FC2ブログ

中心市街地とはどこのことか

 いよいよ『整備改善・活性化法』から『中心市街地活性化法』へ、スキームが変更されます。

 これまでの『中心市街地活性化基本計画』の問題点の一つは、計画において「中心市街地」に指定されている区域と実際の事業対象地域の間に懸隔があったこと。
このことは総務省の中間総括において批判されているとおりで、非常に広い範囲を対象地域に指定している例が多い。しかし、実際に事業を行っているのはほとんど商店街地域だけですね。これはスキームの趣旨からしてこうなるのが当然ですが、問題は指定地域が本来の対象地域を逸脱した原因が「法」の趣旨を適切に把握していなかったことにあるのではないかと思われること。

 中心市街地指定のミスマッチがそのことに起因しているとすれば、ことは総務省が指摘しているように、単に対象地域を過大に設定した、と言うことにはとどまらない重大な問題がある可能性があります。
 そして、後で見るように、このことが今日に至るまで反省的に理解されていないということは、新スキームの理解についても同じ轍を踏んだまま事を進めようとしているのではないか?
という懸念を起こさせる訳ですが・・。

 以上を踏まえて、現下の状況を見ますと。
『中心市街地活性化法』のスキームをもって「コンパクトシティ」的取り組みを推進しようとする流れが生じています。果たして新スキームは、「コンパクトシティ」推進のスキームとして妥当なものでしょうか?

問題は、
①法律で定義されている中心市街地と
②「コンパクトシティ」推進の文脈で語られる市街地とは
同じ概念、同じ地域を指しているのだろうか? ということです。
検討してみましょう。

「法」における「中心市街地」は、次の要件を持つ地域とされています(「法」)第二条)

一.当該市街地に相当数の小売商業者が集積し、及び都市機能が相当集積しており、その存在している市町村の中心としての役割を果たしている市街地であること。
(「集積要件」という)
二.当該市街地の土地利用及び商業活動の状況等からみて、機能的な都市活動の確保又は経済活力の維持に支障を生じ、又は生ずるおそれがあると認められる市街地であること。(「趨勢要件」という)
三.当該市街地において「都市機能の増進及び経済活力の向上」を総合的かつ一体的に推進することが、当該市街地の存在する市町村及びその周辺の地域の発展にとって有効かつ適切であると認められること。(「広域効果要件」という)
(ちなみに今回の改正による変更は、「」の部分だけです。これまでは「市街地の整備改善及び商業等の活性化のための活性化」でした。)

「法」に定義された中心市街地とはこの三つの要件(以下「三要件」という)を兼ね備えた地域のことです。
◆三要件を兼ね備えた地域とは、どこのことか?
これは「中心市街地のうち商業街区=中心商店街及びその周辺」のこと以外にあり得ません。「集積要件」をもう一度見てください。
これを読めば、「都市機能が相当集積している、あるいは集積していたが今では空洞化が進んでいる地域(以下「旧市街地」という)が中心市街地なのではなく、「相当数の小売商業者が集積し、及び都市機能が相当集積」すなわち、中心商店街地区及びその周辺に限定された地域が「法」が指定する中心市街地であることが分かります。 念のため、他の要件も検討しておきます。
二の「趨勢要件」において、中心市街地とは、
①土地利用及び商業活動の状況等からみて、
②機能的な都市活動の確保又は経済活力の維持に支障を生じ、
③又は生ずるおそれがあると認められる市街地であること。
 と定められています。
ここでも明らかに「中心市街地=中心商店街及びその縁辺地域」であり、旧市街一般を指すものではない、ということが明らかです。

三の「広域効果要件」について。
「都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進することが、当該市街地の存在する市町村及びその周辺の地域の発展にとって有効かつ適切である」のはコンパク党の皆さんが主張するように、当該地域に行政・教育・社会・医療等々の都市機能を一極集中することでは無いことは言うまでもありません。

 では、ここで言われている「当該市街地において都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進することが、当該市街地の存在する市町村及びその周辺の地域の発展にとって有効かつ適切」な中心市街地とはどこのことか?
この要件が指し示しているのも「中心商店街及びその縁辺街区」です。

 どうしてそういえるのか? 広域効果要件で言えば、
①他地区の発展を妨げず
②他地域の住民の生活条件として有意義
③地域商業活性化の手法として非中心市街地においても応用可能
という条件をクリアしているのが「中心商店街」だということ。
その他の都市機能のばあい、域内地域間はゼロサム関係のことが多い。

 と言うことで。
「法」のスキームにおける中心市街地とは、これまでもこれからも「中心商店街及びその縁辺地域」のことである、と言うことを説明しました。
それがどうした、という人もあるかも知れません。
①中心市街地を広めに指定し
②増進する都市機能もあれこれ幅広く計画しておけば
③結果的に商業・商店街の活性化にも役立つではないか
という主張も予想されます。
ここからコンパクトシティ的発想まではほんの一歩であり、これまで商店街活性化に取り組み、挫折してきた経験を持つ皆さんにとって、中心市街地の商業活性化は商業だけの取り組みでは実現できない、商店街を活性化するにはコンパクトシティを目指すべきべきだ、といった主張が受け入れやすい下地は出来ています。
(挫折の原因はそんなところにあるのではなく、問題の定義を間違えた、と言うところにあったのですが、ここではそのことは省略します。)

新スキームの発表とともに、中心市街地活性化=コンパクトシティ化の推進、という流れが一挙に出来上がろうとしています。

ところが、この方針・方向は大きな間違いでありまして(笑
そもそも、中心市街地=中心商店街及びその縁辺という狭小な地区に多種多様な都市機能の一極集中が出来るはずがありません。
このスキームによるいうところのコンパクトシティの推進は、
①「法」が目指している中心市街地活性化を挫折させた上
②「コンパクトシティ」も実現できない
という結果に陥る可能性が極めて高い。
 
 商業の活性化=空洞化している既存の商業機能を「買い物行き先」として再構築する、という仕事は、「人を集めれば何とかなる」というような安易な考えでは絶対に実現できません。
この「安易な考えではぜったいに実現できない」ということをしっかり理解した上で取り組まないと商店街の活性化は難しい。

この問題は長くなりますので、続きはホームページで。

ブログランキング

コメントの投稿

非公開コメント

-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