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消費増税以降の商店街活性化

消費増税以降の商店街活性化
天動説から地動説へ、パラダイムを転換しよう

1.「消費増税対策」に取り組めない商店街活性化

 消費税率アップへの対応、国はいろいろな施策を講じていますが、商店街、個店はどうでしょうか。
税率アップの影響は、商圏内の商業集積全体に一律に生じるものではありません。それぞれの集積ごとの対応次第で影響は大きく変わります。その中でも特に〈買い控え・店離れ〉が著しく起こることが予測されているのが商店街とそこに立地する地場小売店です。本来なら、しっかり対策を講じなければならないところ、ほとんど対策らしい対策が取られていません。
国の施策、軽減税率、商品券、ポイント還元など〈消費購買意欲を低下させない〉施策は講じられていますが、特に商店街立地の中小個店を直撃する〈客離れ〉への対応はほとんど講じられていない。まずあらためて商店街、地場小売店から〈客離れ〉が生じる理由を確認したいと思います。

☆中小個店からの〈客離れ〉はなぜ起こるか

 消費増税をきっかけに 消費購買行動の見直し→行動最適化→最適売場の選択、が行われる結果、購買目的ごとの「最適売場の選択と集中」が起こります。これは単に〈価格選好〉だけではなく、本当に必要な買物か、本当に生活に必要な商品としての特性を備えているか、という総合的な見直しが行われ、最適と評価する買物行先を選びなおす、ということです。

その結果、最適性を実現・アピール出来ない売場では客離れ、客数・客単価の低下が起こります。
「最適性」をアピール出来ない地場中小小売・サービス業からの〈客離れ〉が発生することは、これまで増税のたびに経験してきたことですが、今回の危機はアップ率2%とこれまで最低ですが、その影響はこれまでの比ではありません。

広域商圏における集積間競争、通信販売の普及はこれまでの増税時期とは様変わり、特にディスカウント業態、ネット通販の展開は、「価格」に敏感な消費購買行動のあり方に大きく影響します。

「わざわざ出かけるに値する」来店目的、来店価値を提供出来ない売場からお客が退出、最適売場に集中する、というのが消費増税の直接の結果です。
その結果、消費増税対策に取り組んでいない商店街では何が起こるか?


2.消費増税がもたらす影響は?

消費増税で個店を直撃するのは、消費者の家計・消費購買行動の見直しによる「店離れ・買い控え」です。具体的な見直しというより【ムード】が怖い。なにしろ「もの余り・店あまり」という状況がバブル崩壊以前からずうっと続いているのですから、きっかけがあれば【店離れ・買い控え】はすぐ起こり得る。
一度発生するともとに戻ることはありません。

(1)【店離れ・買い控え】は具体的な経営にどう影響するでしょうか?
 ①新規一見客の減少
 ②常連客の来店頻度減と買上点数減
 つまり「売上=客数✕客単価」を構成する来店客数と買上単価の両者が揃ってダウン します。それに対する税率アップで納税額は増える可能性がある。、経営に対する影 響は甚大です。

 【国の対策は効果が期待出来るか?】
中小商業者向けポイント還元で新規の顧客が増えることは期待出来ません。
得意客のうちキャッシュレスに移行した人の店離れを防止するみは効果がありますが、衰退趨勢を好転させることは出来ません。

 どう対応すべきか?
  この状況に商店街はどう対応しようとしているのか?
 単位商店街、都市単位の連合会、都道府県連合会、全振連。
どうも消費増税対応は個店レベルの問題、組織には関係が無い、という態度のところが多いのでは無いか?
これは二つの理由でとんでもないことです。

第一に、個店の景況が悪化すれば廃業する組合員が出ます。空店舗の増加と組合組織の弱体化。

第二に、組合の存在理由の危機。
組合は、中小小売商業者が自力では対応出来ない問題に協同で対応する、自助努力を結合して問題の解決に当たる相互扶助、共存共栄を目的としています。

事業内容は、共同販促や街区施設の整備などが主ですが、実は経営環境の変化に対応するために必要な知識・技術を普及させるという重要な任務がある。
個店の経営技術の向上は、個店の仕事だが個店で計画的に取り組むことは難しい。一方、組合としては個店売場が【売れる売場】の水準に揃っていないと共同事業の成果を街区内に蓄積することが出来ない。

直面している消費増税対策、これは売上の確保が必要な個店レベルの課題であると同時に、上記二つの理由から商店街か組織が喫緊に取り組まなければならない課題でもあるのですが、そのことが理解されていない。
理解はされているかも知れないが、行動に移されていない。

消費増税、商店街組織としての対応はほとんど取り組まれないまま、施行を迎えることになりますが、眼に見える影響が起きたら、それから対策に取り組むことになりますか。
それとも、増税施行後も手を拱いていることになるのか。

ところによっては組合脱退者が相次ぐ、という事態が起こるかも。
消費増税は商店街組織の存在意義が問われる契機になります。

(2)なぜ対策に取り組めないのか?

