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商店街活性化と部外者の意見

 商店街活性化について議論するとき、必ず参加を要請されるのが「消費者代表」。
「買い物の場」をどのように作りあげるべきかという問題を話し合うとき、そこの利用者である消費者の意見を聞くという方法はいかにももっともそうであり、合理的なように見えます。
しかし、果たしてそうでしょうか?

 いつも申しあげているように、消費購買行動はその目的(「客相」として3つに分類するのが当サイトの主張ですね)によって、行き先へについての期待が大きく違います。どのような客相をターゲットにするか、ということで商業集積が整備する機能とその中身は大きく変わります。

 商業集積のターゲット(顧客相)を決めて、ターゲットのニーズに合わせて様々な機能を整備する、という仕事は大変専門的な仕事であり、「仮説-試行-評価」という作業を繰り返しながら進めることになります。特にラグジュアリィモールという、我が国ではこれまで余り実例の無い集積の場合はなおさらです。

 この仕事を進める上で大切なことは、誰であれ、「理論」や「仮説」を踏まえて意見を出さなければならない、ということ。来街目的について話している最中に「店前通行量」の増大策について話をされては困る、と言うことですね。
 したがって、議論の前提として相当な予備知識が必要になります。

 もちろん、消費者代表を入れるな、と言うことではありません。消費者代表であれだれであれこの仕事に参加する人は、共通の理論的立場に立っているということが必要です。
つまり、理論を装備してもらわなければならない、消費者代表ではなく、商店街活性化に参加する一人の専門家として参加してもらうことが必要です。

 そもそも、消費者が「私たちにはこういう商業集積が必要だ」という明確な意見を持っている、と考えることが間違いです。
「消費者王様」、消費者代表の意見を尊重した計画を作ったとしても、実現した暁に彼または彼女がそこを「買い物の場」として活用するかどうかは別問題です。さらに彼または彼女はそうしてくれたとしても、彼または彼女が代表?である地域の消費者が同じような行動をとってくれることは全く期待できません。

 コンビニエンス・ストアを考えてみましょう。
県内に一店もコンビニエンスストアが無い時点であなたのまちで消費者アンケートをしたとしましょう。「24時間オープンしているミニスーパーを開きたいと思いますが、夜中に買い物に来てくれますか?」
アンケートの結果に頼っていたのではコンビニエンスストアは今でも出現していないかも知れません。

 消費者代表やアンケート調査、「商店街に欲しいもの」と聞かれると駐車場とかイベントとか答えてくれます。よくご承知のとおり、そういったハードやソフトが完備している商店街で駄目なところは全国に掃いて捨てるほど有ります。何もあなた方のまちで失敗事例にプラス1、屋上屋を重ねる必要はありません。「消費者代表」(そもそもどうして代表なのか分かりませんが)、参加を要請すれば、それなりに意見を持っているし、意見を聞いた以上むげに無視するわけにもいきません。計画は玉虫色、限りなく「プラス1」に近づくことになる。

 消費者があなたの商売について、心血を注いで考えてくれるはずがない。聞かれたら思いつきでいろいろ注文はするけれども、いざ注文通りの街が出来上がったからと言ってそこのお得意さんになるとは、限りません。消費者代表、と言われたとたん、商店街とは物販施設、自分が商店街に出かけるのは、見て・選んで・買って・持って帰る商品があると期待できるから、ということをすっかり忘れ、何かしら「代表」という特別の立場で無責任に発言しているだけですからね。そういう話を真に受けないこと、事情でどうしても参加させなければいかない場合には、委員会だけ、間違っても作業部会に入れないようにしましょう。

 これは消費者代表に限りません。学識経験者、行政代表、会議所代表等々みんな作業部会からはオミットすべきです。作業部会に参加したもらうのはそれぞれの機関の実務担当者、一緒に仕事をしていくための土俵を協働で作るためです。

 商店街活性化、皆さんはプロですから「お客はこういうことを望んでいるに違いない」というところを洞察して店づくり・商店街の商業集積としての再構築に取り組んでいくことが仕事です。これから儲けさせてもらう相手である消費者に意見を聞こうなどとは虫が良すぎます。
消費者の期待を超える商業集積、消費者が「私たちはこういうお店、商店街が欲しかった」といわせるには、消費者の意見を聞いていたのではまず、ダメですね。

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