理論無き実践の行方

 大店法制定以来,今日に至る商店街活性化の取り組みを一言で表す
なら、“理論無き加上”ですね。
加上=物事が上手くいかないのは何かが不足しているからだ、
不足しているものごとを発見し、現状にそれを追加すれば問題は
解決する、という考え方。
個店の販売促進の批判などで既に皆さんご承知のとおりです。
加上法を使う人にはもう一つ特徴があって、「不足」を発見する
方法が思いつきだということ。
本来なら「何が不足しているか」について、客観的・論理的に
分析して不足を発見しなければならないところ、思いつきで
あれが
不足している、これが不足していると数え上げ、次々に追加する。

 幸か不幸か支援制度が充実していますから、どんどん追加可能、
なにしろ自分の懐は痛まないので、費用対効果を真剣に吟味する
必要もあまり感じられません。皆さんにとって「活性化」とは
「活性化事業」と名づけた「加上」に取り組むこと。

 不足しているものごとを追加することが全部悪いというわけでは
ありません。
不足しているものがあり、それが原因で街が衰退しているのであれば
当然その不足を解消しなければならない。

 しかし、何が不足しているか、適切に判断するには不足を発見する作業が必要です。
さしあたり、
①商店街が繁盛するために必要な条件を枚挙する
②我が商店街の条件の揃い具合を評価する
③不足してる条件を発見する
という作業ですね。そのうえで
④条件を整備する方法を考える
⑤事業化し解決する
という具合になるはずですね。

 問題は①~③をどのような作業で行うか。
特に「繁盛するために必要な条件」をきちんと整理して作業の
導きとするには、作業に先立って「理論」が必要です。
理論が無いと「繁盛するための条件」、不足を判断する基準を
作ることが出来ません。

 この作業に取り組むと商店街の現状が、
①何か不足しているから
②なにかが繁盛条件にマッチしていないから
など診断出来る、診断基準を持っていないと必要な課題が分かりません。
加上より原因分析が優先するはずです。

 ところが、加上を採用している皆さんは、原因探索の作業抜きで
最初から
何かが不足している―不足を探し出して手当てしろ
という方法を採用しています。
これが加上法の特徴です。

 さて、加上法を採用した街はどうなっていくか?
活性化事業と称して「思いついた不足」を加上しただけですから、
活性化など思いもよりません。加上に加上を重ねながら街は空洞化
するばかり。
これが「加上法」を採用している商店街活性化(中心市街地も)の
現状です。
いくら取り組んでもなぜ活性化出来ないのか?
その答が「加上法」。

 さて、取り組みを重ねても重ねても活性化の兆候さえ出てこない
のに、どうして“取り組み方を変えてみよう”という声が出て
来ないのか?謎ですね。

 でもこの謎ときは簡単です。
思いつきで取り組んでいる訳ですから、上手くいかなかったら、
また次の事業を思いつけばよい、という恐るべき発想法がその
根底に潜んでいます。おまけに“どうせどこも活性化出来ないん
だから”という開き直りもあるかも知れませんね。

 理論無き実践としての加上法。
いつまで経っても“空洞化趨勢”という問題の周囲をぐるぐる回る
ばかり、その間も問題はどんどん深刻化していますが、まったく
意に介することはありません。どうせどこも出来ないんだし。

イヤ、他はどうでもいいんです。あなたの商店街はこういう取組を
続けていて満足なんですか、
ということなんですけどね。

理論無き実践、お客にも競合にも置いてけぼり状態ですが、
いずれ補助制度が整理整頓されたら一巻の終わり、
じゃないでしょうね?

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