 商店街組織は加盟店が厳しい状況に陥ることを知りながら、なぜ消費税対策に取り組めないのか?
消費増税という喫緊の課題に取り組めない商店街が、商店街活性化=商業集積としての持続可能性の維持・再構築というより上位の事業に取り組み成功することは可能でしょうか?

増税対策を取り組まなければ商店街の空洞化スパイラルはさらに加速、最後には再構築不可能なレベルに落ち込んでいく可能性も否定できません。
対抗策を講じないまま迎える消費増税の施行、施行後の状況を確認してからやおら取組をスタートすることが可能でしょうか。
スタートできるとしてどのような事業に取り組むべきか、アイデアがありますか?

半世紀にわたって活性化に取り組んできたにもかかわらず、現前する消費増税に適切な手を打つことが出来ない。これは何を意味するのでしょうか?
我々は、これまでの天動説的活性化の方向と方法(パラダイム)は目的を達成することが出来ないと判断していますが、あなたはどう思われるでしょうか?



3.商店街活性化、疑似パラダイムの蹉跌
パラダイムとは:
〈準拠体系〉すなわち、物事を理解し、説明する知識体系のことです。
人間は様々のパラダイムをつかって環境を理解し、問題を発見し、解決しています。
天動説、地動説はそれぞれ地球と他の天体との関係についての考えかたの基本です。


 商店街活性化はどのような見方・考え方に基づいて取り組まれているでしょうか。
既にご承知の通り、大学の商学、商学部には商業を理解する上で基本となる「商業原論(基礎、一般論)」が存在せず、これに基づいて体系的に展開される「商業理論」もあだ作られていません。学界では周知の課題となっています。
学識経験者として登場される商学系の先生、研究者が商店街活性化の方向と方法について十分な指導助言が出来ないのは「商業理論」を装備されていないからです。
したがって、「商店街活性化」の現場は商業者の経験から生み出された「ものの見方・考えかた」を基本に計画―実践が行われています。

(1)商店街活性化の「ものの見方・考え方」
   これまでの商店街活性化を導いている「ものの見方、考え方」はどのようなもの  でしょうか? よくあるのは、
 ①小売業は立地商売、通行量の追いところがよい立地
 ②業績は店前通行量に規定される
 ③立地条件(アーケード、カラー舗装)を改善すると業績が好転する
 ④売れなくなったら販促を打つ
  等々。商店街の全盛時代、「商店街のライバルは隣接する商店街、郊外の商業集積  は影も形もない」という頃の経験に基づくノウハウです。
 これらの経験的知識は、ショッピングセンター登場後の競争環境に対応する取組  の基礎には適しません。詳しく見てみましょう。

(2)商店街活性化の疑似パラダイム
   体系的な知識ではありませんが、商店街で受け継がれてきたノウハウです。これ  ら商店街活性化の基礎となっている考えかたを「商店街活性化の疑似パラダイム」  と呼ぶことにします。
   大型量販店登場〈以前〉、商店街間競争が主要な競争だった当時の経験則がその  まま使われています。つまりこれが「商店街版:天動説」のパラダイムです。
   この経験則に基づいて「商店街活性化事業」が企画され取り組まれています。
  ①集客イベント
  ②空店舗活用
  ③アーケード カラー舗装 電線地中化
  ④集客施設整備
  ⑤商店街活性化三種の神器(まちゼミ、一店逸品、100円商店街)
  等々、〈商店街活性化事業〉として取り組まれている事業は、商店街のかっての経  験、商店街間競争華やかなりしころの成功体験に基づくものです。
   これらの事業は、商店街の商業集積としての再構築にとって重要な事業ですが、  目的を果たすためには上位目的である「商業集積としての再構築」がハッキリ掲げ  られ、その下位事業として組み立てられていることが必要です。現在取り組まれて  いる様に単純に個々の事業に取り組めば効果が得られるというものではありません。
   繰り返しますが、現在取り組まれている活性化事業群に単発的に取り組むのは、  かって商店街間競争に効果があった、という以外に根拠はありません。
  「今現在、各地の商店街で取り組まれて集積間競争に効果を上げている事業」では  ありません。したがって、漠然とした・定義されない商店街活性化事業としては通  用しますが、しっかり対応しなければ効果が得られない課題、「消費増税対策」と  なると手も足も出ないのは当然です。
   現在の活性化事業は、「商店街活性化」が明確に定義されていないから活性化事  業として通用しているもの、きちんと定義すると活性化を実現する方向と方法とし  て不十分なことが確認されます。

