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活性化のための事業はいろいろある

活性化のための事業についての考察      

商店街を活性化する方法はいろいろある、といわれる対症療法だが、対症療法がとしての効果が得られていないことは誰も否定出来ないところだろう。
対症療法は「原因」に合わせて選択しないと効果が得られない。
やみくもに弥縫しても結果OKとはならない。
積年の取組の教訓ですね。

 ここで検討するのは、全国の商店街でよく取り組まれている「活性化のための事業」の効果について。
取り上げている事業は、全国商店街振興組合連合会制作『元気な商店街』で紹介されている、各地の商店街で取り組まれた事業です。
 ■はハード事業●はソフト事業と呼ばれるものです。

 ご承知のとおり、組合の共同事業は、各個店が単独では取り組めない事業あるいは相当の規模がないと実施できない事業などに取り組むことで、「規模のメリット」を実現しようというものです。この点、ハード・ソフトとも目的は同じです。

 共同事業は、
①個店個々の力では実現できない「規模のメリット」や
②コストの賦課方式による共同での商店街の設備改善
などに取り組むことで、「買い物の場」としての条件をいっそう充実させることを目的に取り組まれます。

 近年、組合が取り組む共同事業の効果が薄らいできています。
一所懸命事業に取り組んでも、その一方で組合員の業績の低迷や、空店舗の増加など、街の「買い物の場」としての魅力は低下するばかりです。
 どうしてこういう事態が起こっているのでしょうか?

あらためて言うまでもなく、小売業とは「消費財(生活を作るために必要な材料)を、メーカー、問屋から仕入れて、最終消費者に販売する」することを事業機会にしています。
商店街には多くの小売店が軒を並べていますが、「小売業」という役割を本当に果たしているのは、個々のお店の「売場」であり、お客の商店街への来街の区的である「買い物」は、個店のシャッターの内側で行われる、ということです。

 現在、「商店街の空洞化」ということが指摘され、様々な「活性化策」が共同で取り組まれています。取り組まれてはいるものの、「取り組んだ結果、街に繁盛店が増えてきた」という報告はほとんどありません。
○○事業をやり遂げた、ということは報じられても「その結果繁盛店が増えた」ということにはならない。
これはどうしたことでしょうか?

 このことが意味するのは、「共同で取り組む活性化事業では買い物の場=個店のシャッターの内側を充実させることはできない」ということです。共同事業は、「買い物の場」として充実している個店にとって、お客にアピールしたり、アクセスを整備したり、大変役に立つ力強い味方ですが、シャッターの内側が「買い物の場」として充実していない個店が多い商店街の場合、個店に変わって「魅力ある買い物の場」を作ることはできません。
 個店の買い物の場としての不具合を共同事業で補うことはできない、このことはしっかり理解しておきましょう。

  さて、これから紹介する数々の事業は、それぞれ、商店街に立地している多くの個店が、「買い物の場」として十分魅力を持っている」場合に、その魅力をお客にアピールする、あるいはその魅力をさらに補強巣する機能を付け加えることで、「買い物行き先」としての魅力をいっそう向上させる、補完するという役割・意味を持った事業ばかりです。

 しかし、「買い物の場」の評価は、なんと言っても実際の「買い物の場」である個店のシャッターの内側で決まります。「買い物の場」が「お客様からみて「私の買い物行き先にぴったり」と評価されるように作られていてはじめて「買い物の場をアピールする」「買い物にプラスアルファを付加する」ための共同事業が効果を発揮します。
「買い物の場」を充実させる、という取り組みを「個店のことは店主の責任だ」ということで放置したまま、来街訴求や販売促進のための共同事業に取り組んでも「業績の向上」という結果に結びつかないのは当然です。

 ここで、検討する様々の事業に取り組んだ全国の各地の商店街、果たしてその成果は「個店の業績向上」=「お客の買い物行き先としての評価の向上」につながっているでしょうか?
各事業主体は個店レベルでの本格的な「店づくり」「買い物の場づくり」に取り組みながら、これらの事業はに取り組んで来たのでしょうか?
 残念ながら、報告されている限りでは「店づくりの充実」や「店づくりの転換」について、商店街ぐるみでとり組んでいる、という事例は一個所も紹介されておりません。

「買い物の場」づくりに取り組まないまま、これらの共同事業に取り組んだとして果たして「買い物の場」としての商店街の再生、繁盛店が軒を連ねる町並みの再現が出来るでしょうか?

