再掲・「活性化」の数値目標

総務省〈行政監視評価報告書(中心市街地活性化分)」関連
目下、SNSで検討中ですが、当社の基本的な見解を再掲しますので関心のある方はどうぞ。
作用店街活性化という関係者、事業分野、所要時間等が多岐にわたるプロジェクトの管理に用いる「目標〉としてはどのようなものが適切化、というところから再考が必要になっています。

もちろん、本気で活性化したいと決意しているなら、のことです。

記事再掲 平成15年9月1日分*************************

商店街・中心市街地活性化の取組では、ご承知のとおり、“数値目標”が設定されます。
総務省の行政評価で中心市街地活性化が進展しない理由として、“目標が具体的に設定されていないから”と指摘され、具体的な数値
目標を設定することが提言されました。
例として、売上、通行量、居住人口、空き店舗数など。

その後、中心市街地活性化基本計画では数値目標の設定が義務づけられ、多くの都市の計画が“例示”の中から目標項目とその数値を設定しました。
このとき、なぜその項目を目標に設定するのか、さらに数値はどういう根拠で算定したのか、ということはほとんど議論されないまま、決定されたところが多かったと思います。
エビデンス(根拠)無き目標設定。

先日ツイッター上で、ある都市の中心市街地活性化の計画期間終了に伴う総括が紹介されていました。
■事業の進捗状況は、“概ね順調に進捗・完了した”
■活性化状況は、“相当の改善が図られた”
という総論で、内容を見ますと、目標数値として掲げた各項目について、
■通行量:目標クリア
■居住人口:目標クリア
■空き店舗数:目標クリア
■年間商品販売額:大幅に下落
という結果になっていました。

いうまでも無く、これは重大な意味を持つ結果です。
これまで関係者の間で常識化していた、“住む人、来る人を増やせば街は賑わう”、“空き店舗を埋めれば商店街は活性化する”
といった前提がものの見事に覆されたわけです。

住む人来る人が増え、通行量が増え、空き店舗が埋まっても 商店街の「販売額」は向上するどころか、長期低落趨勢から脱却出来ない、ということがハッキリ示されたわけですから。

あらためて考えれば、
①居住人口:マンション建設でOK
②通行量:非物販集客施設の整備でOK
③空き店舗:空店舗活用事業(補助制度)でOK
ですが、
④販売額(経済活力の向上=付加価値創出力の強化)
という最重要目標だけは、シャッターの内側の転換に取り組み、.「売れる店・商店街」に変わらないことには達成出来ないことが
誰の目にも明らかになったのではないでしょうか。

 ①~③、通行量の増加や空き店舗の減少を目標に掲げるに際して、なぜこれらが目標にふさわしいのか、達成すれば④の「活性化」が実現するとなぜ言えるのか、という根拠が示されたことはありませんでした。
例示された項目について、漠然と実現出来るだろう、と考えた数値を挙げただけ、という設定法をとった都市がほとんどだったと思います。
あなたの中心市街地は如何でしたか?

その結果、今日取り上げたような【総括】となったわけですが、恐ろしいことに設定した目標が活性化実現に結びつかなかったことについての根本的な反省:「目標として選択した項目は適切だったか?」は行われていないのではないか? 如何でしょうか。

なぜ、こういうことが起きているのか?
原因はハッキリしています。
①中活法の趣旨とスキームが理解されておらず
②「活性化」が定義されておらず、
③商業活性化の方向と方法について理解していない
④状況分析もしていない、出来ない
という状況で、国が制度を作ったから利用する、といった漠然とした取組だったからですね。

なぜこんなことが起こっているのか?
その根本原因は、「計画」についてのリテラシーが不足していること。
都市だけでは無く、都市の能力を補完補強するために招聘した計画作成の専門家の能力が、この課題への取組にミスマッチだった、ということです。

折しも現在、『地方創生総合計画』の作成たけなわですが、またしても同じ程度の計画が蔓延する可能性は高いと予言せざるを得ない。

もちろん、都市の「持続可能性の再構築」という課題の緊要性は、中活基本計画を作った頃からさらに緊迫の度を深めているのですが・・・。

我々は、中活法のスキームによる中心市街地・商業街区の活性化が都市経営上の優先課題として取り組まれるようになって以来、中活法のスキームに基づく「活性化への道」を提唱しています。
そのキモは、「商業集積としての再構築」であり、この一点を外した取組は中心市街地の問題状況を突破して行くことが出来ないことを縷々説明して来ました。
残念ながら、理解する人は限られていました。

今日紹介した例は、けして珍しいものではありません。
多くの都市の取組がよく似た結果に終わっています。

 いまや、商店街・中心市街地活性化は、根拠の無い目標、根拠の無い目標数値設定で期待する結果が得られるような生やさしい問題ではない、ということを確認し、それでも活性化しなければならない根拠を再確認し、あらためて「活性化への道」を想定し直すことが必要になっています。

念のために言っておきますが、
中心市街地活性化の可能性を実証できない都市が地方創生に成功する、ということは絶対に不可能です。
なぜそう言えるか?
計画作成に必要な能力を持っておらず、かつ、そのことが自覚されていないから、ですね。
自覚すれば、打つ手が分かりますが、分からなければ打つ手を間違います。
これまでどおり。

 一度、我々の提唱するところをきちんと理解する機会を持たれることをあらためてお奨めします。

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