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支援コンサルタント

☆旧中活法=整備改善活性化法当時の記事ですが、今でもタウンマネージャーを設置される場合の参考になると思いまして。

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 中心市街地活性化に関する計画策定業務の支援は、『基本計画』~『TMO構想』段階はシンクタンク系、『テナントミックス計画』は商業系コンサルタント、と相場が決まっているようです。国の『実践行動マニュアル(テナントミックス手法に関する調査研究)』作成も商業系コンサルタントへの委託事業だったようですね。

 中心市街地のテナントミックス=テナントリーシングを正面業務にしている商業系コンサルタントの出番、と考えるのもムリからぬところですが、果たしてどうでしょうか。

 ここでいう商業系コンサルタントとは、大手商業資本とりわけ郊外型SCを展開するデベロッパー兼務の企業と提携・業務を受託する手腕・規模を有する企業です。
主として大型商業集積の開発・リニューアル業務、テナントミックス業務などに関わっており、その方面では豊富なネットワークを持っています。中心市街地関係では再開発事業などで手腕を発揮する人たちで、一般に中小企業診断士やタウンマネージャーなどに登録している人士とは異なる実務スキルの持ち主であります。

 ところがこれら商業コンサルタント、SC開発・テナントリーシングについては実務経験十二分、他に比肩するものとてないスキルの持ち主でありますが、中心市街地の既存集積の活性化、現状を否定して全面的に転換させる、という仕事は未経験のはずですから、業務内容の異同を踏まえ、あらためて適性を確認する、あるいは新たなスキルの装備を条件にする、という手だてが必要です。

 商業系コンサルタントの現状について、私が見た限り・一般論として批評してみます。
テナントミックス計画については、これから作成するところも多いでしょうから、参考になれば幸いです。

商業系コンサルタント チェックリスト

第一、『中活法』のスキームを理解しているか?

 中心市街地に立地するすべての商業集積をえいやっとまとめて一個の「ショッピングモール」と見なし、テナントミックス手法によるマネジメントを行うことで全体の活性化を実現する、ということが『中活法』~『テナントミックス計画』の使命です。

 この前提からすれば、中心市街地の「テナントミックスマネジメント」は、既存の集積・個店群の活性化=ショッピングモールのテナントたるにふさわしい業容への転換という業務を含んでいることになります。既存集積の状況を改善せずして空地・空店舗にショッピングモールのテナントにふさわしい企業を誘致=リーシングするなどということは、よほど好条件が無い限り不可能です。
百歩譲ってリーシングが可能であったとしても、街区の大半を占める既存の店舗群が旧態依然たる業容のままでは「ショッピングモール」を実現することは出来ません。
中心市街地のテナントミックス計画には、既存集積・個店群の活性化という課題を避けて通ることは出来ません。
 さらに、これらの既存店舗群の活性化にあたっては、「ショッピングモール」の構成要素としてふさわしい業容への転換、という条件が付いていることはいうまでもありません。これまでの自然成長的商業集積から「ショッピングモール」という「計画された集積」へ転換することで中心市街地全体の商業を活性化しようということですから。
 
 中心市街地活性化は、SC開発ともリニューアルともまったく異なった仕事です。委託される商業系コンサルタントは、このあたりの条件をきちんと理解しているのか? ということをチェックすることが必要です。


第二、「ショッピングモール」を理論づけているか。

 「ショッピングモール」には次のような条件が前提されます。

1.中心市街地の全集積を総括できる概念であること
2.郊外型ショッピングセンターとの位置関係を明確にすること
3.中心市街地の現状から転換・実現が可能であること

 如何ですか、「中心市街地のすべての商業集積を一個のショッピングモールと見立てて整備、運営する」といったとたん、「ショッピングモール」は、1~3の要件を満たす「なにものか」であることが求められているのです。

 特に2については、熟慮することが必要です。郊外型ショッピングセンター、商業コンサルタントの用語でいえば、RSC:リージョナルショッピングセンター(ジャスコなどが核になり、「専門店」群でモールを形成している)です。
これとの関係をどう考えるのか? 戦うのかそれとも棲み分けるのか?
 どちらの道を選択するにせよ、「ショッピングモールとは何か」ということをしっかり考えないと活性化への道を選択することは出来ません。

