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勉強会 ありがちな企画

「ありがち」とは言ってもどこにでもあるわけではありません。
「勉強好き」な商店街が集まっている当社周辺での話です。

商店街の勉強会のプロトタイプ
①繁盛店づくりに意欲的な有志が集まって勉強会をつくる
②「繁盛再生」を合い言葉に切磋琢磨する
というのは、最近はあまり聞かれないようですが、昔は多かったのです。
勉強の内容は、
③繁盛店についての情報を集める
④事例を調査する
というあたりから
⑤仲間の店を批評しあい、改善の手がかりにする
などが「繁盛店へのカギ」と期待されます。
takeoも何度か見聞しています。
たいてい、すぐに行き詰まり長続きしません。

最近は新しいスタイルがでてきました。
※新バージョン
①「商店街・個店、活性化への道」の講演会を開く
②「商人塾」に取り組む
という経験をしてから、「自主勉強会」を組織する というパターンです。
「自主」とは、「講師」を招聘しない勉強会、という意味です。
この場合、講師には「仲間内で一番理論を理解している人」が当たることになるようです。

新バージョンの効果はどうか?
下敷きになっているのは、当社の「活性化への道」「業容理論」「試行~評価法」などで、ホントにそのとおりに実行できればいいのですが、どっこい、そう簡単にはいきません。
これまで取り組んだところは、takeoの知る限り、ほとんど一年保たずに挫折しています。

 商人塾は、「三年間の継続」を提言、了承されてスタートするのですが、途中で予定していた行政の支援が得られなくなった(良くある話です)、お金が調達出来ないいう理由で「自主推進」になるわけです。

 取り組まれて自主推進の結果は厳しいものがありまして、ほとんど一年を経ずして有名無実の存在になってしまいます。
一般的な「商人塾」と同じ結末をたどる・・・。

自主勉強会を立ち上げようとする人たちは、
第一に。
理論は理解しやすく、取り組みやすく、結果も出た、ということで「すべてマスターした」と勘違いしてしています。30時間の勉強を「これで全部」と理解するのと「理論の入門編を分かりやすく組み立てる」のとでは雲泥の差がありますからね。講義には出てこない部分がたくさんあって講義が作られている、ということを理解しておかないと、実務とは無縁の薄っぺらい「知識の理解」のための勉強になってしまいます。

第二に、「勉強会」の基礎は「その気になる・させる」ということですが、そこがよく理解されていない。お互いに叱咤激励し合えば「やる気が起こる」というのは、取り組んだことのない人の早とちりです。

最後にもう一つ。
 商人塾の「仮説~試行」は、「従来の小売業経営」については理論的にも実践的にもしっかりマスターしている人が取り組む、「繁盛再生への道」です。このことを理解せず、お店の現状見てのとおり、という状況からスタートする場合、指導する人は「従来的小売商業経営」について、きちんと理解(反省的に)していることが絶対条件です。
なにしろ当サイトは、百貨店もSCも「従来的小売商業経営」ではお先真っ暗である、といってるわけですからね。

 従来の理論・技術の反省的理解プラス「繁盛店への道」をセットで装備していないと勉強会の指導者というポジションは務まりません。

 繁盛店づくりは、ひととおり取り組んで成果を挙げたのち「経営計画」が作れるようになった時が第一段階の修了ですからね。
一回目の商人塾では「経営計画」については「計画するな」という段階です。takeoは、「計画は不要」と言っているのではなく、“今の知識・技術では役に立つ計画は作れない、だから、とりあえず計画無しで「出来ることから」取り組んで成果を挙げていこう”と提案しているのです。

 第一回目の商人塾では、「活性化への道」の妥当性、“その気になってやれば出来る”を実感することが大切です。実感することで新しい「計画経営」に向かうエネルギーが生まれます。これが目的であり、「試行」してみた一、二の取り組みが成功したからと言って「理論・実践方法をマスターした」ことにはなりませんので、要注意。

 「自主的勉強」推進の行き着く先は「一店逸品」だと思います。だって、他に思いつくことがありませんからね。
あれほど「ダメだ」ということで認識を共有していた販促事業ですが、勉強の質的向上は得られない、他のことは考えつかないということで「一店逸品だ」となれば、その時点でそれまでの「商人塾」的成果はすべて吹っ飛びます。

 当社が「三(四)者体制」の構築を強く提唱するのは、それが「商人塾の維持・拡大」という活性化の命運を分かつ取り組みに不可欠だから、ということもあるわけです。

 もちろん、「自主的にやる」という人を止めるつもりはありませんが、自主勉強会の顛末について、takeo的にはこれまでの経験を踏まえて、以上のように考えていますので念のため。
どうしても自主開催だ、という人は上記についてあらかじめ対策を講じておかれることをおすすめする次第です。

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