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商店街活性化、三つの欠陥と一つの対策

現在進行形の商店街活性化には三つの大きな欠陥があります。
そのためにいくら取り組んでも結果が出せず、成果を蓄積する、衰退趨勢から脱却する、という本来の目的が果たせないのです。
このまま続けていても結果が改善されることはありません。

まず三つの欠陥をしっかり確認し、その後に『対応策』を提案しますので、「問題と対策」併せて検討して下さい。

欠陥その一:
「商店街活性化」とは「自生的商業集積から計画的商業集積への漸進的移行」のことですが、このことが理解されていない。
その結果、
「商店街活性化とは商店街がどうなることか」
定義しない、したがって根拠の定かで無い様々の「商店街活性化のための事業」が繰り返されています。
各種の「活性化事業」が成果を挙げられないのは、それらの事業が「各種事業の成果を積み上げて実現する最上位目標」
を持たないまま取り組まれているからです。
商店街活性化で必ずと言ってよいほど目標とされている「通行量の増大」について考えてみます。

「通行量の増大」は商店街を活性化出来るか?

活性化と言えば通行量の増大、とこだまのように返ってきますが、果たして通行量を増やせば商店街か活性化するのか?
通行量を増やす施策としては、集客イベント、居住者増大、空店舗の活用などが取り組まれます。

来街者・通行量が増えると商店街は活性化するだろうか?
次のように考えられています。
①商店街への来街者が増える
②来街者が入店し買い物をする
③店が気に入り得意客になる
④来街者をさらに増やす
⑤②~③が蓄積される
⑥商店街は活性化する
という「論理」ですね。
しかし、この論理は実現せず、全国の取組がほぼ全て失敗しています。
なぜ失敗するのか?

問題は①と②の間にあります。
商店街には来街者が「入ってみたくなる店、買ってみたくなる売場」が揃っていないのです。
「買い物の場」が揃っていないのに買い物客を増やそうとしても増やすことは出来ません。
イベント来街者は、買い物行き先は既に持っている人がほとんどですから、イベント以外に商店街に来る目的はありません。
「売れる売場」を揃えていない商店街が取り組む単発一過性の通行量増大策は、
①入店客を作ることが出来ず
②個店のファンを作ることが出来ず
③商店街の個店を買い回る「回遊客」を作ることが出来ない
ということです。
「通行量増大」に取り組んでいる全国の商店街で起きていること、経験されていることですね。

「通行量の増大」が成果を挙げられないのは、通行量の増大=商店街活性化という「短絡」が生じているから。
「最上位目標の不在」は通行量の増大のみならず空店舗の活用、各種販売促進事業などにも共通する「取り組みの成果が得られない原因」です。

商店街活性化の最上位目標は「商業集積としての持続可能性の維持、再構築」です。

活性化に取り組む商店街に共通しているのは、「衰退趨勢に陥っており、商店街としての存続に支障が生じていること」です。
空店舗の固定化と増大、経営者の高齢化と後継の困難などが主な理由です。
商店街活性化の目的は端的に「衰退趨勢からの脱却」です。

そのためには何が必要か?

①商業集積として衰退趨勢に陥っている原因を解明する
②趨勢から脱却する方法を講じる
という二段階の作業が必要です。

商店街はなぜ衰退趨勢に陥っているか?

原因は明確です。
「商業集積間競争」に後れを取っているからです。
商業集積間競争とはどのような競争か?

小売業の競争力の根幹は「売場揃え・品揃え」

『中活法・基本方針』には、
「中小小売業の競争力の根幹は業種揃え・店揃えの最適化」と明記されています(P13)
どういう意味でしょうか?

中小小売業は、売場の規模・品揃えの限界から一店舗だけで多様な顧客ニーズに対応することが出来ません。
お客にとってこのことは「わざわざ出かけても期待通りの商品が乳出来ないかも知れない」という可能性を予想させて、来店を控えることになるかも知れません。商店街など商業集積には同業種の店舗・売り場が複数立地しているので、期待している購買目的が達成出来る可能性が高まります。
競争力とは、消費購買ニーズの充足可能性の優劣のことに他なりません。

「競争力の根幹が業種揃え・店揃え」にあるというのは、消費購買ニーズが期待していることですから、中小小売商業に限らず、小売業全般に共通することです。
特に、現在の競争は、消費購買ニーズ全体に漠然と対応するのでは無く、商圏の特性などを配慮しながら、限定した消費購買ニーズ(標的顧客)を対象に「売場揃え・店揃え」を計画する商業集積・施設が主流になっています。
「計画的商業集積」と言われる新しい集積の「計画」は、競争力の根幹である「売場揃え・店揃えの最適化」を中心に計画されています。「テナントミックスの最適化」ですね。

商店街の空洞化は、集積間競争に於いて商店街の「売場揃え・品揃え」が後発の集積と比較して「陳腐」と評価されることから始まり、劣化―空洞化と進展しています。空洞化の原因は、集積間競争への敗北です。

活性化するには何を為すべきか?