 TMOが郊外型SCと戦う・勝利して活性化を実現する、という道を選べば次に直面するのは、郊外型SCとの「テナント争奪」です。これはホント難しい。
今日、SC間競争とは「テナント争奪」と同義ですから、TMOは乏しい手兵を率いてこの争奪戦に参戦することになる、売り手優位のテナント市場、テナント候補のほとんどは郊外型SCへの出店常連組ですから、勝手の分からない中心市街地の「ショッピングモール」などという得体の知れない立地においそれと出店するはずはないのであります。
戦う、というのは血沸き肉踊る方針ではありますが、とうてい勝ち目はありません。テナント誘致条件の優劣で勝負にならない。

 他の手段、たとえば既存店舗群が郊外型SCの個々のテナントをベンチマークに模倣することで「出来損ないのSC」を目指すのか? ムリムリ。第一、既存個店群がこういう話に乗ってくるはずがない。
 つまり、ショッピングモールは、郊外型SCとは異なる道を選択しないと存続することが出来ない、ということになります。

 では、郊外型SCとは異なる道とはいったいどのような道なのか? という段になって、商業系コンサルタントのスキルと中心市街地活性化という課題とのミスマッチが露わになります。
 SC理論を理論体系の根幹においている人たちは、SC理論を、従って郊外型SCを乗り越える方向を理論的に打ち出すことが出来ません。

第三、商業系コンサルタントが装備している理論とは?

 これはいうまでもなく、「SC理論」などといわれるものです。ほら、商圏人口やテナント数、来店頻度などで区分したという、NSC、CSC、RSC(ついでにSRSC、も一つついでにSSRSCとか)という分類ですね。
これはご承知の通り、米国で20年以上前に、郊外型商業集積の現状を分析するために作られた理論ですが、当時は、その後急成長することになるディスカウントストア、カテゴリーキラー、パワーセンター、アウトレットモール、スーパーセンターなどという業態・集積が登場していませんでした。このような業態・集積が出現するたびにSCは様々な影響を受けており、特に、CSCについては各業態から売り場を簒奪され、完膚無きまでに打撃を受け壊滅状態、「SC理論」は商業の現状分析のツールとしては恐ろしく実態に合わない理論になっています。

 日本の場合、商業理論は米国版の翻訳で登場、今日ではトンデモな内容になっていることは、「商圏分析手法」をはじめ、当サイトでたびたびご紹介しているところです。実務レベルについても郊外型SCの最新事例について何度か論評しています。一言でいえば、我が国のSC理論のレベルはSC及びその経営環境を反映していないのです。

 しかしながら、理論とは外界を見るためのメガネですから、生まれたときから同じメガネをかけ続けていると、映ったまんまが即外界の真の姿、怪しむことが出来ません。
イエ、ホントは実際のお客のライフスタイルや購買行動を観察すればたちどころに疑問が生じるところでありますが、せっかく体得した理論ですから、これで出来る限りやっていきたい、という気持ちも理解できないこともありません。あたりを見回すと五十歩百歩、『流通革新』以下、ほぼ同じレベルでやってますからね。
先人達が営々として蓄積してきた「理論」が現実とミスマッチ状態に陥っている、これを転覆・取り替えないと自社・業界の明日は無いという、危機感・問題意識を持ち合わせておいでとは、私の乏しい見聞に依る限り、とうてい思えないのであります。

 十年一日、旧態依然たるSC理論がまかり通っている、というのが現状ですが、はて、この理論に「ショッピングモール」=中心市街地の商業集積群が一致協力して実現を目指す「商業集積」の実現について、何らかの理論的・実践的な貢献が期待できるものだろうか、というのが私の単純素朴な疑問です。

 いつも申しあげているとおり、中心市街地の商業集積をこぞって活性化するためには、郊外型SCを横目で見ながら直進、中心市街地までショッピングに行くのだ、という明確なデスティネーションを確立しなければならないのですが、現在郊外型SCを鋭意指導中の理論にそれを期待するのは、木に登って魚を求めるようなもの、となりかねません。

 いつか来た道を繰り返さないためには、コンサルタントが装備している理論と当方が直面している課題との整合性をしっかり確認することが必要です。

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  • Author:進化する売場研究会
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