もし、ドラッカーが商店街活性化に取り組んだら(増補版)

ドラッカー先生曰く、事業の成果は事業終了後、事業の外に現れる、と。行政が支援する商店街活性化事業の成果はどこに現れるのかな。商業理論を持たず..「地方自治体の責務jとしての商店街活性化にどう取り組むべきか?

ドラッカー先生が事業の評価監視を行えば「事業の成果は事業終了後、事業の外部に現れなければならない」を基準に評価することになるので。

①空店舗対策事業:

 開店資金を支援して新規開業させたら、その結果、店舗の外・街全体にどんな成果が得られるか?
空店舗活用事業は、空店舗を活用して―新規開業を支援して―、街にどういう効果が得られることを期待しているのか。
空店舗が埋まっただけじゃ、街の活性化を実現することは出来ない。開業した店舗の周囲にその効果が現れなければいけない。どんな効果が期待されるか。ちゃんと計算して取り組まれているでしょうか?

 仮にも補助金を使う以上、店舗の外に効果が得られないとダメでしょう。制度を作る行政は、期待する外部への効果を掲げ、それをクリア出来る開業企画だけを支援する、ということでないといけないですよね。厳しい経営環境できちんと家賃を払って営業している組合員もいるわけですから。
でも現実は「空店舗が埋まるだけでもいい」らしい。

 これは商店街活性化事業としてはおかしな話。空店舗が埋まることでその周辺~街全体に「作用」が起こらなければいけない。そんな企画を持つ開業者を支援するのが空店舗を活用した商店街活性化でしょうに。
行政は本当はそこまで考えて企画すべきところ、現実は空店舗を埋めることが自己目的化している。

 空き店舗活用に取り組む行政は、どういう業容の店舗が開業すれば街に好影響が得られるのか、ちゃんと考えて公募を掛けないと。だれでもどうぞ、では活性化事業にならない。
そのためにちゃんと勉強するか、専門家の意見を聞くこと。

次に

②通行量の増大:通行量が増えると、街に何が起こるか?

 通行量が増えると、その結果として街に何が起こるでしょうか? 通行量を欲しがっている人たちは、何が起こるといっていますか? 通行量(来街客では無い)が増えると人が大勢歩く、それ以外に何か「起こる可能性が高いこと」がありますか?

ドラッカーさん的には、通行量を増やすのはそれが目的では無く、通行量が増えた結果として「起きること」が目的です。何が起きますか? 通行量増大を目標に事業に取り組んでいる人たちは、通行量を増やせば、街に何が起こると考えて通行量増大に取り組んでいるのでしょうか?

特に、公的資金を投入して通行量増大に取り組む場合は、「通行量増大の結果期待出来ること」をちゃんと秤量しておかないといけない。目的は通行量では無く、通行量が増えた結果として街で起こること、ですからね。
中心市街地活性化基本計画、「経済活力の向上」の目標数値に通行量を上げている都市は少なくないのですが、通行量の目標数値を達成すると街に何が起こるのか、ちゃんと想定している基本計画は無いと思います。
何が起こるか、特段期待してはいないが、目標は通行量の増大だ、ということですね?
これはドラッカー先生的にはとてもまずいこと。公金を投じるならなおさらのこと。

 通行量が増えると街にどのようなことが起こるか?
期待されるのは、「経済活力の向上」すなわち経済的効果、街全体の売上の増大=客数(通行量ではなく)、客単価の向上ですね。
通行量の増大は、客数・客単価の増大という「事業の成果」を実現できるか?
通行量の増大≒客数の増大は、担保可能か?

