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商店街リーダーさん、お覚悟あれ

 何十年来、活性化に取り組んできたが成果が得られるどころか、年々歳々、商業機能・買い物行き先としての魅力は劣化するばかり、という全国の各都市の中心商店街、リーダーの皆さん。


 『中心市街地活性化(整備改善・活性化)法』の制定以来、8年の長きにわたる、一応、中心市街地・商業街区としての取り組みが行われてきましたが、さしたる効果が見られないまま、スキームが変わろうとしています。
商店街単位=点や線の取り組みから、「面」での取り組みへ、さらに今度は中心市街地の人口・世帯数まで増やそうという、取り組みが計画されようとしています。
 一方では郊外地区への大型店の出店の規制と中心市街地への出店誘導を図る施策も織り込まれており、なにやら商店街の皆さんが待ちに待っていた(しかし遅すぎた、という声あり)施策を束にして展開することになりました。


 ひょっとしたら喜んでいる人もあるかも知れません。何しろ、
①逃げ出した「核店舗」の跡に新しく核を誘致する
②郊外には出店させない
③まちなかの人口や来街者が増えるように居住や集客施設を建設する
 ということで、商店街の役員会で出そうな話がそっくり実現することになるかも知れません。ホント、人によっては夢みたいな話かも知れません。


 さて、①~③が首尾良く実現したとして、皆さんの商店街に果たしてどんな影響が考えられるでしょうか?


商店街への影響ですから、当然、
1.来街者が増える
2.入店客が増える
3.買い上げが増える
4.個店・通りが繁盛する
という流れで影響を考えている人もあるのではないか?
まさかぁ、という人は物事を知らなさすぎ。  では検討してみましょう。


1.来街者が増える・・え、何で増えるんですか? 増えないんじゃないですか?


 これは増えません。なぜか? 商店街に出かける理由がありませんから。
 もちろん、商店街を区画整理、上ものは再開発で店舗つきマンションということにすれば、ひょっとしたら住む人が増えるかも知れません。でもこの新住民が商店街を歩くのは商店街を通り抜けて目的地に向かって通り抜けるときだけでしょう。
 なぜそういえるか? だって、いままでよそで買い物していた新住民が商店街に引っ越してきたからといってなんで急に商店街で買い物するようになるんですか?
商店主たちでさえ買い物しない商店街だというのに。


したがって、
2.入店客が増える
3.買い上げが増える
4.個店・通りが繁盛する
というシナリオは成立いたしません。
おっとこれらと併行して「繁盛する個店~まちづくり」の取り組みが街ぐるみで行われていれば、もちろん、話は別の展開になるのですが、残念ながら、です。


 ということで、最初の①~③は例えそれらが成功したとしても1~4は実現しないことが明白だと思いますが、それでも「そんなことはないだろう」という人は以下をご検討いただきたく

◆①~③について


①逃げ出した「核店舗」の跡に新しく核を誘致する
②郊外には出店させない
③まちなかの人口や来街者が増えるように居住や集客施設を建設する
ということで、商店街の役員会で出そうな話がそっくり実現することになるかも知れません。ホン人によっては夢みたいな話かも知れません。


さて、これは正夢になる可能性があるのか、どうでしょうか。


①逃げ出した「核店舗」の跡に新しく核を誘致する


 想定されているのはまず第一に、大手小売企業に出店してもらいたい、ということでしょう。


 問題は、二つ。
 第一に誘致に応じる企業があるだろうか。


 既存の業種業態のうち、今どきの中心市街地立地で成立する「大型店」的業容といいますと、スーパーマーケットくらいしか思いつきません。広義の中心市街地に、一別以来、マイカー立地においてこれまで磨きを欠けてきたスーパーマーケットを展開する、というのは狙い目の一つだと思います。ただしいうまでもなくこれは「コンビニエンスニーズ対応」、立地周辺に居住する住民世帯をターゲットにする業容ですから、広域集客を宿命とする中心市街地・商店街の「核」としての役割を期待することは出来ません。


 常識的には、広域的商業集積の「核」として期待されるのは、百貨店、量販百貨店でしょうが、なかなか新規出店は難しいでしょう。
百貨店は今や業容激変、実態はインショップのためのビッグボックスだと考えれば、ショップ群が空洞化している中心市街地を新規出店の場所としてどう評価するかと言うことにかかっています。
これは一般論としては難しいと思います。


