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戦略とは何か

「戦略」、検索をかけるといろいろ出てきます。
出てきますが、どうもあまり納得できるような定義が見あたりません。
こういう内容のことを表現するのにわざわざ「戦略」という言葉を使う必要はないだろう、と思われる説明が多い。

 「戦略」という言葉の定義は、この言葉が何を表しているのか、ということを理解し、「戦略」を必要とする状況で首尾よく有効な「戦略」を立てることが出来るようにするため、に必要です。
検索で呼び出された「戦略」の定義、果たして「戦略」を立案するときに有効、すなわち、「これで目的を達成することが出来る」と確信できるような戦略を立てるのに役に立つ定義と認められるかどうか、検討してみてください。

 今回展開する「戦略論」は、あなたが今後、将来にわたって、公私を問わず、「戦略の策定を必要とする状況」に直面したとき、戦略を立案するのに有意義な定義を仕上げてご覧に入れようというものです。
 これであなたも戦略家になれること請け合いです(笑

 さてご承知のとおり、戦略はもとはといえば戦争・軍事用語です。本家ではどのように定義されているか、まずはそのあたりからアプローチしてみたいと思います。

「戦略の原理・原則」や「本質」などを論じている本はたくさんありますが、「戦略とは何か」ということを真正面から取り上げている本は余り多くないと思います。
 「戦略とは何か」すなわち、戦争において戦略はどのような機能を果たすのか、ということを把握しないまま「原理・原則」などの「ノウハウ」をもてあそぶと、当初の目的を逸脱して戦略が一人歩き、最後には何がなんだか分からないうちに失敗した、ということになりかねません。

●戦略とは何か
 ということで、まずは「戦略とは何か」ということから考えてみたいと思います。

試行の導きとして取り上げるのは、次の二つの定義。
○『戦略論』(リデルハート)
「戦略とは、一国または一連の国家群のあらゆる資源をある戦争のための政治目的(基本政策の規定するゴール)の達成に向けて調整し、かつ志向することである」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4562018127/qid=1129117004/sr=8-4/ref=sr_8_xs_ap_i4_xgl14/249-1617476-1950725
○『統合軍参謀マニュアル』(米国統合幕僚学校のテキスト・白桃書房)
①国家戦略とは、国家目的を確保するために平時、戦時を問わず、軍備を含めた国家の政治力、経済力、心理力の使用と開発の技量(art)ないし科学(science)である。
②軍事戦略:武力の行使あるいは武力による脅威による国家方針の目的を確保するため、国の兵力を使用する技量(art)ないし科学(science)である
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/456124140X/qid%3D1129117076/249-1617476-1950725

○ハートさんのいわれるところ=資源を目的の達成に向けて調整する?目的達成を志向する? ウ~ム、いまいちよく分かりませんね。戦略とは何か、ではなくて戦略の機能・役割ではないでしょうか、この定義は。

参謀マニュアル=「技量ないし科学」???
こちらは「戦略」を決定する技術?

どちらを見ても「戦略とは何か」には当てはまりません。
(※takeoは結構戦略関係の資料を読みあさっていますが、おおむね同じように「機能」や「技術論」をもって「とは論」に代えようとしていることが多いようです)

ということで、あらためて「戦略とは何か」、上で引用した二つを手がかりに考えてみましょう。

●国家、戦争にとって「戦略」とは

○『戦略論』(リデルハート・)
「戦略とは、一国または一連の国家群のあらゆる資源をある戦争のための政治目的(基本政策の規定するゴール)の達成に向けて調整し、かつ志向することである」

○『統合軍参謀マニュアル』(米国統合幕僚学校のテキスト・白桃書房)
①国家戦略とは、国家目的を確保するために平時、戦時を問わず、軍備を含めた国家の政治力、経済力、心理力の使用と開発の技量(art)ないし科学(science)である。
②軍事戦略:武力の行使あるいは武力による脅威による国家方針の目的を確保するため、国の兵力を使用する技量(art)ないし科学(science)である

 まとめてみますと、戦略とは:
①「国家目的(あるいは戦争目的)の達成」に関わる概念である。
②目的達成に利用する(出来る)「資源」に関わる概念である。
③「使用」、「調整」、「開発」に関わる概念である。
ということですね。

 つまり、「目的を達成するために資源を活用すること」に関わる概念。これが「戦略」です。ここで短絡して「戦略とは目的を達成するために資源を活用することである」と定義しないこと。この段階でtakeoが述べているのは、「戦略とは目的を達成するために資源を活用することに関わる概念である」ということであり、戦略の定義ではありません。(この区別は大変重要)

 「目的を達成するために資源を活用する」ということを手がかりに先に進んでいきましょう。

○戦争について考えてみましょう。

①戦争とは別の手段をもって行われる政治の延長である(クウゼヴィッツ)
②戦争のゴールは「新しい・期待する形での平和」であり、最終的には旧敵と協働し て「新しい平和」を作り上げることである。
③戦争の目的は敵の継戦意志を打砕することである。
(つまり、自国ペースでの講和の交渉に入ることが戦争の目的)
 このように考えてきますと、「戦略」の意味がはっきりしてきます。
戦略とは、「戦争目的を達成するために戦力を活用することに関わる概念である」書き直すと、「戦略とは戦争目的を達成するために戦力を如何に使ったらよいか」ということに関わる概念、ですね。
(まだ「関わる概念」レベルであって「戦略の定義」ではないことに留意)

