空店舗対策

  あ
商店街の空き店舗を利用して新業態を試行、修得したノウハウで既存個店の活性化を図る、という突拍子もないシナリオを主張する商店街リーダーさんに出合いました。

 展開しようとしている新業態がどういうものかということは聞きませんでしたが、こういう路線は失敗することがやる前からはっきりしています。

 空き店舗の活用やそのためのNPO立ち上げやらと論議しているうちも商店街に空き店舗が増えていく・・・。
いま打たなければならない商店街ぐるみの空き店舗対策は、これ以上空き店舗を増やさない、営業中の組合員に希望が生まれる、シャッターの内側の改革に意欲を持って取り組めるような施策を講じることです。

 空き店舗の活用で街が活性化した、という事例が全国にただの一カ所でもありますか?これまでさんざん取り組んできた空き店舗活用事業、あなたの街で成功させるためには少なくとも次の諸点をわきまえておかないとダメです。

1.他地域では何故失敗したのか、その理由がきちんと理解されていること
2.うちの街ではその理由は当てはまらないか、当てはまっても対処する手段があること=空き店舗を繁盛させられること
3.空き店舗活用の結果が既存店舗の活性化を引っ張っていけること

 如何ですか。
 まず、1.多くの街で取り組んだという報告は入りいろあってもその結果街が活性化された、という報告は全く無いのが空き店舗の活用です。
 そのことを知っていながら、3はおろか2についてさえ何の成算もないままで事業に取り組んでいる。組合が二の足を踏めばTMO=会議所が取り組む。出店希望者がいないとお定まりのコミュニティ施設の開設。
 情報プラザ、託老所などとアイデアは出るが本筋かはずれているため、いずれも失敗続き、というのが全国共通の総括でしょう。

 これらの情報を薄々は知っているくせにどうしてうちの街で失敗を追体験しなければならないのか?
 賢者は他人の失敗に学び、愚者はおのれの失敗に学ぶ、といいますが、実際のところ他人の失敗に学ぶことの出来ない人は、局面こそ変わっても本質的には同じ失敗を何度も繰り返します。

 空き店舗に限らず、駐車ビル、ポイントカード、インターネット・・・、
事業メニューこそ変わっていますがよその街で取り組んで失敗したメニューの追体験、という性格はみんな一緒ですね。

 失敗事例に学ばない街に限って、他人の成功事例を研究しようという気持ちも全くない。数少ない成功事例を見聞しても「あそこは○○だから」ということで納得してしまう。もちろん○○は自分の街が持っていない性格。
 ところが全国の○○的街は活性化していない、すなわち○○は成功の原因ではない、ということは少し考えれば分かることですが、○○だから、自分のまちには関係ない、と決めつけた瞬間、そういうことは念頭から消えてしまうらしい。成功事例に自分の街とは異なった理由を見つけだすと、それが自分たちの街が活性化出来ない大義名分になるらしい。

 よその街の成功も失敗も関係ない、いつか新聞で報道されていたあの事業をうちの街でもやってみたい、コンサルも紹介していたし・・、ということで飛びついてしまう。皆さんの街にもこういう経緯で取り組んだ事業の残骸が残っていることでしょう。

 これが薬になっていない、と言うところに一番大きな問題があるんですけどね。

空き店舗活用に本格的に取り組むためには、街をショッピングモールに見立てた「テナントミックス計画」が事業に先行して作られていなければならない。

 この計画に基づいて、既存個店の転換だけでは不足する店舗について事業を利用して誘致する、ということになります。したがって誘致の対象となるのは業種や業態レベルで選択するのではなく、わがショッピングモールのデスティネーションを補完・補強する性格を備えた業容のお店、ということになります。

 しかし、こういうお店が右から左にあなたの街に進出して来る可能性が低いでしょう。単なる出店では街の魅力強化にならない、それでも空き店舗のままよりはマシですか。一緒に転換に取り組んでもらう、という方向で共同歩調が取れればよしとすべきかも知れませんね。

 問題はいつも申しあげているとおり、空き店舗の向こう三軒両隣の営業中のお店です。こちらもいつ何時閉店セールが始まるか分かりません。商店街が本当にこの時期取り組むべき仕事をさぼって空き店舗事業などにかまけていると次々に櫛の歯を抜くように・・・、という事態が起こります。

 空き店舗が多くて商店街が空洞化している=空き店舗対策の目的が商店街の活性化ならば、まずはこれ以上空き店舗が増えない施策を講じることが先決ではないでしょうか。
 繁盛店が増えれば空き店舗は自然に埋まっていくはずです。逆に繁盛していない街の場合は空き店舗への出店誘致は難しい。
 TMOがコミュニティ施設やベンチャーショップなどを開設しますが、もともとデスティネーションに乏しい立地で成り立つ商売ではありませんから開店休業状態が続くマスコミはオープンのニュースしか流さないので、どこかの商店街の役員さんが「ノウハウ施策」として頭のなかに入れておく、事業計画をの段階でふと思い出して提案すると他の事例を見聞していた他の役員さんが賛同して取り組みが始まる、という具合でしょうが、これは空き店舗対策に限らず、商店街活性化の試み全体に言えること、マスコミは取り組みが始まったことは報道しますがその顛末については知らぬ顔だということを覚えておきましょう。

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