 通行量の増大が経済活力の向上を実現するには、通行量が「入店客」―「購買客」に変化しなければならない。
この変化は、通行量が増大することで自動的に実現するか?
店舗・売場は、増えた通行量を売上アップにつなぐ唯一の「装置」だが期待通りに機能する条件が整っているか? ということですね。

 これは、事業実施に先だってしっかり確認しておかなければならない重要ポイント。店舗・売場は、増える通行量を誘引しお客に変化させる力を十分持っていること。この条件は成立しているだろうか?
店舗・売場が機能しなければ、通行量の増大は、所期の成果をあげることが出来ない。

 これは極めて重大なことです。顧客増が実現出来なければ、事業で増大した通行量が恒常的な来街者数として定着しない。すなわち、通行量の増大は、実現できない。通行量増大事業の成果は、店舗・売場の出来映えに依存する。

 通行量の増大を経済活力の向上のバロメーターにしたければ、取り組むべき事業は、通行量の増大だけでは不十分、街のショッピング客を増やすシステムを整備する事業、すなわち「売れる売場づくり」、売れる条件を整えていないと「通行量が増えれば売上が増える売場」は実現せず、通行量の増大事業は失敗する。

 同じことが空き店舗事業についても言えますね。
空き店舗事業の成否(経済活力の向上への貢献)は、周辺の店舗・売場の「売れる売場」の程度にかかっている。売場間の相互作用、相乗効果が発現しない条件での存続は容易ではなく、条件を揃えていない出店は失敗する可能性が。

 「もしドラッカーが商店街活性化に取り組んだら」
その取組は、事業に先だって存在する目的を、事業終了後に、事業の外に実現するために取り組むべき、もっとも効果的な事業であり、かつ、もっとも効果的な取組方を工夫したものになるはず。取組が容易で取り組むほど直接・間接の効果、波及効果が期待される事業であることが必要条件。

 ということで、ドラッカー先生がもし商店街活性化に取り組むとしたら、メインの事業は、「売れない売場を売れる売場に、売れている売場をもっと売れる売場に」転換する事業ではないでしょうか。

 状況は逼迫しており、時間も限られているなかで、商店街活性化―持続可能性(再投資可能性)の再構築―経済活力の向上を実現するには、目的実現に最も「響く」目的を設定することがとても重要です。適切な目標を設定しないと、限りある「人・物・金」を活用することが出来ません。

 設定する目標は、目的との関係が単純で分かりやすいこと、自力中心で達成出来ること、取組の間を通して成果(経済活力の向上。売上増進)が得られ続けること、などの条件が揃っていることが必要です。
取り組みを通じて事業に参加する個店の業績向上が実感されることがとても大切。

「売れる売場づくり」
 商店街でこれを望んでいない人はいないと思いますが、商店街活性化実現の目標として掲げている商店街は聞いたことがありません。どうして掲げないのか、謎。
というか、「売れる売場の作り方」が分かっていないと「売れる売場づくり」は目標にしにくいのかもしれません。

 でもご安心、「売れる売場づくり」の方法は、各地の商店街有志との協働で当社が確立しています。目標としての合目的性を確認出来れば、道はおおきく開けます。
活性化の実現は、「達成を目指す目標」次第。目標を間違うと実現できる目的を実現できなくなります。

 商店街活性化は一日にして成らず、日々の経営行動そのものの変化、売場の変化で実現していくもの。売場が変化しない限り、活性化が実現することはありません。
ならば、取組は核心的目標=「売れる売場づくり」に集中すべき、販売促進的周辺事業の成果は核心的事業の成果無くして得られません。

「もしドラッカーが商店街活性化に取り組んだら」

 核心的目標として「売れる売場づくり」を掲げるのではないでしょうか。取り組みを決意すれば成功への条件を整えていくことは難しいことでは無い。ドラッカーイチ押し(たぶん)の「売れる売場づくり」、着手にためらうことは無いと思いますが・・・。

 取り組めない事情というのは、「活性化出来ない事情」の一部であることが多いですからね。取組の中で解消しなければならない事情を温存したままで取り組める事業を選択していたのでは、そら、出来ることも出来なくなります。
まず有志を募り、モデル事業として「売れる店づくり」に挑戦することが第一の目標になります。キラリに土江は、皆さんすでに、「耳にタコ」状態ですね(^_^)

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