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「活性化」と「意識調査」と

 商店街活性化対策の一環として「商店主の意識調査」を実施する、かってビジョンや計画作り事業でさんざんやってきたことですが、基本計画作成後の取り組みが停滞するなかで、「もう一度商店主の気持を聞いてみよう」ということで、「中心市街地活性化のための・商店主意識調査」などが起案され、取り組まれる事例が出ています。

 ※と、これは2003年の話ですが、いままた、同じような動きが始まっているようです。
“いつか書いた記事があったな”と見つけ出しました。
以下は2003年の記事、若干手直ししての再掲です。

 活性化の進展が見られない折から、何となく時宜を得た取り組みのように思えて、“そういえばこれまではあまりよく把握していなかった”と思い当たったりすると、「そうだ、その手があったか」と膝をたたいたりして・・。

 結論から言っておきますが、「何をやったらいいか分からない」、「取り組みが全く進まない」という状況(つまり、現在直下の状況ですね)では、「商店主の意識調査はしない」、懇談会も開催しない、というのが正しい。

 逆に言えば、意識調査や懇談会などは「やるべきこと」が明確になってからやる仕事だということですね。

■何故? 何故ならば 

 不用意に意識調査をやってはいけない理由、山ほどありますがいくつか紹介しましょう。

1.調査する側に技術がない
 何を言うか、調査項目の10や20、100や200は右から左に出してみせる、という人もおいでかも知れませんが、調査の目的は何なの?ということですね。
調査には目的があり、結果についての予測があり、調査は予測を確認するために行うわけですから、そういう趣旨の設計をしなければならない。何でもいいからたくさん聞けばいい、下手な鉄砲も・・・と言うわけには行きません。

2.被調査者側に準備が出来ていない
  1のような人に限って設問を「意見」の聴取にしてしまう。意識と意見は違いますからね。「意見は聞くな意識を調査せよ」、調査から問題点を発見したかったら、調査にはこのようなスタンスが必要になります。

 ところで。
現在の状況において、調査を受ける側:商店主の立場で調査を考えてみれば、とてもその回答を真に受けることは出来ません。
なぜか?

■商店主の回答態度 

 意識調査、まじめに答えようが脚色しようが何がどうなるものでもないことは、アンケートに答える側は先刻お見通しです。
抜本的な支援策でもあるのなら別だが、なんにも期待できないとしたら、
Q「業績はどうですか」
A「前年並み」、
廃業すれば店舗の借り手を斡旋するという話があるわけでもないから
Q「これからの計画は」 
A「このまま商売を続けたい」・・・。

 とにかく、的確な支援が約束されている訳でもないのに、「商売は苦しい」、「止めようと思っている」、「なんとかしてもらいたい」などなど、実状はそうであったとしてもそう答えたからと言ってなんとかなりますか? 
なにもないんだったら「前年なみ」「今まで通り続ける」と書いておく。当然の態度だと思います。

 将来の方針については「今まで通り続けたい」という回答が5割以上というのが通例。だからといって「何が何でも続ける」「続ける自身がある」という確信をもって答えているわけではありませんからね。
別に本音を書けばどうにかなると言うことではありませんし・・・。

 本音だったりするとそれはそれで大問題です。
だって「これまで通り続けたい」と希望しても「これまで通り」では「続け」られない、というのが商店街のお店が直面している環境ですからね・・・。

 転換しないと生き残れないにも関わらず、「これまで通りの方法で商売を続けたい・続けられる」と考えている人が50%以上を占めているということ。すなわち、商店主達の意識は現実の課題からと~ってもずれまくっている、ということです。
しかし、こんなことは調査をするまでもなく分かりきっていることですからね・・。

 アンケート調査の回答は、すべての回答の後に[・・・と回答者は答えた」と補足して読むべき。もちろん答えが真か偽かはまったく分かりません。こういう調査を真に受けて施策なんか考えるととんでもないことになります。

