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ポストコロナの商店街活性化(メルマガ#20号)

ポストコロナの商店街活性化、御地の取組状況は如何でしょうか。

 商店街を取り巻く環境の変化は、商店街の力量、努力では如何ともしがたいもの、変化を的確に把握して適応する以外にありません。
当社目下 ポストコロナの商店街活性化、起死回生の方向と方法を鋭意執筆中ですが、今しばらく時間を要しますので、『場つなぎ』といっては語弊がありますが、最近当社が思い当たっていることなどをご披露します。

その一、これまでの商店街活性化に欠けていたもの
 大店法施行以来ほぼ半世紀にわたって取り組まれてきた商店街活性化、残念ながら未だに成功事例(*)が現れません。個別事業については成功、失敗と報道されますが、何をもって成功と言い、何を基準に失敗と断定するのか基準が無いまま風評が飛びかいます。

                    (*)商店街活性化の成功とは:広域生活圏で商業集積として持続可能なポジションを発見し、                         そのポジションへの移行を成功裡に推進している。持続可能性=商業集積としての競争                          力、再投資力。
                     この意味で成功している事例は極めて少ないと思います。

〇商店街はなぜ活性化出来ないのか?

 原因はいろいろ考えられますが、中でも重視しなければならないのが、取組主体である商店街の状況です。きちんと出来ていないと、適切な取組を計画―実施することが出来ません。活性化出来ない原因の一つである取組の内部に迫ってみたいと思います。

〇ほとんど気づかれていない活性化の三大欠落
「活性化出来ない」取組内部の理由は、次の三つです。
①活性化とは街がどうなることか定義していない
②状況分析、計画的取組を導く商業理論を持たない
③個店売場の陳腐化に無関心

 活性化の定義、商業理論、店舗運営技術は、どれが欠けても商店街活性化を実現出来ません。活性化成功への『三点セット』です。三点セットはそれぞれ密接に関連しているので、一個でも欠落に気づけば芋づる方式で三つとも見えくるはずなのですが、これまで指摘されことはありません。活性化の必須要件「三点セット」ががそろって欠落している状態を以下「三欠」と表現します。

 「三欠」の原因としては、活性化を指導する役割を背負っている学識経験者が「三欠」を指摘出来ない、ということもありました。
なぜ指摘出来無かったか?

商学界の理論構築の現状:基礎理論構築されていません。

柏木信一 『日本の商学・商学部のアイデンティティ・クライシス : 「商学原論」確立の必要性』
修道商学

 「商学原論」が構築されていなければ、商業の実態を把握分析する段階の理論も未構築です。セブンとイオンの区別を理論的に説明出来ない、小売業界の現状、商店街活性化を取り巻く競争環境を説明出来ない、という状況にあるわけです。

それはともかく。
これが商店街活性化が活性化出来ない内部要因「三欠」の実状です。
どう対応すべきか?
 言うまでも無く商店街の現状は「厳しい」の一語です。
長期低落傾向の中で施行された消費増税による業績急落、回復する間もなく襲来したコロナ災禍でほとんど展望が描けない状況に陥っています。
今さら「三欠」を克服するため勉強しましょう、という余裕は無い。
今すぐ増収増益の道を切り開かなければならない。

 この状況に即効性を発揮し、かつ将来にわたって持続可能な商店街の商業集積としての再構築を可能にする方向と方法が求められています。
その前に、『三欠状態』で取り組んで来た活性化事業を振り返っておきたいと思います。

その二 商店街の活性化事業の実体は?

(1)消費増税対策
  一年前から予告されていた消費増税でしたが、増税が商店街に及ぼす影響を予測して、対策を講じた商店街があったでしょうか?
当社は、一年前から影響を『買い控え/店離れ』の急激な進展で2桁の業績低落に見舞われると予測、対応策を提案しましたが、ほとんど無視状態でした。
施行されたら軽減税率その他の施策の効果がありながらも予想通り軒並み業績は落ち込みました。では、増税の影響があきらかになった施行後の取組はどうか?
ほとんど対策は講じない・・・

〇商店街はなぜ消費増税に対応出来なかったか?