それでは検討してみましょう。
 
①歩道・駐車場の整備
■人間優先の街路整備(歩道整備)・歩ける町づくり
■車対応商店街・車と共存・駐車場整備・駐車場サービス
■バリアフリー
 歩きやすく、通過車両をシャットアウトした商店街、あるいは、車での買い物に便利な駐車場が整備された商店街、確かに買い物行き先の条件としては必要です。
しかし、いくら便利になってもそこに「買い物行き先」として満足できるお店が揃っていなかったら、わざわざ出かける理由が理由がありません。
「買い物行き先」として評価されるお店がないと、歩きやすい街路も使いやすい駐車場も役にたちません。お客が買い物に来るのは「買い上げて持ち帰り、生活のなかで使いたい商品」が目当てです。歩きやすさも車の止めやすさも「買い物目的」の代わりにはなりません。

②商店街の景観整備・アーケード
■大型マルチビジョン・オゾン発生・遠赤外線装置
■特徴のあるアーケード(高層・フラッグ・ギャラリー星空)・アーケード改修・新設
■パティオ事業・ドーム広場設置
■シンボル(象徴的なデザイン・人形・街路灯・モニュメント)
■景観整備(江戸時代の宿場町)(大正ロマン)(昭和の町)
■看板やファサードのの統一
美しい街並み、外国風の街並み、歴史的な街並みなどを作り、普段の生活とは違う環境・景観を演出する、ユニークなデザインのモニュメントや街路灯が立ち並ぶ商店街の景観作り。
マスコミに取り上げられ、視察団も来ますが、肝心の「買い物目的のお客」は来てくれません。
個店内部の改革=「買い物の場」づくりが取り組まれていないからです。

③施設整備
■コミュニティ施設・スポーツ施設・イベントホール・体験型施設
 人々の交流やスポーツを目的にした施設、すなわち「非物販集客施設」を開設することで「来街者」「店前通行量」を増やそうという企画です。
確かにその分、来街者が増えることでしょう。しかし、増えた来街者の来街目的は、「買い物」ではありません。買い物以外の目的で街にやってきた人を「買い物の客」にするほど魅力のある「買い物の場」が街の中に作られていますか? 買い物目的のお客を集め、繁盛しているお店だけが買い物以外の目的で来街したお客を買い物客に「変身」させることができます。共同事業だけでは「買い物客への変身」は起こりません。

④交通機関整備
■循環バス・ループバス・コミュニティバス
 公共交通機関などの再整備で中心市街地へのアクセスをよくすることは、長い目で見た場合、大切な課題です。しかし、人はいくらアクセスがよくなったからといってわざわざ出かける目的の無いところへ出かけることはありません。商店街活性化という事業目的にとって「交通機関の整備」が効果を発揮するのは、商店街に「わざわざ買い物のために出かける価値のある」お店が揃っている、ということが必要ですね。
交通アクセスの整備に取り組む商店街は、事業と平行して来街目的になる「買い物の場」づくり、個店の改革に取り組んでいるでしょうか?

⑤無店舗販売
●バーチャル商店街(インターネットモール)・カタログ販売
インターネットのモールやカタログ通販市場には溢れるほどの商品があり、それぞれ標的顧客のニーズにぴったりの品揃え、なサービスを提供しています。情報が氾濫する無店舗市場でお客とマッチングできる品揃え・提供方法を工夫できますか?

⑥情報発信、広告
●タウン誌発行・インターネット(ホームページなど)で情報発信
 個店や街の情報、地域の話題などを提供することは、しっかりした「店づくり」に取り組んでいるお店、商店街にとって大切な販促手段です。
しかし、「買い物の場」が充実していない商店街の場合、いくら「容器」としての情報媒体を手に入れても、お客からみて「魅力ある買い物情報」「生活情報」を提供することが難しいと思います。
インターネットでホームページにアクセスしたお客がわざわざ来街するのは、もちろん、そこでアピールされている商品やサービスを入手するためですが、そういう行動をそそる情報を提供していますか?
 そのためにはもちろん、「買い物の場」がきちんとk作られていることが大前提です。

