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中間層が作る情報砂漠

都営経営的課題としての中心市街地活性化、その成否の責任は当然行政トップに期するわけですが、果たして首長はその任を全うするために必要な情報を確保しているでしょうか?

 首長及び彼を補佐するグループ(以下「トップ})が「中心市街地活性化への道」を理解しているかどうか、ということでありまして、「理解していない」場合はすぐ分かります。
何しろ、利害輻輳・能力不足・成功事例皆無という前代未聞の課題への取り組みですから、庁内的にはトップを指揮者とするプロジェクトチームの編制、全体の推進については、新しく再編成するTMOの発足というセットの組織が必須です。
このセットを組織していない都市の中心市街地活性化の取り組みが成功することは無いと思います。
こういう組織体制が不可欠である、ということを理解していない時点で、「成功への道」を外れているわけです。

 問題は、庁内組織、TMOのセットを組織しているところ。
組織しているからと言って即「成功への軌道」に乗っているとは限りません。
問題は、このセットが「成功への軌道」を走り続けるための必須・不可欠の体制であることを理解した上で組織されているのか、あるいは旧「法」時代の惰性で存続しているに過ぎないのか、というところの分別です。

 不可欠の体制として整備されている、ということは、都市の経営トップがその「不可欠性」について明確な認識を持っていることを意味しています。
その前提としては、組織化の意志決定に必要な情報、とりわけ「中心市街地活性化への道」の全体像についての情報が届いており、かつ、それをトップが納得している、ということです。

 もちろん、これが実現するためには、担当部局・担当者が「活性化への道」・そのシナリオをしっかり作り上げ、トップに提案し、決済を得なければならない。決済の内容は、上記のとおり、「都市経営上の戦略的課題としての中心市街地活性化」を成功させるシナリオについて、しっかり理解して上での決済であること。

 こうして、問題は、担当部局・担当者が作り、運用している「問題解決の仕組み」はどうなっているか?
ということになるわけですが、これはもちろん担当者が、
“中心市街地活性化という問題をどう理解しているか?”
ということによって枠組みが決められています。
実はここに、大きく、ややこしい問題であるのではないか?

 担当部局が、従来的横並び的経営感覚で「他都市はどうやっているか」といったことを基準に、「自力思考」を放棄したレベルで取り組んでいると、トップに上がる情報は「よその事例では」ということが中心になります。問題意識は“よその事例をうちで取り組むには”というレベルに終始することになる。
「RSCにどう対応するか」とか、「ショッピングの場としての再構築」といった当たり前の課題には、絶対に到達できません。

 「問題を自分で定義する」というプロセスを省き、「先行事例」の行動レベルを模倣する、という業務推進方針は、即ち、他都市・先行事例に追随しようと言う基本姿勢ですから、よその事例の「失敗面」を情報として取り扱うことはありません。さらに言えば、それらの取り組みが「問題をどう定義しているか」と言うことについての検討もスルーです。

 この間、多くの都市において新しい潮流が登場してきており、都市経営の基本的なあり方、路線をめぐる対立が起こっているようです。まだ起こっていないところも、時間の問題だと主おいますが、対立の根源は、省思考的・事例追随派と自力思考的・解決志向派という対立だということはきちんと理解しておくこと。
この抗争に敗北すれば都市の未来が暗くなること確実です。
今さら言わなくても先刻御承知のところですが。


 トップは意志決定に必要な情報が上がってこない「情報砂漠」のまっただ中において、「よその事例」の伝聞だけを根拠に「中心市街地活性化への道」を決済しなければならない、という立場に、それと自覚しないまま追い込まれています。

 さらに、このような経営パターンは、中心市街地問題に限ったことではない、都市経営全般の常法がたまたま中心市街地活性化に応用されただけ、ということでしょうから、問題は中心市街地に限ったことではない、ということ、もっともっと大変です。
知事さんたちが推進している「地方分権」も結構だと思いますが、県下各都市の経営能力はどうなっていますか?
それを承知で推進する都道府県の経営能力は?
などというと立腹する人がいそうですが。
いずれにせよ、都市経営、大変な状況に入り込んでいることは否定できませんね。

 他方、商店街に目を転じますと、こちらでは組合執行部の皆さんが、これまた「よその事例」に学びつつ、従来的「商店街活性化」=シャッターの外側の改革改善に取り組んでいます。
組合員の個店は長期低落傾向を脱しきれず、それどころかそのスピードは早くなるばかりという状況ですから、本来であれば、「商店街立地の中小小売店・繁盛再現の方向と方法」について、死にも狂いで立案肢、提唱し、取り組みを領導しなければならないのですが・・・。
「個店の状況」については相変わらずタブーになっているようで。

 「先行事例」に随従する、というビヘイビアを脱しきれない執行部のもと、商店街・商業者も与えられるのは「先行事例」の情報だけ、という「情報砂漠」に追いやられています。

 ということで、中心市街地活性化がうまく行かない原因は「中心市街地活性化」の実務を取り仕切っている「中間管理層」の立ち居振る舞いに起因しているのではないか?

 というのが、当社最近の判断でありまして。
これは多くの都市に共通する従来的都市経営のあり方と、中心市街地という極めて典型的な今日的課題とのミスマッチに起因するものではないか、という仮説にたどり着きました。
もちろん、このミスマッチは、個々の担当者の日々の行動として問題情況と「ミスマッチ」しているわけです。

 とするならば、打つ手はあるわけでありまして、当社、さっそく行動パターンを革新しています。

 当サイトご愛顧の皆さんのうち、中心市街地活性化を正面任務としている人が直面している問題情況は、上記のように理解すれば、説明が付くのではないでしょうか。
とするならば状況を打開していく方法も自ずと選択の幅が限られてくるのではないでしょうか。

 中間層が、現場及びトップを「情報砂漠」に押し込み、かつ、自分たちの行動はもっぱらきちんと把握しているわけでもない「他都市の事例」に依拠している・・・。
認定一周年を迎えつつある新スキーム、このような取り組みの基本的な構造に起因する問題が各地で噴出しています。

 問題が定義されれば、後は解決するだけ。
「情報砂漠」にどう対処するか?
前述のとおり、当社の行動はこの課題への取り組みに向けて大きく変化します。
ただし、サイトの容態は、当面、従来どおりですから、「情報砂漠」を創り出している状況を突破するためにどんどん活用してください。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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