■消費者の意見も聞いちゃ駄目 

 消費者についても全く同じことが言えます。
消費者アンケートとやらで「商店街に欲しいものは?」と聞く。
「駐車場」という回答が100%だったとします。

 このことから何が分かるでしょう?
もちろん、「駐車場」という回答が100%だった、ということ。
分かったことはそれ以上でも以下でもありません。

 勘違いして、消費者は駐車場が欲しいと言っている-駐車場があれば買い物に来てくれるそうだ-駐車場を作ろう、といった短絡・省思考で行動しないこと。
 消費者は、「自分の欲しいもの」を回答したわけではありません。親切にも「この商店街には何が不足しているか」ということを考えてくれたわけですね。
私は別だけど、駐車場があればきっとお客が来るのかも、と何の根拠もなく考え・答えたわけです。

 ウソだと思ったら、「あなたは駐車場があれば商店街に買い物に来てくれますか?」、「そのお店はどこですか」と聞いてみるべきですね


■意識調査の目的 

 いやしくも基本計画のもと、全市的な課題として中心市街地・商店街活性化を推進しようと言うくらいのところなら、商業者の意識などは掌を指すように把握していることが大前提です。いちいち商業者に聞かなければ分からない・聞けば分かると思っているレベルでは事業担当者としてはなはだおぼつかない。

 商業者の意識調査の目的は、関係者とりわけ商業者自身が「自分達の現状と繁盛店を再現するために必要な問題意識・能力とにあいだにある大きなギャップ」を確認するための手法です。
調査の結果として、活性化を実現するためには○○○が必要なのにみなさんは×××だと思っている、このままでは活性化できない」ということを実証し、行動変容を迫る訳ですね。
商店主のみなさんが「なるほど、考えが間違っていた、これでは活性化できるはずがない、勉強しなくちゃ」と意識する=行動変容の第一歩を確保する手段としての意識調査、ということです。

 したがって、調査票の設問もこのあたりのギャップがはっきり出てくるものにしなければならない。

いくつか例を挙げてみましょう。


■たとえば 

 その前に、意識調査を商店主の皆さんの立場で考えてみると、

1.売り上げ激減、先行き真っ暗な時に
2.何の見返り(つまり活性化施策)の準備もせずに
3.人の気持ちを逆なでするような調査をしやっがて

ということですから、テキトーに書いとこ、となるのは当然といえば当然。設問を見るといろいろうるさそうだから「前年並み」を基調に答えよう、ということになる。
つまり、作為的な解答が寄せられる。

 調査主体はそんなことは百も承知、その上で調査結果を活用する、という方策がないと調査しても意味がない。
いや、意味がないどころか「また暇つぶしにつきあわされた」ということにもなりかねません。
今時「前年並み」と言う回答が出てきたら、上のような心理状態での回答だと考えて間違いない。

 とにかく、相手が困っているとき、その気になってないときは調査をしてはならない、というのはこういう調査の場合の基本常識ですからね。
 その気にさせるには、調査結果の用途がはっきりしていること。
抽象的に「今後の施策に反映させる」などではダメ、「問題点を見つけて対処する」と言うべき。もちろん問題点は調査対象である商店主の回答に現れます。

 現れるような調査を設計するのが調査の基本です。
聞きたいこと、知りたいことを羅列すれば、聞きたいこと、知りたいことが集まる、というのはとんでもない誤解。
そういう調査をしようとするのは社会調査のイロハが分かっていない証拠、プランナーさんにも意外と多いかも知れません。

 ともかく、意識調査はくれぐれも慎重に。
間違っても「要望の多かった順に施策を作る」などと言うことの無いように致しましょう。

 それにしても。
2003年の記事が今現在でも立派?に通用する、と言うところが凄いわけで、この調子だと10年後にも通用する・・?
おっとそうはいきません。そのころまでには商店街、きっちり結果が出ています。

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