FC2ブログ

「売り」と「買い」の非対称性

■「売り」と「買い」の非対称性 

非対称性とは、AとB二つを対比したとき、AはBの条件をすべて備えているのに対して、BはAの条件を備えていない、という関係のことですね。

売りと買い、企業経営とは売買差益を求めこれを原資に企業目的を達成し続けることです。であるならば、我々は企業活動の基盤となっている「売りと買い」について、よく理解しておくことが必要です。

商品を売買する、商品をお金と交換するということですが、これには心理的な「等価交換」が成り立っていると仮定しましょう。もちろん「等価」というのは厳密な言い方ではありません。「この範囲ならまあいいか」という「許容範囲」と考えた方が状況に合っているでしょう。

ともかく、売買とは交換が成立すること、売り手と買い手がそれぞれの相手が出す条件を「交換条件」として認め合うことです。
これは相互に認め合わないと成立しません。そこで「売り手」と「買い手」は同一の条件に立っている、対等の立場のように考えられますが、果たしてそうでしょうか?

ここで、売買の場に提出する「交換材料」を比較してみましょう。
売り手側が提出するのは、ある「効用」をもった商品です。これは言い換えれば、ある効用しか持っていない商品ということになります。

他方、買い手側が提出するのは、「お金」です。お金は「商品であればどのような商品とでも交換できる」ものですね。


■あなたにとっての交換の必要性 

あなたはお客に商品を提示して、お金との交換を提案しています。
この交換はあなたにとってどのような意味を持っているのでしょうか?

前述のとおり、営利企業は、売買差益をもって必要経費の原資を稼ぎ出すことが必要です。どんなに優れた企業理念・目的を掲げており・かつ、実際に社会に貢献出来る企業でもその貢献は、NPOをのぞき・これまでのところ、営利活動を通じて開花するわけですから、商品が売れないことには企業としての存続が揺らぎます。

商品を販売する=お客に商品とお金の交換を提案し、応じてもらう、ということは企業にとって他のどんな仕事にも優先するテーマです。
営利企業が商品を販売するのは、経営原資となる売買差益を得るため、商品は売れる・お金に替わるということが実現されなければ企業の目的達成に貢献することは出来ません。

企業経営において商品はお金の代わりをすることが出来ません。
商品をお金と交換する、「営利」とは第一に商品をお金に換えること、第二に、プラスの差益を確保することです。

■お客にとっての交換の必要性 

> 他方、買い手側が提出するのは、「お金」です。お金は「商品であればどのような商品とでも交換できる」ものですね。

あなたの商品はお客の「お金」と交換しない限り、経営に役に立照子とが出来ません。行ってみれば商品は必死でお金の気を引こうとしているわけでありまして、昔の人は「商品は貨幣に恋をする。しかしその恋路は平坦ではない」といっております。

お客にとって「お金」とは何でしょうか?
お金は流動性、いつでも何とでも交換できる流動性そのものですね。
お金を持っていることは、そのお金に見合う商品・サービスをそれが何であれ、自由に手に入れることが出来る、ということです。

一方、お金を商品と交換するということは、何にでも変えられるお金の可能性を一個の商品絞り込み・かつ・二度と交換できないようにすることですね。これは勇気が必要です。
この商品を買うためにこのお金を使う、もしこの商品を買わないとしたら、このお金で何が買えるか?

これはけっこう厳しい吟味になります。
お客にとって選択肢は、ちょっと考えただけで、
1.目の前の商品と交換する
2.代替品を探す
3.全く他の商品を買う
4.お金を使わない
と多様です。
お金を使わない、流動性を維持する、という選択肢が大きいことは、消費者アンケートなどで「気に入る商品がなかった時の行動」を聞くと「買うのを止める」という回答が6割以上になる、ということから明かです。「もの余り」はお店や流通だけではなく、お客の生活そのもにものがあふれかえっているわけですからね。

商品とお金、商品の方は何が何でもお金に成り変わりたいのに対し、お金の方には差し迫ってこの商品でなければならない理由は、たいていの場合、そんなに強いものではありません。

ここに商品とお金、「等価交換」でありながら、そこに期待されている可能性は大きく異なっています。

■「非対称性」を乗り越える 

「売り場づくり」とは、この交換の非対称性があるなかで、継続的に交換を成立させるための仕掛けである、ということが理解されたことと思います。

商品を売る、ということは商品とお金の非対称性を乗り越える、ということです。我々の仕事は、「何でも買えるお金をこの商品と替えてもらう」ということですからね。4つの選択肢があるお金を目の前の商品と取り替える、ということは他の使い道については「あきらめる」ということ、まして家にはものがあふれかえっている・・・。
相当の努力が必要だと言うことをあらためて確認されたことと思います。

なかでも重要なのは言うまでもなく、「商品」です。
商品を使う局面を想定し、その局面にその商品をはめ込んで見て、収まり具合、相乗効果性などを吟味する。
好みにピッタリということはもちろんですが、コーディネート、価格など様々な特性がお客自身が持っている「許容範囲」内にあることが大切です。(「許容範囲」というアイデアについてはあらためて説明します)

皆さんがお客に対してお金との交換を提案している「商品」の多くは、お客の好みがシビアで、許容範囲が狭いことが特徴になっている商品ですね。
「スイートスポット」にジャストミートしないと首尾よく交換してもらえない可能性が高いわけです。

十分吟味した商品をお客の自然なショッピングパターンにフィットした展開で提案する、ということに出来る限りの努力をしなければならない。

■念のため確認 

非対称性について。
とにかくですね。
我々は何としてもお金と商品(在庫)の交換を成立させないといけません。経費の源泉は、商品とお金の交換から、通常はここからだけしか生むことが出来ません。さらに悪いことには許容期間中に交換が成立しないと、交換価値がどんどん下がっていきます。

他方、お客のお金は商品と交換しなくてもぜんぜん平気です。
価値が変わったり使い勝手が悪くなることはありませんし、もっとよい・気に入る商品との交換の機会があるかも知れません。

というように、この非対称性、我々の側にうんと条件が厳しくなっているわけです。
「お客様は神様です、なんとか買ってください」とお願いしたいところですが、あいにくとお客は神様ではありませんから、シビアにしっかり吟味します。

この吟味に耐え得た商品、流動性を維持するよりもこの商品と取り替えよう、そうすると生活がたのしくなる、と判断された商品だけが買い上げられるわけですからね。
あんまりなめたことはできません。

ということで、業容=品揃え、提供方法、提供環境 三位一体の内店づくりに突入です。

コメントの投稿

非公開コメント

-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