量販百貨店の場合
短期的には難しい。郊外のフリースタンディング・カテゴリーキラー群&SCに太刀打ちできませんから。
中・長期的には可能性があります。
新しい業容を開発すればよろしい。いうは易く、かも知れませんがこの業態の生き残り策は、段階的(グラジュエーション)ラグジュアリィ志向において、二番手以下の局面をねらうところにあるのではないか、と思います。もちろん、実現するためには業容転換が必要ですから喫緊の出店要請に対応することは出来ません。


 ということで、大型店の跡地(空屋)を利用した大型店の出店は難しいでしょうね。名乗りを挙げる企業があるでしょうか。
「中心市街地立地で成立する大型店」というビジネスモデルの発明が必要ですからね。
この検討を抜きにして出店した企業にはやがて「撤退」が待ちかまえているのではないか。


と思い亜Mすが、出店規制という状況の変化を踏まえてどこかの企業が考え中かも知れず、いつ何時、画期的なアイデア・業容が登場するかも知れません。
ただし、そのことに対する期待を「中心市街地活性化戦略」の中心に据えるわけにはいきません。


 いずれにせよ、既存大手小売企業が食指を動かす中心市街地は限られているのではないでしょうか。
それでも大型店の跡をなんとかしなければ、と考えるなら、これはもう自分たちでなんとかする、以外にありません。
となるとこれはたぶん、物販施設は無理でしょうね。


コミュニティ施設その他、いろいろ工夫されることと思いますが、設置される施設の機能が何であれ、開設されたからといって、自動的に商店街への回遊が生まれるということは期待できません。


 理由その一 施設への来訪者の来訪目的は施設の機能である。回遊は二次的なものであり、それだけに強力な誘因が必要である。


 理由その二 空洞化著しく、活性化が必要な商店街が他施設を目的にした来街客を誘引する力はない。


 理由その三 商店街を挟んで二核を設置、商店街をモールに見立ててもその機能は「渡り廊下」でしかない。この場合、通りを歩いているのは来街客ではなく通行者です。


②郊外には出店させない


 今回の法改正で本決まりですから、一応やれやれ、というところでしょうか。(例によって「駆け込み出店」は計画されるでしょうが)


 この話で思い出されるのは、この間、活性化への本格的な取り組みをしていない個店の店主、商店街の役員さん方に限って、「郊外出店を規制しないと・・」と異口同音におっしゃっていたこと。
 商店街の立場から言えば、出店規制は市内よりもした方がいいに決まっています。出店によるマイナスの影響を免れることが出来る。
 しかし、出店を規制したからといって、そのことで商店街の立地条件が良くなるとか、人通りが増えるとか、売り上げが回復するなどという、プラス効果はありませんね。言うまでもないことですが。


 これまで「出店規制が必要だ」といっていた皆さんは、いよいよ念願が叶うわけですから、これを機会にどう動こうとされるのか、大事な局面にさしかかっています。


 郊外への出店規制については、特に不和状態にある都市では、賛成する人が多いことでしょう。しかし、一定の規模のSCが登場していない地区では、「うちにもSCが欲しい」という声が挙がるかも知れません。極端な場合、「商店街のエゴでイオンが来れない」などと言う人も出てきそうです(笑


 あきんどたるもの、これは聞き捨てに出来ません。
こういう声のあることを逆手に取って、「郊外出店をストップする代わりに商店街が生まれ変わります・皆さんにはSC以上の買い物の場を提供します」と宣言する、宣言すれば責任が生じますから、規制で受益した商店街ぐるみで転換に取り組む・・・・、ということになれば起死回生の道が開けることでしょう。
ただし、ホンキで取り組むことが絶対条件ですね。


③まちなかの人口や来街者が増えるように居住施設や集客施設を建設する


 施設を増やすことは都市によっては需要があり可能でしょう。
たとえばマンション需要。
(需要とは①中心市街地に住みたい   ②移転する費用は負担できる、ということですね)          しかし、現在の中心市街地が果たして居住環境として推奨できるのか、はたまた、中心商店街の共存相手としてマンションは適切か、ということも考えてみるべきではないでしょうか。


