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販売促進か売り場づくりか

長文ですよ(^_^)

「通行量増大」、「賑わい創出」を目的に取り組まれる「即日集客事業(事業当日の集客を目的にする事業)」は、翌日以降の集客につながらず、失敗するケースが多い。数値目標未達の原因のほとんどはここにあると言ってけして過言ではありません。
数値目標必達、活性化実現を目指す商店街―中心市街地は、「即日集客事業」の本旨を理解し、本当の通行量増大、賑わい創出を実現出来る取組に転換しなければならない。 今回は、「即日集客」ではなく「事業終了後の来街」を実現する取組を考えます。よろしければ拡散していただくと嬉しい限りです。

通行量増大、賑わい創出を目的に取り組まれている、イベントその他、当日の集客を目的にした事業は、小売業に於いては販売促進事業に分類されます。販売促進は、今日集客して今日の売上を確保することが目的、もちろん明日、明後日も来店してもらう工夫もしますが、まずは今日の売上げです。
したがって、前日までに目玉商品を準備し、売り場を巡回してもらう仕組みを工夫し、売上げ目標必達・万全の体制を作って当日を迎えます。平素から販売促進に取り組める体制が出来ており、売り場もきちんと整えられていることが前提です。スーパーやモールの集客イベントを想い出してください。

 販売促進でキモに銘じておくべき大原則は、
販売促進は、日ごろ売れている店が取り組む事業だということ。日ごろ売れている売り場だからこそ、当日集客したお客さんがあれこれ買ってくださる。
日ごろ売れていない店が取り組むとどうなるか?

業績不振に陥っているお店が、一念発起、販売促進に取り組むとします。お客に魅力のあるイベントを仕掛け、集客する。
集まったお客はそこで何を見ることになりますか?
ズバリ、「売れてない売り場」ですね。
商店街の集客イベント当日の各個店の売り場を想い出していただきたい。

レイアウト、陳列、店内回遊を促す仕掛けはまるで無し、
イベントに向けて売り場に工夫を凝らした形跡全く無し。
いつも通りのたたずまい。

 お得意さんは毎度のことと諦めていますが、取り組みの眼目である新規一元さんに売場はどう見えるか?
お客は何を感じるか?

 店前路上から一瞥しただけで「私には関係の無い店」と即断。その後は無関心。新規来街者に「衝動入店」を訴求する仕掛けゼロですからね。
ちなみに「衝動入店」とは、その店を視認するまで入店するつもりがなかったのに、一目見たら見たくなって入店すること。

 新規客の衝動入店が期待出来るのは、店前路上から視認出来るファサード、売り場が入って見たい、を喚起する情報を発信していること。業容(品揃え・接客・環境)を過不足なく表現していること。
前提となるのは店づくりの技術を持っていること、すなわち繁昌していること。

 一見来街者への入店訴求の準備をしないまま、集客イベント当日を迎えている個店が店前歩行者に与える印象は「あなたには関係の無い店」。来街者はこの印象を持って帰路につき、明日以降の来店は期待出来ない。賑わい創出事業は、事業終了後の来街者・回遊客の増加が目的だが果たされない。
これが、賑わい創出を目的に取り組まれる集客イベントが目的を達成出来ない理由です。イベントにいくら集客しても「入店―お試し買い上げ」が喚起出来なければ、明日以降の来街・来店は発生しない。

 理解したら、販売促進的賑わい創出事業は即時中止すべき。
時間とお金を浪費する余裕はありません。

 個店顛倒―売場【で取り組む販売促進トリオ】=まちゼミ・100円商店街・一店逸品もまったく同じ。
事業に喜んで参加する人が翌日以降、ショッピング目的で来店してくれることはまずあり得ない。

 再確認:売れなくて困っている売り場を放置したまま、集客イベントで来街した人の「衝動入園―お試しショッピング」を誘発しようというのは「できない相談」、もちろん何十回繰り返しても実現できず、個店の繁盛も、街の活性化にもつながらない←いまここ。

 小売業の経験則の一つに「売り上げが落ちたら販売促進をしてはいけない」があります。販売促進はふだんお客に支持されている店・売れている店が取り組んで初めて効果が得られるもの。売れずに困っている店が取り組むと集めた人に売り場の「至らなさ」を確認させるだけ。

商店街のリーダーさんは、「街に人を呼ぶのは組合の仕事、集まった人をお客にするのは個店の仕事」とおっしゃるが、「個店の仕事」の中身については聞いたことがない。指導助言はないということ。「お互い商売のプロなんだから」ともおっしゃるがプロが売れずに困っている、というのが実情でしょうか。

集客事業に即応して「売れる売り場」が作れるくらいなら、組合の集客事業を当てにしなくても日頃ちゃんとお客を確保できているはず。
プロの経験的・売り場づくり技術が通用しないのが「もの余り・店あまり時代」ですね。
あらためて「売り場づくり」を修得しなければならない。

「売り場づくり」とは何をどうすることか?

