存商業者の自助努力を組織化して、業種揃え・店揃えの最適化を指向する、というのは商業機能活性化の基本であり、これに取り組まないまま、空地空店舗の利用や店舗付きマンションの建設などに取り組んでも、その期間を通じて間違いなく劣化スパイラルは進展します。
“活性化に取り組むと空洞化が加速する”わけでありまして、実例は全国随所にありますね。

 TMOは、商業者・商業者組織との連携を確立し、彼らの自助努力と協働する以外にその任務を達成することはできません。
TMOには、商業者の自助努力の組織化を実現し、これと協働する以外にその任務を達成する方法は無いわけで、もし、商業者の自助努力の組織化ということを除外して商業の活性化が実現可能だと思うのなら、そのシナリオを示すべきでしょう。

 一部でもては屋われている“核を誘致する”、“空地空店舗を一括利用する”などという取り組みは最近になって始まったことではありません。
「法」の制定以前から取り組まれ、“これだけでは活性化できない”ことがはっきりしているアイデアです。
欠けているのは何か?
今も昔も、商業者の自助努力の組織化です。

 中心市街地活性化、実現に向けては商業者の自助努力の組織化はゼッタイに避けることの出来ない課題であり、組織化の実現はTMOの基本的な任務そのものだと思います。
TMOと商業者、『基本計画』推進体制の基幹です。
 
 もちろん、現実の両者の関係はあるべき姿にはほど遠く、体制の構築を主導すべきTMOは、商業者に対して語りかける言葉さえ持っていない、というのが実態です。
いうまでもなく、これは大変なことです。

 もっと大変なことは、これが「大変なことだ」という認識がTMOに無いこと。
元を正せば、もちろん基本計画の不備であり、何よりも基本計画作成プロセスの至らなさ=プランニング担当者の能力に問題があったわけですが、今となってはどうにもなりません。
 みずからの努力で「あるべき取り組み体制」の構築に向かわなければなりませんが、取り組みにはもちろん商業者の合意・協働が不可欠になります。
だって、中心市街地の司令塔とは名ばかり、その一~その三的土壌の上に作られているTMOの指令を聞く耳を持っている人は限られていますから。
ここは活性化実現の鍵を握っている商業者との連携をもってことにあたっていかなければならない。

 だがしかし。
話は分かったが、そもそも商業者・商業者組織との協働・連携をどう構築していくのか?
話は振り出しに戻ってしまいます。

 TMOを取り巻く内外の事業環境は、お先真っ暗ということがはっきり理解されたのではないかと思います。
いうまでもなく、これは「活動資金の確保」などという問題に先行して取り組まなければならない課題です。
皆さんはご存じないかもですが、世の中には潤沢な活動資金を与えられていても、果たすべき任務を果たすことが出来ないでいるTMOというのもありまして、もちろん、その原因は「協働体制」を構築できない、というところにあります。

 ということで、認定以降、混迷さらに深まるTMOですが、「説明責任」などはちゃんと果たされているでしょうか?
一番真っ先に説明すべきは、中心市街地活性化の取り組みの現状と課題、TMOの問題情況だと思いますが・・・・。

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