(3)「中心市街地家政科基本計画」と「商店街活性化パラダイム」
   中心市街地活性化基本計画は、商店街活性化のパラダイムに基づいて計画しなけ  ればならない性格の計画ですが、パラダイムが不在のため『中活法』のスキームで  示されている上位目的=商業集積としての持続可能性の維持または再構築を実現す  るという使命を持たない計画になってしまいました。
   中活法のスキームでは中心市街地活性化とは、
  ①都市の旧中市街地の商業街区を
  ②一個のショッピングモールに見立てて再構築する
  という事業が中核になるはずでした。(これがタウンマネジメント)
   しかし、パラダイムを装備していなかった関係者が作った計画は、集積としての  再構築という目的を実現するための事業体系を組み立てられず、昔ながらの〈活性  化事業〉群の取組に終始しています。

(4)商店街活性化を阻むパラダイムの不備
   商店街活性化のパラダイムを構築する、という課題は未だ取り組まれていません。
  このことについて、弊社はパラダイムの不在は極めて重要な問題であること、その  構築が喫緊の課題であることに注意を喚起、いずれ改善されるだろうと期待しなが  ら、あるべき取組を提案してきました。
   しかし、消費増税にまったく対応出来ない現状を見るとき、もはや関係各方面が  これまでの取組の迷走をパラダイムの不備の結果だ、というレベルで自覚されるこ  とは待っている時間は無い、と判断しました。今後は「パラダイムの転換」を再優  先で提唱していきたいと思います。

   天動説(立地改善・通行量増大)から地動説(売場づくり)への転換は、再優先  で取り組まなければならない喫緊の課題、これを実現しない限り、消費増税以降の  商店街活性化は成立しません。
  立地条件の改善から来店・来街目的の拡充へ、取組の在り方を根本的に転換しなけ  ればならない。

   消費増税に効果的に対応する、という課題への取組を放置すれば商店街の衰退は  一挙に加速するでしょう。既に始まっている衰退への加速という状況を逆手にとっ  て「地動説へのパラダイムの転換」を実現することが求められています。
  他に選択肢はありません。


4.消費税増税対応から再スタートする商店街活性化

(1)大至急着手すべき対策は
   今現在、至急取り組まなければならないのは、消費増税の影響を最小限にする取  組を企画・実践することです。その取組は、真の意味での商店街活性化実現への再  スタートに位置づけることです。消費増税への対応は、各個店の「増収増益」を実  現するとともに、商店街の「商業集積としての再構築」の実践であることが不可欠  です。

(2)一過性、単発の事業は効果無し
 一過性の集客イベント、販売促進事業などは効果がありません。
  イベント事業で集まってくるのはイベントを楽しみたい人ばかり、来街したからと  言って日頃なじみのない平凡な売場でショッピングを試したい、ということにはな  りません。
イベントは成功したが街の得意客は作れないというイベントの悩みは、イベント客を誘引する魅力を持つ個店・売場が揃っていないから。

(3)「売れる売場づくり」が最善・最強の対策
 「通行量増大→個店の繁昌」は天動説、今まで成功した事例はありません。
本気で活性化を目指すなら「売れる売場づくり→回遊誘発→通行量増大」の地動説を採用すべきです。
 売れる売場、繁昌する個店を直接目標にしない取組で繁昌を実現することは出来ない。これまでの天動説の取組が実証しているところです。

(4)「消費増税」に対応出来る売場づくり
 【買い控え・店離れ】が起きている消費増税に適切に対応することで、売れる売場=繁昌する商店街への転換のスタートを切りましょう。
増税のショックを活性化への道を切り開く、【ショックを契機とした活性化事業のコペルニクス的転換】に向かいましょう。
消費増税に対応する売場づくり

  http://www.quolaid.com/kongonoyotei/2018syouhizeitaisaku.pdf


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有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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