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基本計画担当各位 必読記事

 パブリックコメントが募集されている『基本計画(案)』を読みました。
これまでに作成・公開されている計画のレベルとは一線を画した計画だと思います。

 しかし残念ながら、この計画をもってしても“この計画を推進すれば中心市街地活性化は達成される”と評価することは出来ません。

 状況分析の結果、「魅力ある商業集積の構築」が最重要課題であると正しく提議されていますが、施策が課題に対応していないのです。
計画されている「商業の活性化のための施策」を100%実現しても、「魅力ある商業集積」の出現は不可能です。

どうして断言できるのか?
それにはちゃんと根拠があります。

 どうして活性化を達成できないのか?
状況分析が「他人事レベル」で済まされている、というところにその原因があります。
つまり、「魅力ある商業集積の再構築」を目指すことが目標となる「現状」についての分析が、「内在的批判」というレベルで行われていない、ということです。

 “なぜ我が○○市中心市街地の商業街区は買い物行き先としての魅力に欠けているのか?”ということについて、「自己批判」が行われていないのです。
端的に言って“現状をかくあらしめている主体の責任・能力”についてのシビアな分析はしないまま、「魅力がないから魅力を付加しよう」という話になっています。
あれこれと施策が講じられていますが、肝心の「なぜ魅力がない現状があるのか?」ということが突き詰めて分析されていないために、施策レベルではこれまでの基本計画と同じレベルに止まっているわけです。

 「なぜ魅力がないのか?」
分かり切ったことでありまして、その理由は“既存商業者の「店づくり・売場づくりの技術」=業容展開の技術が「魅力ある商業集積」のレベルに到達していない”というところにあります。
 このことに着目しないまま、あるいはこれに目をつぶったまま展開される「魅力ある商業集積づくり」は、“仏作って魂入れず”ショッピング客相としての市民にとって「魅力のない現状」から抜け出すことが出来ず、結果的にいろいろ取り組んでみたがショッピングゾーンとしての機能の再構築は出来なかった、という結末を迎えることが予定されているといって過言ではありません。

**
わが中心市街地の商業機能の実状は、わが都市住民の都心商業向け消費購買ニーズの受け皿としての機能を十全に果たせるレベルに無い
**
 これが中心市街地活性化基本計画の作成に向かう時点での計画作成主体の情況認識でなければならない。

 取り上げている『基本計画(案)』では、都市住民の中心市街地の機能に対するアンケート調査を行い、そこから「魅力あるショッピングゾーンとしての再構築」というテーマを抽出しながら、問題情況として“商業機能の現状は消費購買ニーズとミスマッチを起こしている。その原因は商業者の技術の水準にある”ということが剔抉されていないために、「魅力ある商業集積再構築」のための施策、特に“魅力ある売り場づくり・自助努力の組織化を核とする「業容革新」の取り組み”が全く計画されておりません。

これをパブリックコメント段階で修正できるでしょうか?
大いに関心があるところです。

 中心市街地活性化、本気で実現を目指すなら(もちろん本気でしょうが)、
①中心市街地商業街区を形成している「売場群」の業容の水準の消費購買ニーズとのミスマッチ
②ミスマッチの原因である商業者のスキルと意欲、行動の実状
を踏まえ、そこからスタートして
③「魅力ある商業集積・都心型ショッピングゾーン」再構築に至る「中心市街地活性化への道」を構想・シナリオ化して
④「自助努力の組織化による業容革新」をはじめ所要の事業を計画する
という取り組みで基本計画が作成されなければならない。

 これまでに作られた基本計画の中では最良の計画だと思いますが、残念ながら“この計画を推進すれば活性化が実現される”という評価はできません。
肝心要のところ、「中心市街地・商業機能劣化の原因」の究明を怠った結果、シナリオ抜きで企画されている施策群が従来の基本計画と同じ水準に止まっています。

 ということで。
「(案)」という段階ですが、もし関係者が当サイトにお出でなら、ついでに次の記事、あらためてご一読をお奨めします。

 当サイト、自治体からのアクセスが多く、おそらく基本計画特に「商業機能の活性化」を担当される人たちではないかと推測していますが、皆さんにとって本日の指摘は極めて重大です。

 取り上げた『基本計画』の作成にあたられたのは、委員会等の構成から、各分野のそうそうたる専門家揃いのように見受けられます。
にもかかわらず、ここで指摘したような「欠陥」を持った基本計画が出来上がろうとしているわけですから、あなたのまちの基本計画作り、この記事で指摘したことについてはくれぐれも肝に銘じて取り組んでください。

 ということで、一つ派生的な疑問が・・・。
パブリックコメント、当社的、専門家・プロフェッショナルによる外部からのコメントはどう取り扱われるのでしょうか。
市民のコメント募集もモチベーション喚起ということでは結構なことですが、計画の実効性を高める、という視点からは部外専門家のコメントを公募する、という手法もあってもいいのではないでしょうか。
今日取り上げた都市については、さっそく問い合わせてみたいと思います。 

 皆さんの『中心市街地活性化基本計画』つくりでは、「部外専門家に対するコメント公募」を企画して見られては如何でしょうか。

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