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空洞化・空店舗対策の根本問題

○空洞化とは何か、なぜ起こったか?
 中心市街地活性化とは空洞化著しい中心市街地のとりわけシャッター通りと酷評されたりする中心商店街を活気ある「買い物の場」として再生させること。
おそらく関係者の十人中十人の人が「そのとおり」と賛成する定義だと思いますが、では商店街の現状=空洞化とはいったい何を指しているのか?
 「いまさら言うまでもない、空店舗が発生し、活用する人が無く、さらに増える趨勢にあるということだよ」。なるほど。
では、空店舗はなぜ発生し、なぜ活用されず、なぜ増加傾向にあるのか? と聞かれたらどう答えますか?
 この問に適切に答えないと「空洞化」という問題はきちんと把握されているとは言えません。今日はこのことを少し詳しく書いてみます。

○商店街と空店舗
 もともと商店街に空店舗の発生は付きものです。それぞれの商店街が街並みを整えて以来、これまで、いったい何十、何百の空店舗が発生したことでしょうか。店舗によっては街の誕生当時から連綿として続いている老舗もありますが、多くの店舗は一度や二度、五回、六回は空店舗~新規開店を繰り返しています。
 つまり、空店舗の発生はいまに始まったことではありません。
商店街の空店舗はなぜ発生するのか? 答えは簡単です。
「商売を続けられなくなったから」ということですね。
なぜ続けられないのか、その理由はそれぞれのお店の事情により、様々でした。

 個店の事情は様々でしたが、これを商店街という商業集積から見れば、「何らかの理由で廃業する人があり、空店舗が発生した」ということです。これは商店街にとって何を意味するか?
空店舗の意味は、当該商店街がどのような状況にあるか、ということで大きく変わります。

○全盛期の空店舗
 繁盛店が軒を連ねる商店街で発生した空店舗(繁盛している商店街でも空店舗は発生しますからね)は、「この街で商売が出来たら・・」と新規参入の機会を求めていた人たちの新規出店の受け皿としてすぐさま利用される。空店舗はたちまち埋まってしまいます。
このとき、新しく参入する人は、多くの場合、「これからこの立地で繁盛する業容」を踏まえた「店づくり」をもって登場することでしょう。それはたぶん「先代店舗」の店づくりと比べれば、より「今どきの顧客ニーズ」に適応した店づくりである可能性が高かったのではないか。
 とするなら、隆盛期の商店街にとって空店舗が発生することは、街の「買い物の場」としての機能を維持・拡充するための「誰も意図しない・新陳代謝」とも言うべき作用を伴っていたわけです。
商店街は、そこに立地する各個店の営業努力はもちろんのこと、それに加えるに事情があって廃業・空店舗化したところに新しい店舗が生まれる、ということもあって「買い物行き先」としての機能を維持してきたのです。

○空洞化と空店舗
 商店街が隆盛期を終え、停滞期に入ってくると空店舗が発生してもなかなか次の借り手が現れない、という状況が生まれてきます。
A:空店舗が発生してもすぐ次の借り手が現れる
B:空店舗が発生してもなかなか次の借り手が現れない
実はこの間に大きな事態の変化があるのです。

 先述したように、空店舗の発生は、個々のお店の店主の事情によります。オーナーの事情は様々です。
 一方、新規参入は、新規出店を目指す起業者の目論見に基づくものですが、こちらの方は、出店者に共通することがある。

 それは「この場所に出店すれば成功するだろう」という観測です。
商店街全盛時代、この観測は「立地の評価」で行われました。いうまでもなく当時の立地とは「店前通行量の多寡」でしたから、商店街の空店舗を出店先に先に選択するということは、「空店舗」があったからではなく、「立地が良かったから」ですね。なぜ、立地が良かったか?
 それは「店前通行量」ではなく、「買い物目的の来街者」がとおりにあふれていたからです。つまり、

①商店街が「買い物行き先」としての機能をしっかり作り上げており、
②それがお客に評価され機能が活用されている 
という状態において
③たまたま事情があって空店舗が発生した
という場合、「待ってました」と新規出店希望者が出てくるのは当たり前です。