繰り返しになりますが、陳腐化~空洞化している商業集積としての存在価値を再構築する以外に方法はありません。

商店街を活性化したい、買い物場として存続させたいなら
「買い物行き先として選択される条件を再構築すること」.
これは存続への絶対条件です。
御市の商店街活性化は、この絶対条件を肝に銘じて取り組まれているでしょうか?

商店街を活性化したければ、「売場品揃えの再構築=商業集積としての再構築」に取り組まなければならない。
このとき重要なことは、商業集積としてのコンセプトの決め方。
コンセプトとは
①お客から見た来店目的
②商店街から見た標的とする消費購買行動
を満足させる在り方を簡潔に表現したものです。

商店街を空洞化に陥らせた後発の商業施設・集積は、コンセプト主導で作られている「計画的商業集積」です。
これらに対抗して「集積としての存続」を目指すなら、商店街も現在の「自生的商業集積」から「計画的商業集積」へと集積としての性格を移行しなければならない。

「移行」とは現状ありのままの状態から、持続可能な状態へ漸進的に変化していくこと。
ショッピングモールのように、テナント企業を誘致するのでは無く、
①既存個店群の売場を新しい商業集積としてのコンセプトを分担する在り方に変容する
②空地空店舗にコンセプトを分担する個店を誘致する
という方法で実現していきます。
完成したモデルは無いので、仮設―試行、さらに一挙に変化させて失敗すると元も子もないので、お客の反応を確認しながら漸進的に変化させます。

移行を成功させるには:
現在の売場をコンセプトを導きに変容させていく取組は、一面から見れば「売れずに困っている売場を売れる売場に転換する」ということです。
業種業態を問わず、既存の売場を売れる売場に転換する。
そうすれば可能か?

第二の欠陥:売場づくりの技術が無い!

そもそも商店街に立地している個店・売場はなぜ業績不振に陥ったのか?
商店街全体として集積間競争に後れを取ったからですが、空洞化が進まないうちになぜ効果的な対策を講じることが出来なかったのか?

欠陥その二 「売れる売場づくり」の理論と技術がない

その一で述べたように、商店街活性化とは商業集積としての持続可能性の再構築であり、より具体的仲代は、「コンセプト主導の計画的商業集積への漸進的移行と」です。
成功するには既存の売場を売れる売場に転換する理論と技術が必要ですが、商店街には存在しません。
コンセプト主導の商業集積を最終的に担保するのは、個々の売場の出来映えであり、その集積具合です。
「売れる売場づくり」の理論と技術は、商店街活性化の成否を直接左右する条件ですが、これがまったく装備されていないのが現在の商店街の実態です。

その一で述べたように、現在の活性化事業は
①商店街への来街者が増える
②来街者が入店し買い物をする
③店が気に入り得意客になる
④来街者をさらに増やす
というストーリーが基本になっており、しかも①が実現すれば②以下は自動的に進行するものと考えられています。
来街者を増やせば、通行量さえ増やせば後はうまくいく、商店街は活性化する、という前提ですが、誰も論証していません。
まして、通行量増大策に取り組んだら本当に通行量が増えて、個店のお得意さんが増え、商店街は活性化した。老朽化した店舗・設備の更新投資が始まり、後継者も確保され街は持続可能性を確立した、という成功事例はただの一個もありません。

人はなぜ売り場に入り、商品(消費財)を買うのでしょうか?
自分(家族)の生活を作るためですね。
商品を買うのはそれを持ち帰って生活に組み込むため。
生活に組み込む特質を持たない商品は買いません。

商店街、各個店の売場は、地域に住んでいる人たちが生活を作り上げるために必要な商品を揃え、買いやすい条件を作って提供しているでしょうか?
それはお客に伝わっているでしょうか?
売場の状況はお客に、店前通行者に伝わる仕組みが出来ているでしょうか?
大問題です。

第一の問題は、売場がお客に見てもらえるかどうか。
見てもらえない、お客の眼にとまり、中に入って商品を見てみたい、と思ってもらえない売場づくり、売場の見せ方ではイベントなどで集客しても入店客あっsy買い上げ客にはなってもらえません。

商店街活性化で目標数値とされる「通行量」とは、商店街の来街―回遊者数のことです。
一人の来街者が複数回カウントされることは.滞留時間が長く、回遊しているということですから、商店街にとって活性化が進んでいることになります。「通行量>来街者数」の最大化が商店街活性化の数値目標です。

そのためには、個店の「売場づくり」の理論と技術が不可欠です。
商業者にとって売場づくりは生命線、きちんと理論を学び技術を磨いて取り組まれていると考えが地ですが、実状は違います。
(続き) 

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有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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