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タウンマネージャーとはTMOのことである

承前

 直前の記事で、タウンマネージャーの仕事をデベロッパー業務との比較で考えてみました。
引用しますと。
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(タウンマネージャーの仕事を)
デベロッパーの業務を踏まえて素描すれば、
①広域商圏において「中心市街地所在の商店街等の商業集積」が担う(事業機会に出来る)商業機能を発見し、定義する
②「業容」を構想する
③「業容三点セット」を整備する
④「テナントミックス」については、現存個店の業容転換と空地・空店舗への新規参入の促進で実現する
⑤「業容最適化」の追求・維持
ということになります。
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 以上を踏まえてタウンマネジャーの業務について考えますと、その仕事は、個人に割り当てられる職能というよりTMO(まちづくり会社〉の業務そのものだということがあらためて確認されます。
つまり、タウンマネージャー=TMOということですね。
その業務は職能の名称が何と付けられていようと、個人の仕事ではありません。TMO・まちづくり会社が所要の組織体制を整備してあたらなければならない。
そうしないとTMOを設置した意味がありません。イベントや景観整備、空き店舗の活用といった個別事業なら既存の組織に割り振ればよろしい。既存組織に出来ないのは「業種揃え・店揃えの最適化」すなわち「テナントミックスのプランニング&マネジメント」です。
一人でできる話ではないことは、ご明察のとおり。

 「公募」などで確保しようとされているタウンマネージャーとは、実はTMOのマネージャー、タウンマネジメント組織のマネージャー=実務の責任者のことだということになる。
したがって、タウンマネージャーの公募にあたっては、
①基本計画の内容
②TMOの組織体制
がどう考えられているか、ということで公募する・設置すべきマネージャーのスペックが決まります。

 このあたりの作業を抜きに、「基本計画の推進にあたる」という一言を基準に公募するというのは安直すぎます。

 そういう場合、TMOの組織のあり方、マネージャーさんのポジション・職能などもマネージャーさんがみずから構想していくことになりますが、公募で来た人にいきなりそういうことをしてもらうのは無理難題というものです。

 先行事例を見ても、当サイトが提唱しているようなTMOは少ないようですし、まして、その業務を統括するタウンマネージャーに適格者を確保しているというケースも、たぶん、きわめて限られているのではないでしょうか。Web上で見る限り、あるべきTMOは立ち上げられていませんし、したがって、もちろんあるべきマネージャー業務に当たっている人もいない、というように見受けています。

 TMO、まちづくり会社、名称なともかく基本計画・商業の活性化の取り組みをマネジメンにあたる組織についてもこれから「挫折事例」が確実に増えてきます。

 いつも申しあげているように、タウンマネージャーの確保にあたって、過去のキャリアを基準にリクルートする、というのは間違ったアプローチです。商業という業界(に限らず、ビジネスの世界全般)に類似職能は存在しませんから。中心商店街がショッピングモールをめざす、ということからショッピングセンター経験者を招聘する、というのはマチガイの始まりです。
個人の既有能力でTMOのマネージャーが出来る人は、業界を問わずたくさんいるでしょうが、問題はそういう人を確保できるかどうか、ということ。相当なスキルの持ち主ですから、当然、タウンマネジメント業務に必要な能力の発揮の仕方・実現可能性・報酬・キャリアデベロップメントなどなど、考え合わせ他とき、果たして食指が動くものか、どうでしょうか。
なかなかの難問だと思っていたほうがいいでしょう。

 確実な方法としては、
①TMOは地元の人材で構成する、マネージャーも地元で育成する、
②養成にあたっては外部からの支援を得る
というのがあり得る方法ではないでしょうか。
もちろん、育成するという方法も難しい取り組みになります。
端的にいって、基本計画の発足と同時に着手しなければならない・TMOの最重要課題「テナントミックスの最適化」への取り組みのスタートと同時にその取り組みを利用してTMOの能力を整備していく、といのが唯一可能な方法だと思います。

 一例を挙げれば、当社が提供している〈商人塾〉を活用して「テナントミックスの最適化」に取り組む、当社との協働、当社の指導支援を受けながらテナントミックスを実現していくプロセスでTMO要員、マネージャー候補者以下の「能力の転換」を実現する、というアプローチがベストだと思います。

 前述しましたが、タウンマネジャーを配置しているところは、これからその働きぶりというか業績が問題になってきます。もちろん問題はまじめに働いているかどうかなどということではなく、マネージャーとして本来遂行すべき役割を果たしているかどうか、ということ。
契約書に明文化されている内容はどうであれ、マネージャーさんの評価は「目に見えて商業の活性化が進んでいるか否か」ということで下されますから大変、そのことはマネージャーさんもその上位者もしっかり覚悟しておくこと。

 ということで、新スキーム発足から早や一年、今年はTMO(まちづくり会社)及びタウンマネージャーさんの真価が問われる時期になります。
マネージャーさん個人もさることながら、「体制」のありかたそのものが問われることになります。
ついでにといっては何ですが、基本中の基本である『基本計画』におけるTMO及びタウンマネージャーの位置づけ、ということもあらためて問題になります。

 この件、ちゃんと基本計画の推進体制にきちんと位置づけてオーソライズしている都市はこれまでのところ、皆無です。
先行事例を見習うことを旨としてる皆さんは、この点、重々了解しておきましょう。

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