「目的:経済活力の向上」を実現する真の目標は?

中心市街地活性化基本計画、評価対象の全計画が目標未達、取組の効果が発現しているとは認め難い、という総務省レビューの意味するところは,極めて深刻。
平成10年以来、連綿として取り組んで来た結果がこれですからね。

思うに、目標数値として掲げられた通行量、空き店舗数、売上等々は、中心市街地活性化=経済活力の達成度合いを測る数値としては適切とは言えない。まして参看した限り、数値設定が恣意的すぎる。設定した目標数値が恣意だということは達成のための取組もだいたい察しがつくというもの。

経済活力の向上のための取組をコントロールする数値なら,当然、活力力向上のための努力と相即的な数値で無いと取組をコントロールする機能を果たせないはず。
数値目標はもっと直接的、かつ自分たちの努力で直接達成出来るものでないと。
通行量とか関係する変数多すぎだろう。

商店街活性化という目的に対して決定的意義を有する目標とは何でしょうか?
通行量? 空店舗リノベーション? それとも・・・・?

参考:戦いに於いては目的に対して決定的意義を有する目標を確立し、その達成を追求しなければならない。
―陸上自衛隊教範『野外令合本』 第一部 綱領


色々な提案、取組があるのは結構ですが、その取組が商店街活性化にとって決定的な意義を有すると主張する場合は、その主張の根拠を明らかにすべきでしょうね。その事業の成功の延長上に商店街活性化が達成されるとする根拠。

中心市街地活性化基本計画における活性化の定義:経済活力の向上の達成(推進)に決定的な意義を有する目標とは何か?それは数値化できる性質のことがらか?
ということは「経済活力の向上」に関わる数値目標を決めるに当たって緻密に検討すべきことでしたが、実際はどうだったか。

この目標を達成すれば、「経済活力の向上」が確実に実現する、という「何か」が目標に決定されるべき。
目標が「通行量」だとするなら、通行量を増やせば「経済活力の向上」が達成されることを論証しなければならないのですが、実務で所要の論証作業が行われたかどうか。

決定過程は不明ですが、多くの計画で経済活力の向上を達成する決定的な目標として通行量が選択され、さらにそれが数値目標として決定され、追求された結果が『総務省レビュー』だった、ということです。
これをどのレベルで総括するのか、それによって今後の中心市街地活性化の命運が定まる。

「論理・戦略・技術」を構築、確認したうえでないと、「目的達成に決定的な意義を有する目標」に到達することは出来ない。出来ると思っている人が多いようですけどね。こういうことは多数決には馴染みませんから。

経済活力
中心市街地活性化とは、当該市街地における「都市機能の増進と経済活力の向上(『中活法』第一条) のこと。
多くの基本計画において設定されている数値目標「通行量増大」の目的は「経済活力の向上」です。
経済活力とは何か? それは目標:通行量の増大で達成できるものでしょうか?

「目標としての通行量増大」の意味:
通行量を増やせば(その結果)目的が達成されるのか・・・入口論
目的を達成すると(その結果)通行量が増えているのか・・出口論
実際は入口でも出口でもなく・・・

区分されておらず自己目的化していることが多い。目標数値は、コミュニティ施設、非物販集客施設、マンション等の建設、イベント・催事の開催等の結果として増加する通行量を積み上げたものが多い。各種事業の成果として積み上げた数字が経済活力の向上とどう結びつくかは論じられてない。

はじめに各種事業メニューがあり、それらに取り組むことによって増える通行量を想定し、その合算を「目標数値」に掲げる、という構成。本来なら、計画期間中に実現する「経済活力の向上」を設定し、それを可能にする通行量を見積もり、各種事業の推進でこれを実現する、という構成になっていない。

増やす通行量がどのように作用することで経済活力の向上を実現するのか、という論理が示されていない。誰が本気で「通行量の増加」を追求するだろうか?
その結果が妄無償レビューではないだろうか?
といったことを論じてよしとするものでは無いので、以上の所論を踏まえてポジティブな方向へ。