 ここで新しい要素を入れて考えてみましょう。環境と時間です。
いうまでもなく、戦争はある特定の環境において始められ・戦争の進行と平行して環境も変わっていきます(変化には戦争の遂行それ自体がもたらすもの、それとは直接関係なく起こるものがある)。つまり、「時間」とそれに伴って変化する「環境」は、
「戦力の活用」を図る上で必らず考慮しなければならない要因です。
そうしますと。
戦略とは:「ある条件下において戦われる戦争目的を達成するためには(現に有する&戦争期間を通じて調達可能な)戦力をどのように活用したらよいか」ということに関わる概念である、ということになります。

 ということで、いよいよ結論。
戦略とはズバリ、「戦争目的を達成するためには、戦力をどのように活用したらよいか」という問題に対する「このように活用すればよい(目的を達成できる)」という「解答」のことなのです。

takeo流「戦略」の定義:戦略とは戦争において戦力を活用して目的を達成するためのシナリオである」

「戦略とは戦争目的を達成するためのシナリオである」如何ですか?

●戦略とは戦争目的を達成するためのシナリオである。

 ということで、「戦略」とは開戦から戦争終結に至るまでのシナリオである、という定義にたどり着きました。
戦略とはシナリオである、というtakeo流とハートさん、幕僚学校さんの定義を比較してみましょう。

○戦略とは:
ハートさんの定義 :目的達成に向けた資源の調整・指向だ
幕僚学校さんの定義:目的達成に向けた資源活用の技量・科学だ
takeoさんの定義  :目的達成に向けた資源活用のシナリオだ

如何ですか? こうしてみると一目瞭然、
①ハート流はtakeo流のシナリオ作成の仕事の中身のこと
②幕僚学校流はtakeo流のシナリオ作成の技量のこと
であり、いずれも「戦略」そのものの定義ではないだろう、ということになりますね?
ということで、シナリオの中身について考え、「戦略」をさらにいっそう「戦略的思考」を指向しつつ(笑、検討していきましょう。

○シナリオは一つの物語の起承転結を記述したもの、としておきます。
シナリオ=戦略は、開戦から終結(開戦目的を達成する)まで、全体をどう導いていくか、という筋書きにあたります。これを構想するには
①環境及びその推移の見積もり
②敵の戦力及びその推移の見積もり
③我が戦力及びその推移の見積もり
が必須です。
予測される環境の中でどのように戦力を活用(配置・運用)したら首尾よく敵を講和に導くことが出来るか? 個々の状況において作成される「成功のためのシナリオ」こそが「戦略」なのです。

 皆さんはさまざまな機会に「戦略」について、特に「戦略の立て方」についての原理原則などを見聞されることがあると思います。それらの「原理原則」は戦略とはシナリオである、という理解を前提に「シナリオの書き方」として向き合ったときにはじめて有意義、「あなたの知恵の使い方を導く」ノウハウになるのです。 

○若干、論じ残したこともありますが、なにしろ、SCの戦略課題のスレッドに貢献すること、今日中にブログに投稿すること、という二つの課題を背負っていますので、不足分はあらためて彌縫することにして、とりあえず拙速で行きます。


●シナリオを構成するもの

国家・戦争の戦略は、
①上位目的を達成するために
②状況において(敵及び環境)
③戦争目的を達成することを目的として
④動員・調達可能な戦力を
⑤ある方向・方法をもって配置・運用する
シナリオのことです。

戦略を策定するということは、
①戦争目的、環 境、敵の状況、我が方の状況 について理解し、その理解を踏まえて、
②目的を達成するために戦力(軍事その他の戦争資源)を配置・運用する方向と方法を決定する、ということです。
このようにして決定されたものが「戦略」ということですね。

したがって、戦略とはある国がある状況において策定する一回こっきりの「戦争目的」
を達成するための「方向と方法=シナリオ」だということになります。
この意味では戦略はartと呼んでもいいかも知れません。

●戦術とは何か

戦略・戦術とセットで呼ばれることが多いのですが、戦略が一回こっきりの状況における目的達成のシナリオであるとするなら、「戦略」とはいったい何か?

「戦術」とは、過去の経験などから抽出された「戦争についてのノウハウ」のことです。
このように考えれば、「戦略・戦術」とは戦略=一回性の事態において策定される戦争の方向と方法・シナリオであり、戦術=戦争の仕方に着いてのノウハウということになります。「状況に対応する方法」と「方法を考えるために使えるノウハウ」ということになります。
 したがって、「戦術」には戦略レベルについてのノウハウもあれば、作戦レベル、戦闘レベル、あるいは兵站・通信など業務別などさまざまなレベル・分野で蓄積されています。
戦略策定を担当する人は、状況を的確に判断することと同時に、各般の戦術についての知識を持っていることが求められることになります。

「戦略と戦術」の関係についてこのような捉え方をしているのは、たぶん,takeoだけですね。この理解の有効性については「経営戦略」を検討する際に明らかになると思います。

●戦略の転換

戦略の転換はなぜ必要か、どんなときに必要か?

○転換の必要性:従来の戦略では目的達成が困難になったと判断されるとき、目的を達成するためには戦略を変更することが必要である。
○必要な時期:戦略の変更を必要とする場合とは、戦略決定の前提としていた事項(戦争目的、敵状、味方の状況、環境など)に従来の戦略の有効性を失わせるような変化が生じたとき。

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