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「類推」という能力

 私たちは、複雑な物ごとを認識するとき、ある枠組みを用いてその物ごとの内部や外部との関係を理解します。

 アプローチに使われる方法の一つが類推(アナロジー)という方法です。
A:「未知の物ごとの仕組み」を理解するという作業において、
「B:既知の物ごとの仕組み」の理解に役立っている方法を利用する

つまり、既知の物ごとを成り立たせている枠組みに当てはめてみて理解しようとするわけです。


 未知のもののを理解するのに既知の枠組みを利用する、というアプローチは、意識的に行われるだけでなく、無意識のうちにも行われており、また、その「当てはめ方」も色々で、ただ当てはめて見ればOK、というものではありません。

 Bを理解するためにぴったりのAは何か?ということをよく考えてみなければならない。このブログのテーマに即したところでは、
「中心市街地活性化」への取り組み、
どのような目的を実現するために・どのようなアプローチを採用するのか、というあたりの課題は、これまでの取り組みの経緯を踏まえれば、避けて進むことの出来ない問題だと思われます。

 たとえば、いつも例に使って恐縮ですが。
「商業はまちの花」という考え方があります。まちに人口が増える(=植物で言えば根、茎、枝が発育する)と、その結果、商業は繁盛するだろう、という考え方、商店街全盛時代、商店街の成功者に共通していた考え方です。
 これは商業とその地域における成立・機能を「花」の植物とその環境の関係の理解に置き換えて説明しようとするものですが、果たして、「花」と植物と環境の関係は、「商業」と賑わいと人口の関係に置き換えて考えられるものかどうか、「正しい類推関係(関係の当てはめ方は妥当か)」になっているかどうか、あらためて検討してみなければならない、ということです。

 商業以外のことについても同様でありまして。
私たちは、さまざまのことのついて「既知」に置き換えて理解することが多いのですが、これまで、その作業はあまり厳密に行われていなかったと思います。その理由はいくつか考えられますが、それほど厳密さが必要ではなかったということもあったのかも知れません。

 今日、さまざまな領域で、これまでの枠組みで、これまでの「厳密さ」で理解しようとしてもどうも釈然としないことが頻発しています。
 既知の枠組みについて、あらためて「これと置き換え手考えて良いのか?置き換えの手続きはきちんとしているか?」置き換えの適・不適を判断する基準は何か?
などについてあらためて考えなければならない時代になっています。

 大変な作業が必要ですが、その作業を簡単にする道具があります。それは「循環」という視点。
循環は、自然界~生物界~人間社会に共通する地球上の「枠組み」を理解する「枠組み」です。
 経済学ではワルラス=物理学、シュンペーター=生態学をそれぞれの理論の枠組みに用いています。
彼らの仕事も、経済という「循環」を理解するために、「物理学」や「生態学」レベルの循環についての知識・枠組みを援用した、ということになります。果たしてその援用の仕方は、正しかったのかどうか、ということが検証されなければならない、と言うことが今日の経済学の課題ではないか、とこれは門外漢の勘ぐり。
 循環をキーワードに「理解」へのアプローチを考えるときに大事なことは、理解のために使ってみる「枠組み」にどの分野のどのような「領域」を切り取って使うのかということです。
 ワルラスに基礎をおく主流派の経済学が経済実態の理解に無力だといわれたりするのは、「物理学」を援用したことに原因があるのか、それとも援用の手続きに不備があったのか、ということも誰か考えてみると面白いのではないでしょうか。

 雨が滝のように降ってきた、というように、別の事象・事物を用いて物事を表現するのは、レトリックの一種ですね。
経済現象を物理現象を説明する枠組みを利用して説明する、あるいは生態学の知見での枠組みを援用して表現するというのもレトリックです。
 レトリックの妥当性を吟味する、という仕事は、あまりこれまで経験したことのないような問題(たとえば「少子高齢化」など」)に直面する今日、一度は取り組むべき仕事ではないかと思います。

 ということで、レトリックリテラシー、レトリックを読み解く・創造する能力の錬磨は問題解決を志す我々にとって不可欠です。
本ブログでは以前も「レトリックリテラシー」を論じました。

 今日のテーマについては、サイト 経営フォーラム
の論議の柱の一つになればいいな、と思っています。

よろしければお出かけください。

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