FC2ブログ

中心市街地活性化、「数値目標」の有効性

 新しい『中心市街地活性化法』では、新たに作る『中心市街地活性化基本計画』に活性化の達成度合いを測るための「目標数値」を掲げることが求められています。
これまでの取り組みがうまく行かなかった原因の一つに「目標が明確でなかった」ということがあるからだそうです。

 これまでに10数個の都市が『基本計画』を作成し、内閣総理大臣の認定を受けていますが、もちろん、それらの計画にはそれぞれ「達成目標」とその数値が掲げられています。
 「商業活性化」「賑わい創出」の目標として、ほとんどの都市が掲げているのが「通行量の増大」です。
通行量を増やせば、商店街・中心市街地は活性化する?
どうして「通行量」が商店街活性化の進展を測る基準になるといえるのか、そんなことは言えないでしょ、ということから。


□目標としての通行量

 世間広しといえども“中心市街地活性化にとって「通行量の増加」が最終目的、中心市街地活性化とは通行量が増大することである”と主張する人はありますまい。
 ではなぜ、「通行量の増大」がわざわざ目標数値を設定するほど重要な目標と見なされるのでしょうか?

 第一に、通行量の増減と中心市街地の景況に因果関係が有るのか無いのか、ということについて。

 活性化実現の目標として通行量の増大をそれも数値目標として掲げると言うことは、当然、“中心市街地の通行量について、この数値を達成すれば活性化が達成される”ということですね。ではその根拠はどこにあるのでしょうか?
これまで「通行量の増大」を目標に設定している基本計画で通行量と活性化の達成との間の因果関係を明らかにしたところは、ただの一個所もありません。不思議な話ですね。
「活性化を達成するための数値目標」を設定するからには、
①それが目標になる、ということの論証
②掲げた特定の数値が目標達成に直結していることの論証
という2段階の論証が必要です。
でも、だれも・どこも論証していません。

 目標数値を達成したとき、中心市街地はどうなっているのか?
ぜひ、説明していただきたい。


□たとえば

 特定の規模の「通行量の増加」が実現したら、たとえば、現在の通行量の二倍にお通行量を「目標数値」と設定したとして、その通行量が実現したら、中心市街地あるいは「通行量測定地」に何が起きていることが想定されているのでしょうか?

 想定されていることは、「通行量の増大」によって起こることなのか、それとも通行量の増大が「何ものか」に作用した結果起こることなのか、ハッキリしていません。

 目標通行量数値が達成されると何が起こるのか、それはなぜ中心市街地活性化の目標足りうるのか?
 ということを説明している基本計画は皆無です。


□ 手段が目的に・・・

 なぜ通行量が目標になるのか、ということの論証抜きで設定された「通行量の増大」は、いつの間にか「目的」になってしまいます。
「商業の活性化のための事業」全体が「通行量の増加」を実現するための事業に成り下がってしまいます。

曰く・
イベントの効果で○○名増加
施設の整備で○○名増加
交通機能の整備で○○名増加・・・・

ということですね。
事業はすべて目標である「通行量増加」を達成するために取り組むわけですか?
その結果、いったい何がどうなるんですか?

 通行量の増加がどうして中心市街地活性化のバロメーターになるのか?
設定した数値はホントにこれを達成すると「理想的な・あるべき中心市街地」が実現する、と自信を持って言える数値なのか?
「あるべき中心市街地の姿」は、通行量という目標数値の達成で実現できることが論証できるのか?
 
 というあたりになると、関係各位、たぶん誰も返事が出来ないですよね。
もちろん、招聘されて数値設定に協働した専門家さんも含めて・・・
 
 ということで、ホントに皆さん、こんな数値を掲げてずうっと事業に取り組んでいくんですか? 
5カ年後に通行量が目標数値に到達するとして、それがどうした?
5年間、ひたすら通行量が増えるのを待ち続けるんですかぁ?
ということなんですけど。

 “そんなこといったって、どこも同じことやってるし”というのは言い訳になりません。最終的にあなたが責任を問われるのは、あなたの基本計画の数値について、ですからね。
よそのまちの基本計画、その目標数値がどう設定されているか、ということはあなたのまちの中心市街地活性化に何の関係も無いのではないでしょうか?

 もちろん、目的~目標から論理的なプロセスをきちんと経て設定された数値目標の事例があれば、それを導入することは問題ないと思いますが、ともかく、よそが「通行量」を目標にしているから、言われてみればいろいろ問題もあるようだが、ともかく、よそが採用しているんだからうちもとりあえず採用しよう、という流れがあるとすれば、問題ですね。

□「通行量の増加」は目標にはならない。

 以上の検討で「通行量の増加」は中心市街地活性化、商店街活性化、賑わい創出などの取り組みにおける「目標」としてはまったく適切ではないことが理解されたことと思いますが如何ですか?
“「数値化」出来るものと言えば通行量くらいだろう、他の都市でもやってるし”という安易な考えで目標を設定するようでは、従来の取り組みと同じ轍を踏むことになりかねません。

 あらためて「中心市街地の活性化」=①都市機能の増進 と ②経済活力の向上 という最高目的に照らして、有効適切な「目標」とその「達成すべき数値」を決定することが必要です。


話としては筋が通っている、と思われたら。
ブログランキング

コメントの投稿

非公開コメント

-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