すでに多くの事例が生まれていると思いますが、ほんとうにマンションを建設すると「賑わい」創出に結びついているでしょうか? 実見の機会は少ないのですが、


①マンションのライフスタイル(隣は何をする人ぞ)
②マンションのデザイン(他人を拒絶するデザイン、レイアウト)
を考えてみると、マンションには、「住む」ことと「コミュニティに参加する」ことを区分する思想とデザインがあるのではないか。


 マンションのうたい文句は「利便」「環境」であって「コミュニティ」はありませんからね。「地域活動が盛んで参加できる」ことをウリにしているマンションは(これまでのところ)無いようです。
これからは出てくるかも知れません。むしろ出てこないと中心市街地との共存は出来ませんが、今すぐあてには出来ません。現段階では住む人のほうにコミュニティに参加する、というニーズがあってこの街区に移住する、という動機は考えにくい。


 ということで、マンションを建設したからといって、当面緊急の課題である「賑わいが生まれる」ことを期待出来るのかどうか。 コンパクトシティを目指す、さらに市街地のコミュニティに「賑わい」への参加を期待するならば、マンションの閉鎖的なデザインは改良されるべきでしょうね。中心商店街にマンションを建てるならそれくらいのことは考えるべきでしょう。
現在の商店街と隣接マンションの関係では、イベントなどに「うるさい」と苦情が来かねません。


物販以外の集客施設を設置するという案


市街地活用の一環として、さらに社会的変化の趨勢に対応するため、公共交通機関をはじめインフラ整備が進んでいる中心市街地に集客施設を集中設置するという方向。
「法」のスキームで中心市街地の活性化を計画する規模の都市にとって、あるべき都市経営の有力な方向でしょうね。 このとき危惧されるのは、「法」のスキームとの関係です。
ご承知のとおり、「法」に定義されたている中心市街地とは、広義の中心市街地の中の「商店街」街区です。(中心市街地の三要件を思い出してください)
この街区に、非物販の集客施設を集中するのはかなり難しいのではないでしょうか。
一方、都市機能の集中という政策の一環として「中心市街地」の範囲を既存商業街区にとらわれることなく裁量的に決定する、ということも考えられますが、そうすると文字通り、「都市を計画する」という壮大な話になります。
どこか取り組むところが出てくるかも知れませんね。


ただし、地域を計画的にゾーニングし、施設を配置し、その間を散策路で結ぶ、商業街区へのアクセスも整備する・・・、といった取り組みで日常的な「賑わい」が生まれるかと言えば、そういった話には大きな?が付きます。


「回遊」という行動は、意欲無しには生まれません。当たり前ですね。回遊は回遊したい、という意欲があってはじめて起こる行動であり、とするならば回遊が起こる場所には人に回遊したいとおもわしめる何かがある、ということです。
その「何か」は時とところ、その人の状況によって変わります。
集客施設をいくつか作り、その間を道路で結べば回遊が発生する、という安易なものではないでしょう。
これについては、すでに多くの都市で事例があると思います。


  「商売繁盛」とは別の文脈で「賑わい」作りを目指す人たちの人為的な賑わい作りは、都市機能の重要な一つである中心商店街が目指す機能の増進・その結果として再現される「街の賑わい」とはほとんど関係ありません。
特に、商店街の機能が空洞化している今日、いますぐ売り上げ回復を目指さなければならないという状況にある皆さんが、自らが担う機能の活性化への注力を怠ったまま、非・物販集客施設からの回遊による来街・来店を期待しているようでは街の物販機能としての命運はすでに尽きかかっているといってけして過言ではないでしょう。
善意あふれる第三者が思い立つのならともかく、利に聡く・算盤が得意のハズの商店主の皆さんがどうしてこんな話を信じているような〈情⇔景〉があるかと言えば・・・、それについては次のレスで。
     


◆ということで


 商店街のリーダーさんが覚悟すべきは、ものが売れない店は地域社会から必要とされていないのだ、ものが売れなければ商店街ではない、とはっきり腹をくくり、売れる商店街・売れる店づくりへの取り組みをど~んと展開すること。これに取り組めなければ、この時期、商店街のリーダーとは言えないのではないでしょうか。