 個店の軒先まで人を寄せても、レジまで入らせても、売り場には行かず売上は発生しない。「まちゼミ」は売場で開いても回遊はしてもらえない。「一店逸品」は一品は売れても品揃えは売れない。すべて明日の来店にはつながらない。

と言うことで、売り場を作るには『そもそも論』から始めなければならない。
商業理論だって「売り場」をちゃんと理解しないと体系にならなかったりして。

まず専門用語の整理から:
売場とは:小売業において売買が行われる空間
売り場の構成要素:品揃え・提供方法・レイアウト(環境)
売り場づくり:標的客相の消費購買行動・売り場への期待を予測して売り場を作ること=顧客の消費購買行動=問題解決を担保する売場ミックスの創造・維持。(売場ミックス:品揃え・提供方法・レイアウト・beyond)
小売業のコンセプト:売り場が貢献しようとする問題解決としての消費購買行動

 余談ですが、自前の「商業集積再構築の論理」を持ちそれと往還作業をしながら読まないと、中活法のスキームを把握することは出来ないかも。
把握出来ないと、「商業集積としての再構築」というコンセプト―プロジェクト―「そもそも」を捨象した各論羅列が出来上がる。羅列に到達すべき目標は無い←基本計画の現状。
中心市街地活性化法のスキームは単純ではないので、独自に商業集積としての再構築の論理を持っていないと、スキームを使いこなして活性化への道を構築することは難しい。
自前の「商業集積再構築の論理」を念頭しつつ読まないと、中活法のスキームを把握することは出来ないかも。
把握出来ないと、「商業集積としての再構築」というコンセプト―プロジェクト―「そもそも」を捨象した各論羅列が出来上がる。羅列に到達すべき目標は無い←基本計画の現状。

 閑話休題
一般に小売店の売り場は、コンセプトに基づいて「売り場ミックス」を編集して作られる。我々はこれを業容と呼ぶ。業容:【品揃え・提供方法・レイアウト・buyond】で構成された、小売業が提案する「お客から見た来店目的」が売り場ですね。

 新規出店の場合は、ここから始めるわけですが、今問題にしているのは商店街既存店の「売れる売り場づくり」、既設の売り場の業容を変えることで「売れる売り場」を実現する方法、これが【お客に見える店づくり】
お客に見えない売場を見える売り場に変えていくことが売れる売り場づくりのスタートになります。

 活性化が必要な商店街に所属している個店には共通した特徴があります。「この店は、誰が・何のために・使う店か(コンセプトですね)」という小売店にとって最大の情報発信が行われていないのです。この発信は、店前道路に対する「店づくりの現状」を通りに向けて公開することが最大のほうほうですが、これが不十分というか、むしろ積極的に情報を隠蔽しているようにすら見受けられる。

 通りから見る店舗の正面立ち姿は、
1.ノボリ 
2.ポスター、チラシ 
3.置き看板 
4.低価ワゴン 
5.花壇、植木
などで覆われており、店の『業容』をアピールする、という機能をまったく果たしていません。

 これではせっかくみんなで集客事業に取り組んでも、集まったお客に【入店訴求】をしていないことになります。既に書いたように、集客イベントはイベント客に各個店への【衝動入店】が実現しないと目的を果たせないのですが、個店の現状はお客を誘引するどころかお客の眼に店内の情報を発信していない。それどころか現状はむしろ遮蔽する努力をしていることになる。

 多くの個店の店頭がこのような状態にある中で集客イベントに取り組み、個店への入店を期待しても、入店を誘引する仕組みがないので実現するわけが無い。
これが集客イベントが入店客~得意客づくりに結実しない理由ですね。

 なぜこういう「売り場遮蔽」が行われているのか?
実は、この店頭状景は、各個店の販売促進行動の結果、というか販売促進努力そのもの。お客を誘引したい、という努力の結果としてお客に情報を発信出来ない店舗が出来ている、という状況が全国の商店街で起きているわけです。
商業者の怠慢が原因で起こっているのでは無い。むしろ何とか業績を改善したい、という努力の結果として売り場の遮蔽=見えない売場が実現しています。
以下、見えない売場の弊害とその発生原因を確認した後、「見えない売場」駆逐の進め方を述べます。この取り組みこそ増収増益実現の道です。

 見えない売場の弊害:言うまでもないが、お客に売り場の情報が伝わらないため入店を実現出来ない、ということに尽きます。
売り場を覆うノボリ、看板、ポスター、植栽などにそそられて入店する、というお客は極めて少ないでしょう。「誰が何のために」使う店か」一瞥了解可能なビジュアルとして演出提示しないとイベントなどで店前通行量が増えても衝動入店は発生しません。
したがって、得意客増加―回遊客増加―通行量増加というストーリーは成立しないのです。一過性イベントが悪いのではなく、その効果を活用出来ない「見えない売場」がイベント失敗の根本原因です。

では、商店街という商業集積を特徴づけている「見えない売場」はどのような経緯、どのような努力の結果として出現するのでしょうか?

