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『裕仁天皇の昭和史』

山本七平 祥伝社(non select)平成16年7月

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396500815/qid=1098610713/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/250-0306505-4815404

山本さんは、学徒兵の体験を原点に「日本」を徹底して分析したことで有名です。
イザヤ・ベンダサン著『日本人とユダヤ人』の訳者として世に出て以来、「日本の正体」に迫る数々の論考を発表しました。
その業績は『山本七平ライブラリィ』全16冊にまとめられています。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163646108/qid=1098610836/sr=1-6/ref=sr_1_10_6/250-0306505-4815404


本書は、ライブラリィ発刊以降に書かれたものです。
上記「ライブラリィ」では昭和天皇についての論考、論及がほとんど無く、ストラッグルが推測されるところでした。

山本さんが本書で明らかにした昭和天皇の足跡が教えるところは、これまでの現代史などで語られてきた定番的見解を一網打尽、戦前・戦後を貫く「日本」とはいったい何か、ということです。

軽佻浮薄とでも表現する他はないような政治家の言動に象徴される今日の状況において、「日本なるもの」をあらためて認識するために、この本が教えてくれるところはまことに多く、深いと思います。

ちなみに、戦前の版図拡大路線から戦後の経済成長路線、はては現下の「国益」吹聴まで、根底にある「日本」は微動だにしておりませんが、山本さん描くところの昭和天皇は、この趨勢に流れる事無く、君主としての権力を掣肘する大日本帝国憲法を奉じ、敢然として屹立していた希有な君主であった、ということです。
もちろん、政治家、官僚、軍部の言動は憲法以下の法をないがしろにする「日本」そのものであり、そのスタイルは戦後もずうっと今日まで通底しているわけです。

こういう視点で「日本」を把握する試みはこれまで全くなかったと思います。
進路の混迷がさらに深まっているおりから、あらためてこのようなスパンで歴史を顧みることはとても意義があると思います。
今後連綿と読み継がれるべき書であることは間違いありません。
皆さんに是非ご一読をお薦めします。

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