 過去の増税時期にも確実に落ちこみを経験し、さらに今回は長期業績低迷の最中での増税ですから増税率は低くても「買い控え・店離れ」が大きくなることは容易に予想されたのに、どうして対応しないかと不思議でしたが、考えてみれば、『大店法』当時から環境変化に対応する事業に取り組む、ということはほとんどありませんでした。

 そんなことは無い、ソフト、ハード多種多様な事業に取り組んできたし、今も取り組んでいる、と反論があると思います、それは確かにその通りですが、取り組まれている通行量や空店舗対策、街区整備事業等は環境変化への対応では無くて、環境変化に対応しなかったために起きていることに対する「対症療法」です。今取り組まれている事業の内容で、「活性化が必要な状態」から脱出することは出来ません。
現在取り組まれているのは、環境の変化に適切に対応しなかった結果起きていることを環境の変化そのもの、対応すれば活性化出来る問題と錯覚して取り組んでいるだけでした。
これまでの取組を振り返ってみましょう。

(2)商店街の環境適応事業
 1974年、大店法と中小小売商業振興法が同時施行されて以来、全国の商店街を襲った主な環境の変化は周知のとおり、
 ①大型店の出店(多数)、
 ②百貨店・大型店の退出(多数)
 ③消費増税(4回)、
 ④ポストコロナ(現在
多種多様の変化が押し寄せてきました。

 しかし、商店街はこれらの変化に対してその内容をきちんと把握し適切な対策を講じたことはほとんどありません。
活性化事業として取り組まれている多くの事業は、専ら街区の整備や販売促進事業であり、環境変化に対応して持続可能性を維持、拡充するという性格の取組ではありませんでした。環境変化の結果、起きたことに対策を講じても変化への対応にはなりません。
結局、環境変化に対応しているつもりで通行量や空店舗対策に取り組んでも、それは環境変化の結果として起こっていることへの対症療法ですから、環境変化へのあるべき対応にはならない、ということですね。その結果、「活性化策」に取組ながら状況は好転すること無く、衰退趨勢が続いているわけです。

(3)ポストコロナという世界
 これまでは、対応策を取らないまま、じりじりと衰退趨勢を辿ってきましたが、ポストコロナ(コロナ襲来以後)はこれまでのような『慢性的趨勢』ではありません。従来のような対応ならざる対応に終始するならば、復旧のめどが立つどころか、廃業に追い込まれる個店はこれまでの環境変化とは比較にならない数に上がることが確実です。
適切に対応して趨勢を転換しない限り、衰退趨勢は時間が経つにつれて衰えるどころか、勢いを増すばかり、商業集積としての持続可能性は急速に消滅に向かいます。

 ここははなんとしても「起死回生」の対応策、これまで一度も取り組んだことの無い環境激変への対策にまなじりを決して立ち上がらなければならない。
結論だけ言っておきますと「中小小売商業の競争力の根幹」である業種揃え・店揃えの最適化に取り組まなければならない。その取組の目的は、消費購買行動の標的となる特性を十分備えた「売場揃え・品揃えの最適化」を実現することです。

 ポストコロナはこれまでのような『弥縫策・対症療法』眼に見える問題に反射的に取り組む事業では対応出来ません。しっかり対応しないと商店街が仕舞た屋通りに、中心市街地が仕舞た屋街区になってしまいます。ポストコロナの世界では元に戻すことは出来ません。文字通りの正念場です。

 さて、活性化の目的は衰退趨勢に陥っている商店街の持続可能性の再構築であることはすでに検討してきたとおりです。
再構築するのは商業集積としての競争力、再投資力、すなわち増収増益可能性も構築です。
 中心市街地活性化法は、商業街区活性化の方向と方法としして「当該市街地に立地する商店街等を一個のショッピングモールに見立てて再構築する」ことを提唱しています。
ショッピングモールとは何か、どうすれば構築できるのか?
明らかにして実現への道を組み立てるのが『中心市街地活性化基本計画』の任務でしたが、「変化の対応」では無く「変化の結果蒙っている状況」への対応=対症療法中心の計画になっていることは既に理解されていることと思います。
『ショッピングモールとしての再構築』は次号のタイトルですが、ここで最近登場した画期的な潜在力を秘めた挑戦を紹介、検討します。