1.客数の減少・通行量の減少
2.少ない通行者に確実に入店を遡及するには店を目立たせることが必要
3.ノボリを立て、看板を増やし、窓にはポスターチラシ貼付
4.景観整備で花壇・植栽の整備と続く。
5.さらに歩行者の足を止めると称して低価訴求のワゴンを店頭に出す
というように、店を目立たせる・アピールする工夫を重ねた結果、肝心の・衝動入店を訴求すべき・売り場の様子が、意図とはまったく逆に、店頭に伝わらなくなってるわけです。

 お店に接近してきた歩行者の視界に入ってくるのは、ノボリ、ポスター、看板、植栽、価格訴求ワゴン等々が雑然と配置されている店頭風景、それを見て「もっと近寄って店内を確かめよう」という人は少ない。何せ「もの余り・店あまり時代」ですからね。店頭風景をチラ見しただけで「私には関係ない」と判断すると、再び視線が返ってくることはありません。売り場の正面に近づき、ファサード全体が見渡せる位置まで来たとき、視線は既にずうっと先に移っている。

と言うことで。
「見えない売場」がお客のウインドショッピングを阻み、衝動入店の可能性を自ら遮断しているという論理が理解されたと思います。

 「お客に見える売場=売れる売り場づくり」の一歩目はウインドショッピングが出来るファサードの整備。整備と言っても投資は不要、猥雑な販促グッズをきれいさっぱり撤去すれば一件落着。これだけで歩行者の視線が店内・売り場まで入ってくる。ホントですよ。

 試しに取り組んでみるとよろし。
一週間ほど続けてみて効果が無かったらもとに戻せばよろしい。
但し、お客に見える売り場づくり、ウインドショッピングを楽しんで貰うにはもう少し頑張らないと。

ショーウインド機能が復活したら、次は売場の見える化。
1.入口から陳列第一線までほどよく空間を作る
2.売り場の一覧性確保 高い什器は壁際、店奥へ
3.回遊スペース確保・什器間引き
4.店頭在庫間引き
等に取り組めば売り場のコンセプト―業容が3秒でお客に伝わる。
さあ、やってみましょう。

 取り組みを始めると、これまで気づかなかった売り場の問題が見えてきます。
解決するとさらに問題が発見され・・・、というように改善が続く。売り場を見る眼、お客の行動を観察する力が変わってくる。
お客に見える売り場づくり、取り組みにすぐに反応してくれるのは常連さん。

売り場が明るくなった、広くなった、見やすくなった、と評価してくれる。
回遊・滞在時間が長くなり買上点数が増える。来店頻度の向上。
これらが大きな励みになり、「売れる売り場」が現れてくる。
一見客が「一度来たかった」「こういうお店だったんですね」などといいながら入店してくる。

ここまで新規の投資は一切ありません。販促・品揃えの変更も無し、ファサード、レイアウト、ディスプレイの自力で出来る改善だけ。
これで常連客の来店回数・買上点数が増え、新規来店客が増加し、客数✕客単価が向上し、不可逆的な増収増益が実現する。ここまでの取り組みで売上10%アップは珍しく無い(先行事例)ということですから指向してみる価値があるというものです。

 「売れる売り場」が現れはじめてその後、「売れる品揃え」を課題に取り上げます。
売れない売り場、見えない売場では、品揃えの問題は発見出来ません。「売れない理由」が売り場にあるのか商品がお客にマッチしていないのか、判断が難しいですから。
「売れる売り場」で売れない商品は、商品自体に問題があるとすぐ分かりますが。
ちなみにこの瀬別は売場でおコン舞わないと、データになってからでは遅すぎます。

 取り組みの過程で「売場で問題を発見し解決する」力が相当付いており、商品構成の改革は、売り場の改革よりもスムースに進められます。
目標は、着手前の売上の1.5倍あたり。ここまで品揃えの改善以外に投資無し。
ここから本格的な「持続可能な店づくり」「コンセプト主導の店づくり」へ進みます。

「売れる売り場」を作ると、増収増益が実現する、常連客客の来店頻度、一見客の来店数が増える論理は以上見て来たとおり。コミュニティモールプロジェクトは、これをプロジェクトの中核に据えて取り組むので、「売れる売り場」が点から線、線から面へ、街区内に漸増して行く。商業集積としての再構築が漸進し、賑わいも逐次実現して行きます。

ウインドショッピング機能が回復し、「買い回り」が増え、通りを回遊するお客が増える。「売れる売り場」の賑わいが通りの賑わいに溢れていく。
通行量の増加、賑わい創出が実現する。
「売れる売り場づくり」から始まる増収増益の結果としての通行量の増加、賑わい創出。

「売れない売り場」に顧客創造を期待して取り組む販売促進・集客イベントと「売れる売り場づくり」、どちらが選択すべき道か既に明らかですね。
ちなみに、「売れる売り場」にはイベントのたびに一見さんが入店してきて、その中から常連さんが増えていく。これが商店街単位で起こります。イベント来街者が高額家具を即決で買うという事例も珍しくありません。
事例は当社ホームページ【事例集】に収録しています。
 商店街・中心市街地ぐるみでの取り組みがお奨めですが、機が熟していない、という場合は、自分のお店だけで取り組んでも効果は必ず得られますので試行してください。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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