商店街活性化・第三のミッシングリンク

当ブログは最近、「ミッシングリンク」という言葉を多用しています。
ミッシングリンク=道路や鉄道のように連結していないと用途を果たせないものが、何らかの原因で一部が途切れているため全体の機能が損なわれているとき、〈失われている部分〉のこと。

これまで、都市経営、地域活性化という課題には、二つのミッシングリンクがあることを説明し、その解消法について提案
してきました。
今日は三つ目のミッシングリンクの存在について説明、これを修復することが第一、第二のミッシングリンクの修復につながる
ことを説明します。

 まずこれまでのおさらいで二つのミッシングリンクについて。

1.都市経営のミッシングリンク

  都市が持続可能性を維持するためには、高度成長期とは一変した状況において、地域に入ってきたお金が域内で出来るだけ循環する仕組みを作り直さなければならない。循環とは、消費段階で使われたお金がもう一度地元の「所得」「収益」となり、地元で使い回されること。
安定的に循環するとそれが原資となって新しい投資が喚起され、その分域内を流通するお金が増えます。これが経済成長です。
(藻谷浩介的「里山資本主義」とか信じてないですよね)

  この循環が上手くいかないと地域がどんなに稼いでもそれは稼いだ人止まり、地域全体が潤うことにはなりません。
高度成長期にはこの循環が地場商業の売場を「ポンプ」にうまく機能していました。
これを破壊したのはその後絶え間なく続くチェーン小売業=現金回収マシーンの出店です。地場小売業がチェーン店との競合に敗退したことがお金の循環を衰えさせた原因、地場小売業の衰退こそが「循環のミッシングリンク」です。

  域内におけるお金の循環を再構築するには、ミッシングリンクを修復すること、すなわち、地場小売業の活性化が必要であり、
地場商業者が多く集積する商店街の活性化は、都市経営的にはこの文脈でとらえないと取組に気合いが入らず、成果を挙げる
企画になりません。

2.商店街活性化のミッシングリンク

  商店街活性化については、ソフト・ハード両面において本当に多様な施策が取り組まれています。しかし、残念ながら活性化=
商業集積としての持続可能性を再構築する、という方向で成功している例は極めて限られています。ご承知のとおり。

  商店街はなぜ活性化出来ないか?
そこにもミッシングリンクが存在するから、というのが我々の判断です。
商店街のミッシングリンク、それは、通りの通行量を商店街の愛顧客に変換する「仕組み」が消滅していること。

 仕組みの消滅とは?
店前を通っている潜在顧客が店内に入ってくる、商品を吟味して買い上げる、使って満足、また来店する、ついでに通りの店を
あちこち冷やかして回るという一連のショッピング行動の対象となる店舗、売り場が揃っていないこと。
 商店街の生命線は、「お客に支持される売場」ですが、これが陳腐化―劣化しているため、来街客の入店客―買い物客―愛顧客という変換が起こらない、ということですね。
愛顧客を創出する売場が無いこと―これが商店街活性化実現を阻むミッシングリンクです。
 
  このリンクを修復し、商店街のショッピングの場としての再生を目指して展開されているのが当社が提唱する「キラリ輝く繁盛店
づくり」ですね。この取組のいっそうの効能効果発揮を目指して試行錯誤する中でフォーカスされたのが第三のミッシングリンクの存在。

3.第三のミッシングリンクとは?

 活性化に取り組んでいる商店街でよく言われているのは、「街に人を呼ぶのは商店街組織の仕事、集まった人をお客にするのは
個店の仕事」ということ。
ちょっと聞くともっともらしい言葉ですが、全国・全商店街・全商店が出来ていない「店前通行量を自店のお客に変換する」
という仕事をいくら「プロ」だからと言ってもうちの商店街の大多数の店で実現出来るわけが無いのでありまして、ちょっとは
自分のアタマを使って考えて見てね、ということになります。

 そんなことが出来るなら、経営改善普及事業や中小企業診断士制度等々は不要です。

  ということで、問題は、既存の個別・中小零細・小売商業・サービス業の振興を目的に作られ運用されている経営支援事業は、
上記のミッシングリンクの修復という課題解決にどう貢献しているだろうか?ということ。

 いうまでも無く、個別商店が活性化に成功して収益が向上すればその分、資金の循環性が確保されます。各個店が次々に経営改善=繁盛するようになればその集積としての商店街は活性化します。
店前通行量を愛顧客に変換する、これは街の活性化に取り組んでいる商店街に立地する個店に共通する課題ですが、上記、中小零細小売商業・サービス業を対象に展開されている経営改善普及事業を始めとする、各種支援振興施策はどう機能しているか?

売り場づくりという点ではほとんど機能していませんね。
もちろん、個別企業の支援指導では成果が挙がっていると思いますが、そのノウハウが商店街で共有され普及していく、という話は聞いたことがありません。

 公的支援で蓄積されているはずの個店の経営改善ノウハウがその集積である商店街活性化に活用されていない。
これが第三のミッシングリンクです。

 すなわち、制度として展開されている中小零細企業振興施策=個別企業支援のスキームと商店街・中心市街地活性化のスキームとの間のリンクが途切れていること。
その結果、個店の経営は改善できず、商店街は活性化出来ない、という状況が起こっている(昨日今日起きたことでは無いが)
わけです。

 商店街活性化、中心市街地活性化の事業計画において、個別事業者に対する支援振興施策の体系的活用をきちんと位置づけている例は無いのでは無いか?
戦略的資源を上手に活用する方途を確立することは目下喫緊の課題となっています。

以上、三つのミッシングリンクについて考えてみました。

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