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『基本計画』の展開

 基本計画、新たに5つの都市が認定されました。

本部経由でさっそくアクセス、「目標」と「商業の活性化」をざっと読んでみました。皆さんは如何ですか。
認定済みの計画のほとんどがWeb上にアップされていますから、ひととおり読んでおかれることをお奨めします。

 これまでアップされている多くの『基本計画』がその実施予定の事業群について、スキームに定められた記載事項をスキームでしめされている要領で記載しています。

 問題を感じるのは、「商業の活性化のための事業」です。
福利や居住促進の事業は、単位施設を整備すればとりあえず一件落着ですから、○○を整備、という記載で良いかも知れません。
しかし、「商業の活性化」はそれでは済まないのではないか?

 商業の活性化を実現するための事業は、ハード&ソフトの両面に渡って多様な取り組みを展開することになりますが、これは一過性の単発事業を計画期間に配置して取り組めばよいというものではありません。
たとえば“ショッピングデスティネーションの再構築”という『一体的推進の目標』を掲げた場合、これを達成するために必要なソフト&ハードの事業群を「活性化のシナリオ」に基づいてそれぞれの事業を連携させつつ、期間中に配置して実施していく計画を立てることになります。

 初年度はおそらく「革新」の実現に必要な基礎レベルの事業を中心に取り組むことになるでしょうし、2年目は1年目の取り組みの成果を踏まえて一段上の事業に取り組むことになるでしょう。さに3年目は、というように取り組みは「デスティネーションの最適化」に向けて高度化されていくことが必要です。

 「デスティネーションの最適化」は、もちろん「業容三点セットの最適化」を意味しますが、なかでも重要なのはいうまでもなく「売り場連携(テナントミックス)の最適化」です。これは、域内の全商業者が「業容革新」を勉強し・仮説を立て・試行するという「漸進的方法」で取り組んでいくことになるはずです。一挙に変える能力はありません。これは個店についても単位集積についても中心市街地全体についても言えることです。

 単位集積(商店街)レベルにおける初年度の取り組みの中心は、意欲的な商業者をモデルに選定、「業容転換」への試行をスタートさせることになります。2年目は「モデル」にいっそう磨きを掛けつつ、第二陣をスタートさせることになるはずです。取り組みは次第に高度・広範になり、計画最終年度に所期の目的である「デスティネーションの再構築」が当面の目標水準で達成されることになる。

 というように、事業は各般の事業を有機的に連携させながら、基礎的なものか次第に行動なものへと段階的に取り組んでいくわけですから、当然、計画期間中の各年度にはそれぞれ事業が配置され、しかるべき達成目標が設定されなければならない。
全店一斉に初年度から最終年度まで同じ事業を繰り返していれば活性化が実現する、ということはありませんよね?

 ということで、毎度のことながら申しあげますと、『基本計画』は「活性化のシナリオ」を実現していくための各種事業をどういう順序で実施していくか、ということを決定し、個別事業をしかるべき位置・時期に配置する、という機能を持っています。
この機能をうまく活用しないと、いくら事業に取り組んでも「目標」に接近できない、というとんでもないことになりかねません。
これまでの取り組みがそうだったように・・・。

 この時期に作られる『基本計画』は、商業の活性化にとっては「商業活性化5カ年計画」という性格を持っている(持っていなければならない)ことは了解されたことと思います。長期計画の常として、手前の年度の事業は「何にどう取り組むか」明確に計画されていることが必要です。端的に言って「基本計画期間」がスタートしたら、これまでのルーティーンワーク(たとえばイベント)の中身もドンドン変わっていくはずですから、それらの具体的な転換についても計画が必要です。
「計画が出来上がったら行動が変わり始める」というのは当たり前ですからね。

 計画期間後半の取り組みは、前段階の事業の進捗・成果を基盤として展開するものが多くなりますから、当然、計画内容は前半に比べると抽象的にならざるを得ません。
 『基本計画』は、期間前半の取り組みは詳細・具体的に計画され、後半になるにつれて抽象的になる、場合によっては実施時期と実施場所だけが記載される、ということもあるでしょう。
 いずれにせよ、商業の活性化に関する事業計画は、スキームに示されている順序で各項目を「計画」すればよい、というものではありません。出来るだけ事業内容・実施時期・他の事業との関係・連携について明文化しておくことが必要です。

 「活性化のシナリオ」の展開として企画する各種事業を、有機的な連携の下で基礎的な事業からより高度な事業へと段階的に配置し、実施することは、目標達成に不可欠のことです。『基本計画』は個別事業の「計画集」ではなく、全体を「中心市街地活性化」という目標を達成する「一つの計画」として作らないと、最終目標を達成することはできません。
 このような着眼で見るとき、先行諸計画はどのように見えるか、目下作成中の計画はこのような要請に応えきる質量を持っているか。
あらためて検討してみる必要がありますね。

 計画担当の皆さんにとって、他都市の計画を検討することはとても意義があると思います。
以上、縷々述べてきたことを念頭に検討されると、さらに得るところが大きいはずです。

※ところで。
ご承知のとおり、当社は計画作成のスタート時点の取り組みを提案しています。

 取り組みの趣旨について異存のある人は少ないと思いますが、問題は取り組みが行われたかどうかということです。
当社流を採用するかどうかは別として、新しい基本計画の作成に当たっては、諸般の条件を勘案してこういう取り組みにする、という合意を「作成委員会」の」委員さんたちだけではなく、事業の結果をもろに蒙る、かつ本来なら事業の主体となるべき商業者の皆さんにも周知照ってしたおかなければならない。

 ということで、“基本計画作成に着手する時点”での合意形成はどうなっているでしょうか。
これから作成を検討する都市は、着手する前に是非、「合意形成」の機会を設定されることをお奨めします。
これは後で気づいても文字通り「後の祭り」ですからね。
遅くとも「計画作成プロセス」中には必ず取り組まなければならない。もちろん、お奨めは事前準備段階での実施です。


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  • Author:進化する売場研究会
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    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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