目的と目標の関係
目的:経済活力の向上
目標:目的の実現について「これを達成すれば、(他の要因との相互作用も含めて) 目的を達成することが出来る、と考えられること
と措けば、目的を達成するために設定する目標は、「目標とその他の要因」の相互作用で目的を達成することになる。

目標は、経済活力を構成する他の要因に対して主導的、積極的な作用を及ぼす機能を持っていなければならない。目標を達成する努力が目標と連関する他の要因にも作用し、経済活力を構成する全体が向上するということ。この機能を持たなければ、経済活力の向上の実現を牽引する目標たり得ない。

以上を踏まえて「通行量」を考えてみよう。通行量が増えると:
入店客が増えるか?
買上点数が増えるか?
来店頻度が向上するか?
得意客が増えるか?
ということ。
特に新規来街者に入店を訴求する魅力を持つ個店群が「通行量の増加」を契機に増加するだろうか?
ということですね。

つづめて言えば、目標である「通行量の増加」を追求すればそれがシャッターのうち側に作用して
入店客が増える
買上点数が増える
来店頻度が向上する
得意客が増える
その結果として
「経済活力の向上」が実現するだろうか???
「目標・通行量の増大」はこれが出来るという主張ですね。

これが出来ると思う人は、これまでと同じく通行量の増大に知恵を絞ってもらうとして、これはちょっと無理、と考えるなら、商店街全体として
入店客が増える
買上点数が増える
来店頻度が向上する
得意客が増える
即ち経済活力の向上を実現するには何を目標にすべきか考え直さなければならない。

というか、答えは既に出ているわけで。
入店客が増える
買上点数が増える
来店頻度が向上する
得意客が増える
状況を作り出すこと。
すなわち「売れる売場を増やすこと」
これが「目的:経済活力の向上」を実現するため,努力して実現する「目標」です。
これを追求,実現すれば、

「経済活力の向上」の実現に必要なその他要因に影響を及ぼし、好循環が発生する。「売れる売場の増加」は、通行量の増加、空店舗の減少をもたらし、また、それらをもくてきした事業の成果を担保する。
「経済活力の向上」の実現に直結する目標は、
「売れる売場を増やすこと」
でした。

目標:売れる売場を増やすこと。
売れる売場を作ると:
入店客が増える
買上点数が増える
来店頻度が向上する
得意客が増える
「売れる売り場」が増えると
回遊が生まれる
集積の魅力で新規来街客が増える
新規出店で空店舗が埋まる
後継者が出現する
等々いいことづくめの裡に

経済活力が日増しに向上し、商店街は活性化する。
ちなみに、「経済活力の向上」は法改正以前は「商業の活性化」でしたからね。
小売商業高度化事業を筆頭に施策メニューは、現在も商店街活性化オンパレード。

縷々書き散らかしてきましたが、言いたかったのは、毎度のコトながら、
商店街を活性化したければ「売れる売場」を増やしましょう
ということです。
数値目標を掲げるならば、
1,売れる売場づくりに参加する個店数
2.取り組んだ結果、繁軌道に移行した個店数
の二つ、これを年度に配分する。

経験則「2:8の法則」では2割が積極的に行動すれば全体の傾向を変化することが出来るとされていますから、これを援用して:
目標は、
1.3年後に全体の2割の売場を「売れる売場」に変容することを目標に「売れる売場づくり」を運動として展開する
2.3年間で全体の5割の店が運動に参加する

で、あらためて言うも愚かながら。
その方法が既に各地で実践されている「キラリ輝く繁盛店づくり」。
1.有志を募って事業立ちあげ、
2.成果を実証して後続を募る
3.点から線、線から面へ取組を拡大する
数値目標を自助努力で達成し、目的を達成する。絵に描いたような目的―目標ですね。

ポスト『総務省レビュー』の商店街―中心市街地活性化の取組、地方公共団体の都市経営の一環に位置づけた取組なら、経済活力の向上=域内「所得~消費~所得』循環の担い手、地場小売業が集積する商店街活性化の目標は、【売れる売場を増やすこと】でキマリではないでしょうか。―お終い―

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