その三、『立川市の挑戦』

 立川市は先日。ネット上に『立川エール百貨店』という企画を立ち上げられました。
街全体を百貨店に見立て個店を応援する、という趣旨とのことです。
立川経済新聞の記事です。
『立川エール百貨店』
 商店街を『横の百貨店』に見立ててマネジメントしていく・・。
これは「中活法』のスキーム:「中心市街地・商業街区を一個のショッピングモールに見立てて再構築する」というコンセプトを商店街に援用した取組です。
『中活法』のコンセプト「中心市街地全体をモールに」に再転換すると
『中心市街地の商業集積群を一個のコンセプトのもとでショッピングモールに移行する」
ということです。
立川市の場合ですと、既存の百貨店(伊勢丹、高島屋)が核、「横の百貨店・エール百貨店」がモール部分ということになります。
課題は、個店群の売場を「横の百貨店を構成する売場」=「モールを構成する売場群」 にふさわしく変容していくことができるかどうか。

 取組は画期的な可能性を秘めていますが現在はバーチャル段階、これをリアルの都心型ショッピングモールとして構築出来るかどうか、タウンマネジメント力が問われます。
言うまでも無く、百貨店業態は斜陽化著しく趨勢は厳しい、「エール百貨店」は既存の百貨店の陳腐化―劣化趨勢をしっかり確認、新しい「横の百貨店」を目指していただきたい。

重ねて強調しておきましょう。
『中心市街地活性化法』による都市中心部の活性化とは何のことか、ようやっとモデルとなる可能性を持った取組が出現した、ということです。
もちろん課題はあって、皆さんご承知の通り『既存個店群の業容の転換』ですね。参加する個店群は、「売れる売場づくり」が条件、売れる売場=中心部で成立する売場、これが『エール百貨店』の内容、売場ミックスにならないと絵に描いた餅に終わります。
この点立川市には別途「魅力ある店づくり」を推進する事業が取り組まれており、内容を再編して連動すればリアル化が加速します。

 既存の百貨店も安泰ではありません。
既に多くの都市で退却が相次いでおり、「斜陽業態」と見なすことも出来る場供養です。
これを活性化出来るかどうかは、百貨店が立地している中心市街地にとって極めて重要な課題です。中心市街地のタウンマネジメントでは、既存の百貨店、大型商業施設群の持続可能性の維持・再構築も重要な戦略課題です。中心市街地・商業街区の競争力の根幹は、業種業態を越えた売場揃えの最適化、であることは言うまでもありません。
これを実現するのが「ショッピングモールに見立てた再構築」、都心型ショッピングモールのあるべき業容、実現(移行)の方法については次号でご披露します。

 なお、百貨店が既に退出している中心市街地の活性化の方向も同じです。
百貨店の有無は中心市街地・商業街区の再構築の可能性と直接の関係はありません。


緊急ご連絡

 こうしている間も商店街の個店の窮状は進むばかり、いつなんどきどの店が『閉店挨拶』の張り紙が出るか分からない、という状況です。

 対応するには、一日も早く「ポストコロナで売れる売場」を実現する簡単な方法があることを周知することでは無いでしょうか。

 消費増税対応で「売れる売場づくり』」取り組んだお店は、増税、コロナと連続した激変に悠々と対応、現在も増収増益、競争力・再投資力の根源である『売れる売場』の持続発展に邁進しています。
「売れる売場づくり」は、業種業態、経験不問、誰でも取り組め、即効性がある、ポストコロナの緊急事態に対応する個店―商店街にとって最適の取組です。

 消費増税・コロナ襲来、ポストコロナの個店の売場づくり―商店街活性化の方向と方法を具体的に提案しているのは当社だけ、選択肢は提供されていないので自分たちで構築しなければならない。ポストコロナの商店街活性化、不可逆的な環境変化への対応という基本課題を確立した取組以外は通用しない時代に入っています。

是非採用されることをおすすめします。

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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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