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商店街活性化、第一着手は「売れる売場」 づくり

商店街活性化、第一着手は「売れる売場」 づくり
商店街活性化の前提は【売れる売場】が揃っていること
揃っていないと活性化事業は効果を発揮出来ない

□消費増税と商店街の対応
消費増税は誰もが予想したとおり、家計のみなおし、消費購買行動の変化により「消費の縮減」、「買い控え・店ばなれ」が生じています。このまま推移すれば、地場中小小売店を中心に廃業が続出、商店街の商業集積としての持続可能性が急速に衰退することになりかねません。(第12号参照)
国は、消費縮減を防ぐために軽減税率、ポイント還元などの施策を講じていますが、長期低迷趨勢に陥っている個々の売場の業績を好転させる条件になりません。
既に廃業する店舗が現れており、このまま成り行きを座視するわけにはいきません。
 しかし、この状況に対応する方法を確立している自治体、商店街は極めて限られているようです。これまで取り組んできた活性化事業が個店の業績転換に役に立たないことが明らかな以上、個店売場で起こっている「買い控え・店ばなれ」に対応する手段として使える事業はありません。

1.商店街活性化の現状
 これまでの商店街活性化の取組には、大きな前提がありました。
「街に立地する個店の売場には問題は無い、問題があるのは来街者が減っていることなので来街者を増やせば商店街は活性化する」ということでした。
様々な活性化事業が取り組まれてきましたが、ほとんどの事業が「個店売場には問題が無い」ことを前提に企画されています。
集客イベント、空店舗活用、百円商店街、観光対応、まちゼミ等々。
そのほとんどが、街に(店前に)人さえ来てくれれば個店は繁盛する、という前提に立って企画されています。
しかし、取り組んだ結果はどうだったでしょうか。取り組んだ事業は成功してもその結果として個店の業績が改善されることは無かったと思います。

 近年、商店街の実態調査などの一環として行われるアンケート調査では「魅力的な店が少ない」ことが問題として報告されることが多くなっています。自分たちの街に魅力的な店が少ない、という自己認識が拡がっているわけです。これは大問題です。
「個店には問題は無い(魅力的な店が揃っている)」という前提で取り組まれている活性化事業ですが、実際はアンケート調査で自覚されているように「魅力的な店が少ない」。前提条件が間違っているので事業の成果が得られない、イベントでお客を集めても買物客になってもらえない、という結果に終わっています。
取組の前提の錯覚は、商店街レベルに止まりません。
「中心市街地活性化基本計画」に計画されている各種事業も「個店には問題が無い」ことが前提になっています。施策として「個店売場の改革改善」を計画している基本計画はほとんどありません。

 この錯覚は、商店街に重大な結果をもたらしています。
活性化事業の成果が得られない以上、個店は長期的な業績低迷趨勢に自店の力だけで対応しなければなりません。さらにこれまで経験したことの無い「不況下の消費増税」という課題が降りかかってきました。
商店街としては、消費増税に対応する施策を講じなければならないところ、ほとんど着手されていないことはご承知のとおりです。
その原因は、「個店売場には問題は無い」という前提と、他店の経営には口出ししない、という暗黙のルールの存在がありました。
しかし、消費増税は、そのようなこれまでの暗黙の了解を維持していたのでは商店街が消滅しかねない状況を生み出しつつあります。

□なぜこうなっているのか
 これまでの活性化では【活性化とは商店街がどうなることか?」定義されていませんでした。目標が定義されていないと、それを実現する方法(事業)を決めることが出来ません
これまでの活性化は目標を定義しないまま、慣行的に「活性化事業」とされる各種事業を繰り返すものでした。
 目標が明確に決定されていないと、それを実現するための筋道=ストーリーが描けません。ストーリーが無ければ、それを実現して行くために必要な事業群を計画し、要点に配置することが出来ません。即ち、計画を作ることが出来ません。
これまでの活性化関係の計画は、定義無し、ストーリー無し、単に慣行的活性化事業のメニューを記載したものでした。
ゴールとストーリーを欠く中で、自己目的化した活性化事業の繰り返し、これが従来の活性化事業の姿でした。


