商店街活性化、周辺事業と中核事業

 商店街活性化は、一過性の取組を加上していくことでは無く、活性化に
成功した商店街の情景(ビジョン)をイメージして、現状からそのビジョンの
実現に向かって、事業群に段階的・一体的に取組み実現して行きます。
商店街の現状に何かを追加するのでは無く、商店街を「活性化の実現」に
向かって動かしていくために取り組むのが活性化事業です。

 商店街活性化の取組を実現する「枠組み」として国が示しているのが、
中心市街地活性化法のスキームです。これは。
①中心市街地活性化法
②同上 基本方針
③TMOマニュアル
の三種の文書で構成されています。

 実務で大事なのは、③の『TMOマニュアル』(平成12年)。
これは中心市街地活性化の『司令塔』を務めるTMOの業務内容、実務の
取組方などを示すものですが、現場ではあまり重要視されていません。
たぶん、内容が専門的なので活用することが出来ないのだと思います。
今からでもけして遅くはありません。
『TMOマニュアル』は是非熟読、自分のものにしてください。

 さて、今日のテーマはマニュアルではなく、『基本方針』です。
ご承知のとおり、法律は施行に当たって、『基本方針』が作成されます。
これには、法律制定の根拠である問題情況及び基本的な課題、問題
解決の方向と方法などについて示されています。
基本方針無しで法律に基づいてその趣旨を実現することは難しい。
補助制度なども基本方針に基づいて組み立てられますから。

 基本方針では、法制定以前の活性化の取組について、『何故活性化
出来なかったか』総括されています。その総括にもとづいて中活法の
スキーム:支援制度が作られていますから、基本方針の「総括」を踏ま
えずに基本計画を作ったり事業に取り組んでも中活法の趣旨に合致
して、活性化を実現出来る取組になるとは限りません。
各地の基本計画を見ますと、『基本方針』をきちんと読み込み、理解
して作ったのかな、と疑問を持たざるを得ないものが少なからず見受
けられます。
中活法のスキームで商店街活性化に取り組む場合、この作業を省略
するとスキームはきちんと機能しません。
支援制度も所期の効果を発揮することが出来ないと思います。

 今日、確認していただきたいのは、商店街活性化の「周辺事業」と
「中核(根幹)事業」について。
基本方針では、これまでの取組が期待したとおりの成果を挙げられ
なかったのlは、事業がもっぱら「周辺事業」に止まり、「中核事業」に
関する取組が不十分だった、と指摘しています。
周辺事業とは何か、中核事業とはどのような事業か?
きちんと理解せずに中活法のスキームを活用することは出来ません。
  
 周辺事業とは: 
「基本方針」第七章2中小小売商業高度化事業①趣旨は次の様に
書かれています。

第七章2①高度化事業の趣旨
 中心市街地における中小小売商業の活性化のための取組が、従来、
a)個々の商店街ごとの活性化努力にとどまり、複数の商店街による
 広域的な中小小売商業の発展に必ずしも結びついていなかったこと、
b)専ら基盤整備などの周辺事業にとどまり、中小小売商業としての
  競争力の根幹である業種揃え・店揃えの最適化に関する取組が
  不十分であったこと、
c)主に事業を営む中小小売商業者を中心とした取組であり、地権者等
  との連携が不十分であったこと、
d)まちの様々な事業主体との連携が不足していたこと

などを踏まえ、

1.商業者を取り巻く様々な関係者との連携の上に立った
2.意欲的な中小小売商業者による業種構成・店舗配置、基盤整備及び
 ソフト事業を総合的に推進し、
3.周辺地域への波及効果が認められる

商店街等中小小売商業の高度化を通じた中心市街地のにぎわい回復
に資する取組を戦略的かつ重点的に促進するものである。
(『基本的な方針』p13)

 「にぎわい」は“商店街等中小小売商業の高度化を通じ”て回復する
ものである、と明記されています。
にぎわいを回復して商業を活性化するのではなく、小売商業の高度化
を実現し、その結果としてにぎわいが回復する、というのが『基本的な
方針』の立場です。
 ぶっちゃけ、『基本計画・商業との活性化の計画」とりわけその中核と
なる「中小小売商業高度化事業」については、この「趣旨」を拳拳服膺
(けんけんふくよう=忘れず、背反しないように心掛ける)しなければ
ならない。

 『基本計画』にはこの「趣旨」が隅々まで行き渡っていなければならない
のですが、takeoがチェックした基本計画で『基本的な方針』をしっかり
読み込んで作られていると認められるものはほとんどありません。
あなたの商店街の計画はどうでしょうか。

(ちなみに、「中小小売商業の競争力の根幹」である「業種揃え・店揃え」
をしっかり実現しているのは、中心市街地の天敵・広域型ショッピング
センター=ショッピングモールだということはあらためて申すまでも
ありません。)

中心商店街VS広域SCの競争は、

中心商店街=周辺事業にかまけている商業集積 
 VS 
業種揃え・店揃え=テナントミックスに取り組んでいる商業集積 

の競争ですから、商店街に勝ち目がないのは当たり前です。 

 さて、「業種揃え・店揃え」とは、「当該商業集積が地域において果たして
いる役割及び今後果たすべき役割 (『方針』p11)」 に基づいてテナント
ミックスを構築することです。もちろん、既存個店群も当該商業集積が
目指す「果たすべき役割」を実現する方向で「業容転換」に取り組まなけ
ればならない。

個店の業容転換は、
①劣化スパイラルに陥っている個店の繁盛実現への起死回生策である
と同時に
②当該商業集積の「果たすべき役割・あるべき姿」を実現するための
不可欠の取組
なのです。

 当サイトがいつも強調しているところですが、これは「閣議決定・基本的
な方針」が示している「趣旨」とまったく同じ方向・方法であることをしっかり
確認してください。
この方向&方法を無視した取組・計画は、従来どおり「専ら周辺事業に
とどまっている」可能性が大ですからね。

 もう一つ。
この際確認しておきますと、基本計画の作成、タウンマネジメントの推進
などの取組を支援する、という名目で外部から招聘される「専門家」で『
基本的な方針』をしっかり読み込み、それに即して自分の任務を遂行して
いる人は、takeoが知る限り、ほとんどいませんからね。
「専ら周辺事業」に勤しんでいる人ばかり。
 『基本的な方針』を理解し、実践に活かしていくには「専門的スキル」が
不可欠です。

 ということで、
「活性化計画の盲点」は、取組の指針である『基本的な方針』を理解せず、
したがって計画に反映できず、結果的に計画~実践が「専ら周辺事業」に
とどまっている、という基本中の基本のところにあるわけです。
 「周辺事業」と「中核事業」をしっかり理解し、中核事業の進展があって
はじめて周辺事業が活きてくるのだとキモに銘じて前進してください。

 そのとおり、と思った基本計画担当者さんは、さっそく事態を修正する
働きをスタートしなければならないわけですが、さて、出来ますか?
念のためにつけ加えておけば、『基本的な方針』を理解するためには
「商業理論」を装備しておくことが前提、「勉強無くして活性化無し」。

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