 「この商店街に出店すれば儲かる」という観測があればこそ、都市において地価の最高額を占めている商店街にあえて新規投資を行う人が多かった。
もちろんこの人たちは、先代店舗の廃業理由も把握しています。廃業店舗の中には「武運つたなく」廃業のやむなきに至ったところも少なくなかったことでしょうが、新規出店者は「にもかかわらず自分の企画は成功する」という確信をもって参入してきました。

 このような新しい企画を持った参入者の登場は、商店街が「買い物行き先」としての機能を維持し、革新していく上で大いに力を発揮するものでした。新規参入者は商店街という商業機能の「革新者」だったのです。
もちろん、商店街の革新=買い物行き先としての機能の維持・拡充は、新規参入者だけの力で取り組まれたわけでありません。既存個店の自助努力による革新も大いに力を発揮したことは言うまでもありません。

 これが商店街全盛時代の空店舗事情でした。
同じ空店舗でも今どきとはどこがとどう違うのか?
すでにおわかりのことと思いますが、念のために確認しておきましょう。

○空店舗が埋まらない
 商店街の全盛期においても空店舗が発生することは、オーナーにとってはいざ知らず、商店街にとっては「新陳代謝」が促進されるという意味で悪いことではありませんでした。
 ところが何時の頃からか、新陳代謝を促進するはずの空店舗が埋まらなくなりました。空店舗を利用した新規出店が少なくなり、もっと少なくなり、だんだん空店舗が空いたままというところが多くなって来たのです。

 これは何を意味しているのか? 意味していることはハッキリしておりまして。
空店舗を利用して出店しようという人が少なくなった、ということです。どうして少なくなったのか?
出店しても出店目的を達成できる条件が揃っていない、と判断する人が多くなったからですね。ここは大事なところ。

 新規出店希望者は、出店するに当たって考えることは「ここに出店して目的を達成できるだろうか」ということ。
判断に当たっては「空店舗」よりも現在営業中のお店の業況を観察判断することになる。
繁盛しているかどうかは店舗内外のにぎわい程度で判断可能です。
賑わっていれば、「出店場所としてOK」と言うことになり、賑わっていなければNGということになる。と考えれば。

 空店舗が発生してなかなか埋まらないのは、空店舗周辺の既存店舗が賑わっていないと判断されるから(この場合、にぎわい=お客に支持され売り上げを確保している、ということ)。
賑わっていないということは、商業機能としての役割を果たしていないこと・他にもっと役割をきちんと果たす集積があることを意味しています。新しく出店し、これから顧客を作っていかなければならない新規出店の場所として賑わっていない場所にある空店舗が敬遠されるのは当然です。

○空店舗が空店舗のまま長く続くようになったら要注意。
 すでにおわかりのとおり、その商店街は「商業機能」としての魅力を失いつつあるということですからね。
すなわち、空店舗がなかなか埋まらない商店街は、まだお店の数はそれほど減っていなくても、買い物の場としての機能が空洞化し始めているのです。「空洞化」とは、見た目にはちゃんとしたしたお店、商店街だが中身(お客がわざわざ買い物に出かけてくる理由)が劣化している、機能しなくなっていることを意味します。
商店街の空洞化とは、お店は建ち並んでいるけれどもお客にとって「買い物行き先」として認知されていない、認知する人がだんだん減っているという状態から始まっているのです。
つまり、商店街としての役割を果たせなくなっている商店街、お店は軒を連ねているが「物販」という店内の機能は劣化し役に立だなくなっている商店街が「空洞化している商店街」なのです。
 このような状態が続けば、やがて営業不振その他の理由で廃業のやむなきに至るお店がさらに増え、新規出店はほとんどゼロ、空店舗がどんどん増えていく(これは加速度的)。

 ということで、空店舗があるから商店街が空洞化しているのではなくて、商店街の「買い物の場」として備えておくべき機能が空洞化しているから空店舗が埋まらなくなっている、というように考えなくてはならない。 このように考えれば。

 空店舗対策とは、さしあたりこれ以上空店舗を増やさないこと。
お間違いのないように。
出来てしまった空店舗に対策を講じるのではなく、営業中のお店の活性化に取り組むこと。これがほんとうの空店舗対策です。
 補助制度などを利用して「チャレンジショップ」などを開いてみてもうまくいかない理由が良く理解できたと思います。

○長くなりました。「空店舗の活用の仕方」については明日。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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