事業の原則 二題

 事業では経営資源(いわゆる“人・もの・金”の三点セット)をうまく組み合わせて配置することで、効率・効果を実現することが重要だと言われます。
実際の経営では三点セットに加えて“時間”が不可欠の要素ですね。あまり指摘されませんが、時間を加味すると問題は、“計画”という領域に入っていきます。

 活用可能な・限りある「人・物・金・時間」をどう使うか、いつ・どこに・どのように投入するか、構想し・実現する=計画することは、分野を問わず組織経営の要です。

 「計画」が行き渡っているのは、土木及び軍事分野です。どちらも大量の「人・もの・金」を動員し、所定の時間内で配分・配置し、相乗効果を発揮しつつ所与の目的を達成しなければならない。両分野とも数千年の蓄積があり、経験から抽出された“事業に関する経験則”がたくさんあります。
“事業の原則”ですね。

 新しい気持ちで迎えた新年にあたって、“活性化”に取組む皆さんにとって重要な原則を二つ検討してみたいと思います。
成功への軌道に乗っていると自他共に認める事業群を計画的に進めておられるところは別として、あらためて取組を点検しなければならないという問題意識を持っておられる皆さんに。

事業の原則・基礎編 その一

事業の目的は事業に先行して事業の外にあり、事業の成果は事業が終わった後に事業の外に現れる。

 事業はそれに取り組むこと自体が目的ではありません。
事業には先だって取り組まなければならない「理由」があり、理由は往々にして「問題」であり、事業に取り組むとは問題解決に取り組むことです。したがって、
①事業に先だって問題が存在する。
②事業が終わればその問題は解決されていなければならない
ということになります。
これは全ての事業に共通する「原則」であり、事業が成功するためにはあらかじめこのことをきちんと理解して計画され、取り組まれることが必要です。

 ひるがえって「商店街活性化」を目的に取り組まれる事業について考えて見ましょう。活性化事業は、
①どのような問題を解決するために企画されているか?
②事業に取り組んだ結果、問題は解決したか?
ということですね。さらに、
③その結果、商店街は「活性化」を実現する軌道にしっかりと乗ることが出来たか?
ということも検討しなければならない。
事業は成功した(人・物・金・時間は計画通りに費消した)が、活性化の実現にはつながらなかった、ということでは何のための事業だったのか、ということになります。
商店街活性化のための事業として取り組まれて来た事業の多くがこういうレベルのものだった=事業は成功したが、蓄積すべき成果はなにも残らなかったという状況は、「事業の原則」に則った事業を起案しなかったから、というところに原因があるようです。
このような事業の進め方には、いくら取り組んでもいつまで経っても事業取組を必要とする状況の改善=問題解決に至らない、という基本的な欠陥があります。
商店街活性化とは
①商店街の
②何が
③どうなることか
適切な定義をしておかないと、
①状況を見誤り、
②取り組むべき事業を誤り、結果として
③いつまで経っても活性化を実現出来ない
ということになります。ご注意あれ。

事業の原則 応用編その一

経営資源の逐次投入を避けよ

「逐次投入」とは、直面する問題の解決にあたって状況判断を誤ったために、解決に必要な投入すべき資源の量・時期などを見誤まり、その結果問題を解決することが出来ず、しかたなくさらに追加して資源を投入すること。
そもそも「状況判断の誤り」に起因する追加投入であり、肝心の誤った状況判断は訂正されないままでの追加措置なので問題を解決することは出来ない。それどころか投入した資源・時間は浪費されてしまい、「追加」は一から同じ道を辿ることになりかねない。
これが「逐次投入」が禁止される理由ですね。

 「商店街活性化」という課題に引きつけて書き直せば、
“状況判断―問題の定義を誤ったために失敗した資源投入を継続・追加してはならない”
ということです。

「商店街活性化」について、「通行量減少」とい現象をとらえて、“通行量を増やす”事業に取り組み、成功に向けて次から次に事業を追加していくこと、などが一例です。

 逐次投入は、実現すべき「目的」を間違えたために起こることもあります。
抽象的な目的を設定した取組は眼前の状況に左右されやすく、「対症療法」になりやすい。「対症療法」で問題が解決されることは無く、たとえ個別の症状は解消しても“活性化の必要”という問題自体はまったく解決されません。
取組は別の“症状”を発見してそれを解消することを目指し、投入資源を追加することになりますが、問題の解決に迫ることは出来ません。
繰り返している間に
人は加齢し
ものは老朽化し
金は底をつき
時間は少なくなる
わけで、これが全般的に“商店街活性化”の取組が陥っている状況だと思いますが如何でしょうか。

“失敗した事業を漫然と継続するため、資源を追加投入してはならない”
ということですね。


 いずれにせよ、限られた時間の中で限られた資源を用いて取り組む事業の場合、“逐次投入”(=成果に乏しい類似事業の使い実施という)アリ地獄に陥らないよう自らを戒めることは事業実施にあたってのイロハのイです。

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