 商店街は、地域において「物販」という機能を担うことを事業機会とする人たちが集まって形成されています。商店街を活性化すると言うことは、現在、劣化し空洞化しているその機能を蘇らせること、それ以外に「活性化」する方法はありません。
更地にしてあるいは高層化してマンションを建てる、というのは「商店街の活性化」ではなくて「土地利用の変更」です。 中心商店街の活性化が都市経営上の大きな課題となっている今日、商店街のリーダーさん方の使命は、「商店街を商業機能として活性化させること」以外には無いと思います。
商店街の理事長さんは区長さんではないのですから。


 リーダーさんは何を為すべきか。
まず、第一番目に為すべきことは、「まちを繁盛させるぞ」と決意すること。
こういえば、リーダーたるもの、誰もが「当たり前だ、何を今さら」と言われるに違いない、日々、その決意のもとに任務を遂行している
のだ、と。    繁盛とは、恒常的にお客が来店し、コンスタントに商品が売れていくことによって生まれるお店の業容・業績です。皆さんがリーダーとして日々精励されている商店街の現状は、繁盛していますか? 営々と続けられている活動の彼方に繁盛が、繁盛店が軒を連ねる商店街が展望されているでしょうか?
 ここで言う「覚悟」とは「ほんとうに繁盛するまち、売れる店・売れる商店街を作っていくぞ」という覚悟のことです。


第二に、「売れる商店街・売れる店づくり」に取り組むと決めたら、次には「自分・自店が終始その先頭に立つ」ことを覚悟しなければならない。
これはきわめて大事なことです。あえて当社これまでの苦い経験から捉えている「傾向」を簡単にご披露しますと。


 「リーダーが自店の改革にホンキで取り組まない商店街では取り組みが衰退する」という傾向があります。
これがなぜ「傾向」として警戒しなければならないかといいますと。
「自分が真剣に取り組んでいないと、ホンキの方針が出せない」ということです。売れる店に変わっていく、という取り組みはけして楽しいことばかりではありません。
場合によってはこれまで自分を支えてきた商業者としての成功実績に基づくプライドと訣別しなければなら無い時さえ考えられます。


 そういうことも含んだ「方針」を出さなければならない時があるかも知れません。そこまでは行かなくても、これまでとは違うパターンでの動きを続けていたのでは実現できない目標・解決できない課題ががいろいろ出てくるはずです。 そんな時、リーダーが自分では率先して取り組んでいない、取り組む覚悟がないという人の場合、ついつい、最適の方針が出せない可能性がある。
「参加することに意義があるのだから、ハードルはなるべく低く」
「みんなの意識が低いのだから、スタート時点はそのレベルに合わせよう」などなど。
では低いレベルでスタートして逐次取り組みを高めていく、そのための方策が立てられているかと言えば全く無いし、必要性も理解されていない。
この背後にはよくありがちな次のような「理論」が隠れていたりします。


「現在のレベルに合わせた仕事をしていると、次のレベルに到達できる」
如何ですか。
そんなことはありませんよね。しかし、「意識が低い、意識に合わせて」やるべきことを決める、というのは「努力しないでやれること」をしながらやがて目的を達成しようということですから、その結末ははじめから見えています。


 この道を歩むことを拒否する第一歩は、自分が取り組みの先頭に立つ、立ち続けるという覚悟をすることです。 取り組みがスタートすれば取り組みをバックに関係各方面と直談判の機会も増えることでしょう。各方面も商店街の自主的活動の展開には大賛成、まってました、ということでしょうが、だからといって商店街の意図がいつでもすんなり通るはずはありません。
非営利組織のリーダーの仕事は活動資金を確保することである、と故ドラッカー先生はおっしゃっておりますが、商店街のリーダーたるもの、必要な事業に取り組める段取りは、石にかじりついても実現しなければならない。


 関係各方面とは何に付け、しっかり交渉しなければならない。
このとき大事なことは、自店がピッカリ光っていること。
これが欠けていると交渉に迫力が出ません。第一、先方もこちらの言い分について心からは納得出来ません。(そうはいてもあなたの店は・・・)とか思われていては出来る話も出来なくなってしまったりする・・・。


 ということで、組合で取り組む、と決めたら理事長さん以下三役さんは実践においても先頭に立つ、街のことも自店のことも、と覚悟しなければならない。これはほんとうに、大事な・大事なことですからね。あとで「やはり大事なことだったなぁ」と分かっても遅すぎる。


ということで。
今どきの商店街のリーダーさんたち、お覚悟のほどはよろしいですか?

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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