⑦お祭り・イベント
●朝市・観光名物・地域の名産品&お祭りイベント
●毎月のリレーイベント
●土曜夜市・ナイトバザール
 イベントまたは売り出しの取り組みです。
魅力のあるイベントを企画すれば、イベントを楽しむために大勢の人が街にやってきます。「店前通行量」は増えることでしょう。しかし、この通行客は「買い物客」ではありません。イベントを楽しむことを目的に街にやってきた人たちを「買い物客」に変える、あるいは、「買い物の場」をウインドショッピングしてもらい、次の機会には「買い物目的」で来街してもらう、という「仕掛け」が無いと、この人たちが①個店に入ってくる ②買い物客になる ということはありません。朝市には朝市の、名産品には名産品の「買い物目的」があります。それらを買うために来街したお客を街の各個店のお客にするためには各個店の努力が必要です。
その仕掛けづくりは取り組んでいますか?
仕掛けがなければ入店客、買い物客になることなどありませんね。

⑧サービス
●買い物代行・宅配サービス・おつかいタクシー
 高齢化社会、このようなサービスを提供するのは大変すばらしいことですね。しかし、せっかくサービス制度を作っても、肝心の「ほしい商品・買いたい商品」が「買いやすい条件」で提供されていなかったとしたら、それらのサービスを利用して、買い物する、という行動は起きません。
個店では「出かけてみたくなる」・「買い物したくなる」「売場づくり」「品揃え」ができていますか?
 こういうサービスが喜ばれるのは、「サービスが無くても買い物に行きたい」お店が取り組んだときだけ、だということをしっかり覚えておきましょう。
お客にとっ大事なことは、「商品が配達される」ことではなく「自分が納得できる商品が納得できる方法で手に入ること」ですから、商品としてのニーズとのミスマッチを配達などのサービスでカバーすることはできません。

⑨街の美化
●きれいな街(清掃・花・イルミネーション)
  美しい街並み歩くことは、楽しいものです。でも歩いてもらうだけでいいのでしょうか?商店街の美化は、やはり「ショッピング」につながらないことには目的である街の活性化を実現することはできません。きれいなだけの通りでは散歩以外に来る目的がありません。次第にあきられてしまい元の木阿弥になっていくことでしょう。美化を維持する意欲も続かなくなりそうです。美化は大切なことですが、やはり、「ショッピング」という商店街の存在理由をまず再生することが先決です。
街の美化は、個店の改革と平行して取り組まないと効果が生まれず、長続きさせられません。

⑩ポイント・カード事業
●多機能カード・広域カード
●ポイントサービス・スタンプ事業
●空き缶回収機
  ショッピングセンターから旅行までポイントカードシステムがあふれている今日、『ポイントが付くから』という理由で、買い物に来てくれる人はいません。肝心の「買い物目的」が達成され、満足して初めてプラスアルファである「ポイント」の価値が生まれます。「買い物」に関する魅力が不足しているとき、ポイントのサービスでそれを補うことは出来ません。

⑪連携事業・イベント
●街の駅・観光案内・商店街の拠点づくり
●外国の町との連携
●大型店との協力体制
●コミュニティ(コミュニケーション・ふれあい)意識・イベント
●大学生サポーター・若手メンバー主体事業・イベント
新しい視点や連携による、イベントや取り組みを行うことは必要なことですが、そのとき、お店の内側はどうなっているでしょうか?
外部との連携や支援が得られることでみなさんのお店にどんなメリットがありますか? メリットを受けるために個店の内側でどういう取り組みをしていますか?
個店の取り組みなしで外部との連携や支援に依存しようというのはあまりにも虫のいい考え方であり、せっかく強力してくれる外部の人たちの努力が無になりかねません。
それでは「申し訳ない」ですよね。

⑫商品開発
●一店逸品・商店街オリジナル商品
お店は「品揃え」が回転して初めて「繁盛店」になれます。逸品やオリジナルなどの特殊な商品が売れるだけで全体の「品揃え」は売れないままでは、繁盛店になることはできません。
逸品の訴求で来店したお客に「品揃え」をアピールし、「買い上げ」を実現する仕組みができているお店だけが「一店逸品」という販売手法を使うことができます。つまり「一店逸品」は「繁盛店の販促ノウハウ」ではあっても繁盛していないお店が目指す「繁盛店づくり」の方法ではないのです。
 こことは大切なことですから、【サイト内検索】を利用してしっかり勉強してください。

⑬空店舗対策
●空店舗イベント・空店舗データベース・出店コーディネート
●チャレンジストア・チャレンジショップ事業
現在空店舗の場所へ出店することは生やさしいことではありません。
なぜ空店舗になったのですか? その理由が明らかになっており、対処する方法がわかっている場合は、空き店舗を利用して繁盛店を作ることができますが、「家賃の補助が受けられるから」といった安易な方法での出店は必ず失敗します。商店街には家賃ゼロで経営が厳しいお店がいくらでもある、という状況を考えればすぐわかることです。
 もちろん、商店街にはチャレンジショップや空店舗への出店者を支援する力はありませんし、もし出店に成功するチャレンジャーがいたとしてもその成功を街全体の活性化に活用していく「タウンマネジメント」能力がありません。商店街がまず取り組まなければならない「空き店舗対策」は、「これ以上空き店舗を増やさない」ということでは無いでしょうか?

