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売り上げの下落と業容の劣化

 これまで繁盛していたお店が次第に売り上げが落ちてくる。
今までなら効果のあった期末セールや地域催事に合わせた販促なども次第に効果が挙がらなくなる。
かって○○銀座という名に恥じなかった店前の通行量も次第に減少、今や昔をしのぶことができるのは祭事の時だけです。もちろん、お店の売り上げには何ほどの効果もありません・・・。

 『活性化法』~『基本計画』で活性化を目指す規模の都市の中心商店街の多くの店舗がこのような状況に陥っています。
皆さんご承知のとおりです。
これではならじ、と〈シャッターの外側〉の施策をてんこ盛りにしている『基本計画』ですが、商店街といえばもちろんショッピングの場、シャッターの外側の施策展開でショッピングの場=シャッターの内側が活性化するものでしょうか?

 論理的に考えてみましょう。

1.売り上げが落ちると業容は劣化する
 売り上げが落ちると、端的に商品が回転しない、という結果が生じます。
商品が買い上げられないのですから当たり前ですね。
商品が売れなければ新しい商品が陳列出来ません。店頭の品揃えは「陳腐化」します。
そうするとお客は、「この店には買える商品がない」と見切ってしまいます。ますます商品の回転は鈍り、品揃えは劣化します。

2.対策
 いろいろな対策が講じられます。
○バーゲンセール
  客数が落ち、品揃えが劣化したお店のバーゲンセールに魅力を感じる人は少ないでしょう。せっかくのバーゲンも期待した効果はありません。
○宣伝広告
  宣伝のうたい文句は「価格」以外にはありません。お店の売り上げ減は、「価格」が原因ではありませんから、売り出しのチラシが効果をもたらすことはありません。

○仕入れ政策
 価格訴求をするためには、既存商品のバーゲンと低価格商品の導入です。
折からマスコミは「デフレ」をはやしましたから、真に受けて中国・韓国製品の500円、1,000円均一などに向かいました。
これを店前に陳列して「入店訴求」です。
何の効果もありません。というか、通行客に向かって“この店は中国・韓国製の低価格商品を扱っている店です”と宣伝しているようなもの。入店を訴求される人はいません。そういう商品を扱っている業容のお店は別にちゃんとありますからね。

3.業容の劣化
 以上のプロセスが進展していく間に、業容すなわち、品揃え・接客・環境三点セットは、次第に劣化していきました。
売り上げの低下は、業容を維持するためのコストを賄う「粗利」の減少につながります。売り上げが低下し続ける以上、コストも縮減し続けなければならない。
仕入れの回数・量の縮減、店舗運営コストの縮減、スタッフの減員、サービスの低下、店舗設備の老朽化・・・。

 店内には「在庫」がすし詰め、接客は「セルフ」まがい、「環境」は日増しに劣悪化・・・。
もはや、かってのお得意さんからも“こんなみせではなかったのに・・・」といわれ、忘れ去られてしまいます。
商店街立地の商業者ならほとんど全員が納得される「業容劣化スパイラル」です。

 この「業容劣化スパイラル」からの脱出こそが「繁盛再生」であり、「商店街活性化」「商店街再生」の究極の課題ですからね。

 活性化を実現するには、劣化している「ショッピングの場」を賦活しなければならない。
「売れる店」を再現しなければならない。
「業容」を「売れる三点セット」へと転換しなければならない。

 このことをきれいさっぱり忘れたままで取り組まれているのが多くの都市の商店街活性化の現状です。
繁盛していないのは、とおりの通行量が減ったから、とか、空き店舗の所有者が土地・店舗を賃貸しないから、とか、いろいろ指摘されておりますが。

とおりの通行量が増えれば個店の業容は転換するか?
空き店舗の利用が進展すれば個店の業容は転換するか?
と設問してみれば答えは一つ、いくら周囲の状況が変わっても、その結果個店の業容が転換する=お客にとっての「ショッピング行き先」としての業容が忽然と現れる、ということはあり得ません。

 いや、環境が変われば商業者の意欲も意識も変わって、やる気が出るはずだ、といわれるかも知れませんが、「意識が変わった」り、「やる気が出た」るすれば「業容転換」が出来る、というものではありません。
そもそも、現在の業容劣化をもたらしたのは、何とか売り上げを回復したい、という意欲のもとで取り組まれた「試行錯誤」の結果だということをお忘れなく。

 ということで。
“店舗外部の条件を変えれば、既存個店の繁盛が再現出来る”という仮説に依拠して(そうとしか思えないでしょ)、シャッターの外側の施策への専念を目指す「商店街活性化」は、これから先もいくら頑張っても効果を挙げることは出来ません。
「通行量増やし」も「不動産の利用」も同様です。

「売り上げが低下したら業容が劣化する」
これは小売業の鉄則です。しっかり覚えておきましょう。

 売り上げが低下したら、業容をシビアにチェック、顧客の消費購買行動との間のギャップを突き止め、解決しない限り、お客が戻ってくる=繁盛する店頭が再び現れる、ということは絶対にありません。
このことを肝に銘じることが出来ないと、「商店街再生」は看板倒れに終わります。

 「空洞化」している商店街、営業中のほとんどのお店の業容は、最盛期に比べて著しく劣化しています。
この業容で、新しく登場してきた商業集積のライバルと競合せよ、というのは無理な話。「シャッターの外側」の施策で、「シャッターの内側の充実」をめぐっての「競合」に勝てるはずがありません。

 “空洞化している商店街の既存店舗の業容は劣化が著しい”というのも客観的な事実であり、その理由は上記のとおりです。
もう一つ、皆さんが気づいていないのか、気づいていない振りをしているのか、「業容が劣化している個店は劣化から脱出する技術を持っていない」ということがあります。

 どうしてそう言えるか?
簡単なことでありまして、
①技術があれば、現状の劣化は起きていないだろう
ということであり、さらに、
②「業容の劣化」は、商店街の皆さんに自覚されていないだろう
とも言えます。自覚されていれば、
「商店街活性化」施策に“個店の取り組み・繁盛再生=業容の転換に必要な取り組み”を入れてもらいたい、という要望があったはずではないでしょうか?

 ということで、商店街活性化の課題は複雑怪奇(笑 のようですがホントは簡単でありまして、何のことはない、「個店の業容劣化」という視点を持てば、眼前の霧や靄はすっきり解消、進むべき方向・やるべきことがハッキリ・クッキリ見えてくるはずです。
見えてこないのは、直面している問題を直視することが出来ていないから、です。

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