試論:中活法スキームの挫折と再生 (1)

 ツイッタ-であらためて『商店街活性化の七不思議』を検討して気づいたのですが、中活法は,それまで個別商店街が取り組んで来た活性化事業=隣接及び上位商店街との差別化、集客イベントなどの手法がショッピングモールをはじめ郊外・広域に立地する商業施設・集積との競合にはほとんど効果が無いことが、全国の都市・商店街における取組で実証されていることを前提に、それまでの取組の方向と方法に代わるものとして提起されました。

  中活法のスキームが実現を目指した商店街活性化とは:
中活法:維持に支障が生じている商店街等を活性化させる
基本方針: 競争力の根幹である『業種揃え・店揃えの最適化
TMOマニュアル:中心市街地に所在する商店街等の商業集積を一個のショッピングモールとして再構築する
という様に、商店街という現場に近くなるにつれて具体的な内容が示されていました。
もちろん「通行量の増加」などは問題になっていません。

中活法における商店街活性化の方向は、
「商店街・商業施設を一個のショッピングジョールに見立てて再構築する」
その方法は、
「業種揃え・店揃えの最適化」です。ちなみにこれはさらに具体的に考えると
「売り場揃え・品ぞろえの最適化」であり、もちろ、既存個店群のすべてがこの作業に取り組んで始めて達成出来る目標です。

 従来、各商店街ごとに取り組んで来た活性化との根本的な違いをしっかり確認してください。
前者は、各個店の業容については各個店が責任を持って取り組む、商店街組織の仕事は街にお客を集める子こと、という分担が言われ、実行されてきました。というか組織の仕事は「集客」に特化していました。
個店の業容の改善=売れない売場の売れる売場への改善―は」個店の仕事されていましたが、個店の従来の営業経験や勘によって可能な改善ではありません。結局、個店の売場の改革改善は置き去りにしたまま、集客事業だけが取り組まれ、一過性の集客には成功してもbそれが得意客の増加―業績の向上にはつながらない、ということの繰り返しでした。

 上述の通り、これを踏まえて登場した中活法のスキームは、「通行量相手の商売」では無く、「商業集積としての再構築」=来街目的の再構築で、商圏内に新たなポジションを確立しようとするものでした。
最も明確な違いは、従来「個店の齟齬と」とされてきた各個店の業容転換を、「商業集積としての競争力の根幹で」ある業種揃え・店揃え即ち売り場揃え・品ぞろえの最適化の担い手として組織的に取り組んでいくことです。

その取組の司令塔として位置づけられたのが「TMO」だったことはご承知のとおり。

 中活法のスキームはなぜ挫折したか?

端的に言って、法の趣旨である「商業集積としての再構築」を推進するスキルが存在しなかった、ということです。
TMOマニュアルでは「商業集積としての再構築」を「ショッピングモールに見立てた再構築」と表現しましたが、これを実現する爲に不可欠の理論・技術を装備しないまま、したがって、基本計画は「再構築のシナリオ」を欠いたまま、作られました。
「商業集積としての再構築」の司令塔と位置づけられていたTMOが所要の能力を持たないまま立ち上げられ、同じくシナリオのない基本計画が作られて、それで「商業集積としての再構築」を中核事業、一体的推進の目標とする事業ミックスが作られるはずがありません。作られた基本計画は,本来スキームが乗り越えなければならなかった「商店街が取り組む集客事業」のレベルの事業ミックスとして作成され、実行されました。
成功するはずがありません。

その後は,手直しの連続です。基本計画を所管大臣認定制に変更、まちづくり会社の創設、目標数値の設定等々。
これらは、活性化が実現できない基本計画を補強するための施策でしたが、本筋を外しているため、ことごとく所期の成果を挙げることが出来ませんでした。
その平成28年段階での総括が28年7月に公表された総務省レビューです。レビューについては何度も検討しているのでここでは省略します。ブログ内検索でどうぞ。

総務省は、レビュー公表に合わせて、取組の効果が得られていない原因の究明と対策を求めています。
しかし、本当に「原因」が究明できるかどうか。これは大いに疑問です。道を間違えていることを自覚していない人が正しい道を探すことが無いのと同じように、中心市街地活性化基本計画の失敗の本当の原因に迫る究明が出来るスキルは無いと思った方がよろしい。

  中心市街地活性化の失敗は、活性化の方向と方法として国が提起したところを都市(及び支援専門家)が理解出来ず、本来スキームによって超克しなければならなかった「販売促進的レベル」に取組全体と貶めたこと。
これが原因ですから、なかなかこれに到達して総括を行い、あらためて対策=活性化の方向と方法を再構築するのは、現有スキルでは困難です。これから人材を育成してどうにかなるというものではありません。
もはや中活法による中心市街地―商店街活性化実現の可能性は無いのかも知れません。時機を失しています。

あらためて「商店街活性化」に特化した取組を計画すべきですが、これもまた、商業理論と技術を持たない関係各位方面に出来ることでは無く、こうなれば、商店街レベルで「繁盛店づくり」という基本中の基本から取組を構築しなおさなければならない。
それしか方法がありませんが、これもけして安易な道ではありエません。
活性化の道は商業集積としての再構築以外に無いのですから、実践を組み立てるとともに必要な理論と技術を獲得、するという、これまで例の無い取組になります。

 本当に活性化したいと思うなら、迷わずこの道を選択しなければならない。
古色蒼然、従来の集客事業で商店街―中心市街地が活性化することはゼッタイにありません。全国全都市の取組で実証済みの悪手を何故性懲りも無く繰り返そうとするのか?
自分の店が繁盛する、儲かってなんぼの商業者は、どうしてこの間違いだらけの活性化に何故異論を唱えないのか。不思議です。
(2)に続く


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