⑭運  営
●第3セクター「まちづくり会社」・コミュニティFM・
  商店街を株式会社に
  株式会社や第3セクターを作ったとして、その任務は何でしょうか?
商店街を「運営」する? 国は、TMOの仕事を「中心市街地の商業集積をまとめて一個のショッピングモールとして整備する」、「TMOの任務は商店街群を一個のショッピングモールへ再構築すること」と示していますが、ご存じでしたか?
TMOを中心とする商店街活性化を推進する体制では、その目的を商店街を「買い物の場として再構築する」という本当の仕事に取り組んでいくという合意は出来ていますか?

⑮会議・勉強会
●早朝討議(毎週2回)
●「タウン・ロイヤリティ」の確立(商店街に対する信頼を確立)
●イメージアップ戦略
会議は開催することが目的ではありません。大事なことは会議の目的であり、商店街の会議はもちろん、「活性化=繁盛する個店が軒を連ねる商店街の再生」です。
商店街の再生という目的を達成するための事業計画が立てられる、事業に取り組むために必要な意志決定・情報交換のために会議を開く、というのは大事なことですが、従来通りの事業に取り組むための会議なら従来通りの結果しか起こりません。

「タウンロイヤリティ」とは「地域の消費者に街を買い物の場として愛顧して
いただくこと」ですが、お客にそう評価してもらうためにはまず商店街のが地域にふさわしい「買い物の場」として生まれ変わらなければならない。
この仕事を抜きにしたままで「タウンロイヤリティ」などとは片腹痛い。
「イメージアップ」も同様で、商店街に対するイメージは、「買い物体験」から生み出されるものですから、「買い物の場」としてOKだ、というイメージを持ってもらうには、イメージづくりよりも実体づくりが優先します。
先にも書いたように、街が「きれいな町並み」など景観的なイメージアップを実現してもそれが買い物につながることはありません。

早朝討議は何のため何を討議をしますか?
商店街に対する信頼とはなんですか?
商店街がお客様に持っていただきたいイメージとはなんですか?
こういうことをホントに考えるなら(考えなくてはいけませんが)、まずは「勉強」をすることが必要です。
そう言えば、「日本全国の元気な商店街」のみなさん、活性化推進に必要な「勉強」に取り組んでいるところは皆無のようですね。
勉強せずに共同事業の成果を「個店の繁盛」として享受することができますか?

 ということで、結論としては。
こういう事業に「個店の繁盛店づくり」と連動する仕掛けを欠いたままいくら取り組んでも成果を上げることはできない、ということはしっかり理解されたことと思います。
これらの事業を活かすためには「個店」レベルの「買い物の場」としての「店づくり」が先行することが必要なのです。

 クオールエイドは「商店街活性化」について、
商店街の機能=「買い物の場」としての機能を再生することであると定義しています。(c001・c002)

  さまざまに取り組まれている共同事業の目的は、『個店・商店街の活性化=繁盛の実現』です。実現するためには、「買い物の場としてお客に愛顧されているという状態を作り出すことが必要です。
「元気な商店街」とは多くのお客に「買い物行き先」と評価され繁盛している個店が軒を連ねている商店街のことでは無いでしょうか。
共同事業が評価されるのは、「事業に取り組んだ」ということによってではなく、共同事業に取り組んだ結果、「お客の買い物の場としての評価が高くなった」、「お店を回遊する人が増えた」、結果的に売り上げ増への貢献によってです。

 このように考えれば、共同事業が効果を発揮するためには、共同事業に先立ってあるいは共同事業と平行して、個店の「買い物の場」としての店づくりのあり方がきちんと行われていることが前提になります。
お店が「買い物の場」としてお客に認められない状況では、共同事業の成果を享受することはできません。

 商店街の活性化には『買い物の場=個店の店づくりの転換』が必要であり、街を『買い物の場として魅力のある個店』軒を連ねる『ショッピングゾーン』として再構築することが本当の商店街の活性化であり、共同事業の最終目的であると私どもは考えます。

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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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