2.何をなすべきか?
 答えは単純明快、活性化とは商店街がどうなることかきちんと定義して、それを実現する条件を作り出す各種事業に取り組むこと。

(1)活性化の定義
  【商店街活性化】とは:繁盛店が軒を連ねる通りを実現すること。
   これまでの取り組みには【繁盛店=売れる売場の作り方】がありませんでした。
  イベントまどで来街した客をショッピング客に変身させるには【売場をどう変えれば  お客に支持されるか】という問題を解き、実践しなければなりません。
 【売れる売場】とは:客数✕客単価向上→増収増益が継続する売場。
   【売れる売場】は商店街活性化の基盤ですが、従来の取組=来街者増加→店前通行  量の増加では実現出来ません。
  「売場はどうあるべきか?」という原初の問題に立ち帰って取り組まなければならな  い。この問題をスルー出来る商店街は無いはずです。
   しかし、立地、業種、業歴等々多種多様な個店を「売れる売場」に転換していく方  法などあるわけが無い、あったとしても相当の投資が必要だろう、とても今の商店街  の現状で取り組めることでは無い、と感じられることと思います。
  ここで思考を停止しては今まで同じ、なにも変わりません。

(2)【売れる売場の作りかた】
  ①【売れる売場】には「商品とお客が出会う場所」として具備すべき条件がある。ま   ず、これを理解する。
  ②さらに【もの余り・店あまり時代】における「商店街立地の売場づくり」はその条   件をどう実現するか、考える。
  という二段階の【作り方】を考える作業があります。

  二つの作業をスルーして、一足飛びに「売れている売場」を表面的に真似ても成果は 得られない。【売場の理論】を用いて「売れている売場」を分析し、そこに活用されて いる「売れる売場のあり方」を理解することが必要です。

(3)常識を否定しよう
  これまでの「売場の常識」を信じていては新しい繁盛は実現出来ません。
 これまでの常識とは:
  ①個店には店主が決めたポリシーがあり売場はポリシーに基づいて作られている
  ②業種が違うと売場の作り方が違う。売れる売場の共通点などあり得ない。
  ③通行量が極端に少ないので、売場を変えてもお客は増えない
 等は、すべて間違いであり、否定しなければならない。

  ①について:ポリシーは間違っていなくても、それを表現する知識・技術を持たない        ので、売場は慣行的ノウハウの集合として作られている。
  ②について:業種を問わず売場には「商品とお客が出会う場所」として共通する「不        可欠の条件」がある。
  ③について:得意客の来店頻度✕買上点数が増加する。口コミなどで新規客増加。

(4)売場づくりに挑戦すると
   「売れる売場づくり」に挑戦すると、まず最初に起こる変化は、得意客・常連客の   売場に於ける行動が変化します。
 【滞在時間の延長】日頃は目的のアイテムを買うとすぐ帰っていたのが、
  ①売場を回遊する
  ②興味のある商品を発見する
  ③AIDCAプロセス発動
 という【ショッピングの楽しさ・堪能】の再確認です。
  この体験が「来店頻度の向上」につながります。既存顧客にとって「いつもの売場」 が「魅力ある売場」に変化する。この変化が新しいお客を呼び寄せる。
 既存顧客の評価が変化した売場が期待出来る新規来店客の諸相:
 ①得意客の口コミ
 ②通りすがり
 ③商店街の販促活動
 ④その他
 陳腐な様ですが、どれもこれまでの「売場づくり」のままでは実現出来なかった新規客 を実現する確実な方法です。


3.商店街活性化実現のストーリー  商店街を活性化するには、ゴールを決め、現在からスタートしてゴールに至るストー リーを描き、段階的に進んで行くことが必要です。
(1)【売れる売場づくり】への挑戦
  商店街から有志を募り、【モデル事業】として取り組む
  成果を実証し、取り組みを拡大する

(2)【売れる売場】があちこちに出現するとお客の回遊が始まる。
  これまで目立たなかった売場も目立つようになる。
  街が徐々にショッピングゾーンとして賑わってくる。

(3)イベントなど集客事業による来街訴求
  新規来街者の増大、回遊客の増加、増収増益の定着

(4)空地空店舗を利用した新規出店による街の【厚味】の構築
テナントミックスを実現するためのタウンマネジメント
  
 以上が、個店の売場づくりからはじめて商店街のショッピングゾーンとしての再構築までの基本ストーリーです。
単純素朴ですが、これまで【活性化のストーリー】が描かれたことは一度もありませんでした。ストーリーが無ければ「活性化の定義を実現する計画」は立てられません。
これまでの活性化関係の事業には「活性化を実現するストーリー」が描かれていない。
このストーリーは、必須課題として「売れる売場づくりの理論と技術」の修得を要求していることに注目しましょう。

【売れる売場づくり】からスタートする商店街活性化、必ず新しい展望が拓かれます。
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